ファンタジー
【ファンタジーは存在する】
「っと馬鹿げた事が書いてありますが」
面倒な顔をしつつ読んでくれるのは、君の良いところだよ。
「ぜ~んぜん、馬鹿げて無いよ。だって俺達が居るだろう」
冷たい目で見るなよ。泣きたくなるよ。
「人からすれば俺達は神と呼ばれる存在だ。非現実的だが、存在するのが現実だろ。さらに、俺達が居るなら他にも居るのは妥当だと思うけど」
「人からすればであって、私達からすれば私達はファンタジーではありませんよ」
むう。確かにそうだけど、ね。
「夢くらい見させてよ」
「夢を見せるのが私達の仕事ですよ」
ぐうの音も出ません。あっでも、夢があるなら・・・
「くだらない事は考えてないで仕事したらどうです」
「冷たいな~もう少しさ~あるだろ」
君はいつもそうだ。話は聞いてくれるのに何処か冷たい。
「じゃあ何です。ドラゴンが存在するとでも」
「するよ~絶対」
「証拠はありますか」
・・・無いです。
「無さそうなので、存在はしませんね」
「存在するよ。ここからは根拠も証拠も何も無いけど、夢を見た時点でソレは存在する。誰かが考えた時点で、妄想した時点で、確かに存在はする。見えないだけでね」
根も葉もない話だけどね。
「その夢を見させるのが私達の仕事なので、結局は存在しません。あと、中二病拗らせ過ぎですよ」
酷いな~もうちょい優しくならないものかね。
「まぁ俺達だって夢だしね」
訳が分かんねぇ