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プロローグ

ドラゴン。

それは伝説上の生き物。

だがしかし、その世界にはまだたくさんのドラゴン達が居た。

ドラゴン。

偉大なる生物。

しかし一概にドラゴンといえども多種多様な形態と性質を持っていた。

地形的に特化したドラゴンにはファイァードラゴンとウォータードラゴン、そしてスカイドラゴンが挙げられる。

ファイアードラゴンは主に地中深くマグマの中か活火山若しくは休火山の火口の中に生息している。

ウォータードラゴンは湖や川の底に生息しており水中で呼吸が出来た。

スカイドラゴンはどの様な術を用いているか定かでは無かったが、その身自体に浮遊力を宿しており、あたかも雲の上に座すかの如く生活を営んでいた。

これら地形に特化したドラゴン達は侵入者に対しては猛攻を加えるものの、それらの生息地を犯さなければ自ら攻めてくるようなことはなかった。


 次にあげられるのが性質や体質が特化したドラゴン達である。

まずブラックドラゴン。

暗黒竜との異名をもつこのドラゴンはドラゴンの中で最も力が強く最も獰猛であった。

そしてゴールドドラゴン。

黄金の知恵と異名を持つこのドラゴンはドラゴンの中で最も長寿であり様々な知識と知恵を蓄えていた。

最後に特定の名は無いが稀に一つの体に複数の頭を持つタイプのドラゴンが存在する。

いわゆる奇形である。


これらドラゴン達はそれぞれ単独で生活し地域に特化した者達は性質や体質が特化した者たちより遥かに多く存在していた。

が、この世界では人間達の未開の地が多く、しかもドラゴン達は過酷な場所を好んだので一人の無謀な冒険者である人間がドラゴンの存在を確認してからも人間とドラゴンの接触はないまま数百年が経過していた。

しかし、いつしかその均衡が破られる時が来た。

人間達は過酷な環境に順応する肉体は持ち合わせていなかったがその代わりに小賢しい知恵を身につけ、環境の方を自分達に合わそうとする術を生み出した。

そこで障害となったのは他でも無いドラゴンであった。

一部のドラゴンを除いては人間に敵意を抱いていなかったが自然を破壊し、自分達の住処を奪おうとする人間達を許す筈はなかった。 


人間達は当初、ドラゴンに対してはでかいだけのトカゲ程度の認識しか持っていなかった。

しかし開拓者という名の(ドラゴンに対しては侵略者)幾人もの人間がドラゴンに殺されてからは人々は考えを新たにするようになった。

そしてドラゴンバスターズというドラゴン退治の専門家と呼ばれる連中が出現する。

特定のターゲットを狙うという点では賞金稼ぎの様ではある。

だが、それは人間のお尋ね者を相手にする一般的な賞金稼ぎよりも遥かに危険でリスクが大きかった。

しかも見返りはほとんどないのである。

人間相手の賞金稼ぎであれば賞金首が手ごわければそれに応じた賞金がかけられているがドラゴンバスターズは賞金は基本的には無いのである。

感謝した者が好意的に宿や食事を提供する、又は金品を提供するといったところが関の山であった。

だが実際にはそれとてごく少ない割合でしかなかった。

なにしろ多くのドラゴンバスターズはドラゴンを倒せずに全滅したり逃げ帰ったりしてはドラゴンの怒りを買い。

その為、近隣の町や村が巻きぞえに襲われたり全滅していたりしていたから無理も無く。

感謝どころか、やっかいもの扱いされる場合もしばしばあった。

ちなみにドラゴンは強大な為、単独で追う事は認められず必ず複数のパーティで行動することを定められていた。

そのためドラゴンバスターと呼ばれるものはおらず一人でいる時でさえドラゴンバスターズと人々は彼らを呼んだ。


ハンターズギルド。

それはいくつかの町にある賞金稼ぎたちの依頼場だった。

依頼の時間になるとどこからともなくその手の連中はもとより明らかにそうではなさそうな連中までが集い依頼者からの説明が始まる。

すると賞金かせき達は獲物と自分の力量をふるいにかけながらハント権という賞金首を捕まえる権利を競り合う。

そしてもっとも安い値で競り落としたものが晴れてその賞金首を追う権利を所有する。

そう、その権利が無いものが捕まえても褒賞金は支払われないのだ。

漁師の漁業権の様なものである。

褒賞金はその地域の上流階級の者達の寄付からなっており予算内から難易度に応じて開始時の金額を定めているが競りにより浮いた分は貴重なギルドの収入となっている。

ただし殺人犯に対しては寄付から賄われるがこの世界では罪を犯しても賞金首にかけられなければ咎められない。

殺人犯に対しては上流階級が身の安全のため寄付をするため基本的に全て賞金首になる。

なにしろ他に罰する組織が無いからだ。

そのため一般市民でも小額な金額から犯罪者に対し賞金首にかけることが出来た。

もちろん実費でだが、というわけでA級の賞金首からG級までさまざまな依頼があり。

プロの賞金稼ぎ、小遣い稼ぎ程度の賞金稼ぎ等でおおいに賑わっていた。

しかしそんな騒ぎも収まり。

人が疎らになっていった。


人間の依頼が終わった後にはドラゴンバスターズの許可申請が数人の志願者とギルドの職員の間で行なわれた。

実はドラゴンバスターズになるには実績や経験がなくてはなれないのである。

そのためまず人間相手の賞金稼ぎとして何人か捕まえその実績をもって審議を受けるのである。

それでも巻き添えで滅ぼされた村や町が多くに上ったため申請は近年厳しくなる一方であった。

その一方で志願者の数も近年少なくなりつつあった。

本日、申請を受けたのはセーニャとタイソーという二人の男女であった。







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