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BACK HAND  作者: 空月メア
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彼女の能力

彼女こと天上千里が所持する能力。

それを知るために、説明するために天上千里と天神まつりは近くの空き地へと向かった。

幸いにも近くに人が住む家はないようだった。

天上千里が住処にしている仕事場のビルも、どうやら廃ビルのようだった。

さらに、詳しく説明すると、建設途中のビルで五階の屋上がない状態であった。

つまり、このビルがある街はゴーストタウンとも呼ばれるべき街であったのだ。

天上千里曰く、昔は人が住んでいた。

ついでに言うと、彼女の生まれの地であったとも述べた。

天上千里自身、その記憶は定かではないということだが、肌感覚でわかるらしい。

だから、何か痕跡でもみつけさえすればということで、居住区としていると。


天上千里「ちょっと離れててね。」


天上千里は天神まつりと一定の距離をとる。

さきほどの、大量の水が降ってくるようなことがあれば、かわすことができない距離だ。


天神まつり「なんで服着替えたんですか?」


天上千里と会った時、彼女は茶色のコートを羽織っていた。

いかにも、クール系女子が着ていそうな服装。

クール系女子と検索すれば上位にヒットしそうな服装。

そして、いま彼女が着ている服は、へそ出しのスポーツウェアだ。

なにか違いでもあるのだろうか。


天上千里「そんなこと、どうでもいいだろ。私の趣味さ。さ、今、私の手にひらの上に、水があるのが見えるだろ。」


天上千里は持っていたペットボトルから少量の水を取り出し、手のひらにのせた。

こぼれれるかこぼれないかの水の量。


天神まつり「見えますけど。」


少し、瞬きをした瞬間、水は形を維持したまま、空中へと登っていった。

決して地面に落ちることなく、その水によって地面が濡れることなく。

そして水はまっすぐ伸びたり、弧を描いたりなど、姿や形を変化させた。

目を擦りながら、まつりはその様子を眺めていた。


天上千里「これが私の能力。水というか、水分のあるものをあやつる能力。そして、異物がなく、純正のものであればあるほど、その精度は格段に高くなる。雪解け水なんかがそれに該当する。」


天上千里「そしてもうひとつ。」


そういって、天上千里は右手の人差し指で、何かをくるくるとさせていた。

それは円形のひものようなものだった。

いやひもよりは柔軟性はないだろう

一般的な缶バッチよりも大きく、手のひらよりも小さいサイズ。

そして、円の中には星が描かれている。

魔法陣を想像させるようなものであった。


天上千里「これが妖退治において、最も重要なアイテム。これを妖に直接触れさせることで、妖を退治する。これと私の能力を組み合わせて、妖を退治する。


いや、退治と言ってきたが、訂正しよう。退治ではなく封印と言ったほうが正しかったね。いや、封印も違うか。まあ、別の世界に妖を送るみたいな感じ。」


天上千里は言葉を続ける。


天上千里「大きな感情を自身で制御できないように、大きな感情で生まれた妖も制御できない。人が感情を消すことができないように、妖も消すことができない。感情が消えるように妖が消えるまで別の世界へ転送させる。これが正しい言い方だったね。」


とりあえず、これまでの話を整理しよう。

彼女は日本に三人存在するあやかし退治を専門とする職業を有している。

そして、あやかしは感情の起伏によって、うまれたものであり、人間に害をなす存在であ

る。また、害をなさないものもいる。

そのため、彼女はあやかしを封印するために、あるアイテムを使用する。

それが、魔法陣のようなものが描かれた、手のひらサイズの円形のアイテム。

それを、使って害を振りまくあやかしを別世界におくることで、あやかしから人間を守

る。

また、天上千里はあやかしを封印するアイテムとはべつの能力を有している。

それは水をあやつるものだった。

そしてその水の量は、とてつもなく大きいものである。

以上が端的に説明された、彼女の仕事であろう。


天神まつり「それで、僕は何をすればいいんですか?」


彼女はまつりに仕事を手伝えと言っていた。

突然身寄りのいなくなった高校生こと天神まつり。

なぜか、誰にも見えないあやかしを見ることができてしまう。

そして、あやかしから攻撃の対象とされている。

ならば、彼女についていき、身の安全を確保するほかに道はないだろう。


天上千里「お!飲み込みがはやくて助かるよ。私の能力は代々、引き継がれてきたものなんだ。そして、私には目的がある。私の母同然、両親のいなかった私に対して、愛をくれた人。そして、愛をくれた人を殺したやつがいる。そいつを殺すことが私の目的。でも、私には時間がない。寿命とかそういったものではないんだけど、時間がない。」


天神まつり「つまり、自分にそいつを殺してほしいと?」


天上千里「うん!そゆこと。まあ、時間がないとはいっても、そんなに短いものでもないんだけど。継承者は必要だしね。訳ありで妖を見ることができるまつり君が最適ってわけ。」


天神まつり「まぁ、いいですけど。自分以外に適任者とかいなかったんですか?」


天上千里「まあ、いないというわけではないんだけど。そいつにはどうしても欠点があって。私の目的を果たすためには欠点ではなくなるんだけど、継承者としての問題がね、、、。」


彼女はとほほといった顔をしていた。


天上千里「よし!それじゃあ早速はじめようか。」


さきほどまでとは打って変わって、彼女は意気揚々としていた。


天神まつり「はじめるって、なにをはじめるんですか?」


彼女の高らかな言葉に不信感を覚える。


天上千里「そりゃあもちろん、修行だよ。」


天上千里は笑顔でそう答えた。

そして、彼女のいう修業は想像していたものとは、大幅に違うものであった。


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