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目が覚めると外も部屋も真っ暗。携帯を点けるとまだ夜中の3時前だった。とりあえず起きて見た夢で新たに分かったことを今まで夢で見たことを綴っているノートに書いておいた。と言ってもまだ少ししかない。赤ちゃんの記憶は本当に容量が低い……現実のことを途中から忘れてしまっている。情報収集にもならない……
「明日は終業式だし早く寝ないと……」
布団に入ったが寝付けずにゴロゴロしていた。
そもそもこの夢を見始めたのが3月終わりくらいだから、新しい環境になるのに心が追いつかずこういう夢を見てるのかも?……でももう7月も下旬に入るし……
っと悶々と悩んでいると外がうっすら明るくなってきて、やばいと思い布団を頭までかぶり目を瞑ったら案外簡単に寝られた。
結局朝は寝坊した。何故誰も起こしてくれなかったのか準備をしながら怒って聞くと
「責任転嫁も甚だしい」「自己責任」「自業自得」
とまだ家に居た家族に言われた。
私が通っている中学は山の上にある。何が言いたいかも言うと行きは長い激坂の登り!しかも腹立たしいことに「坂で自転車に乗ることは危険なので歩いて上り下りしましょう」とか……しかも見つかったら反省文3枚も書かされるとか………
「若者に試練より学ぶ時間が大事でしょうに!何であんな山の上に学校なんて建てたの??山猿かよ山猿!!!!」
靴を履きながら愚痴っていると
「ここに住む物、皆が通る道だ」
っと姉に言われた。そんな真ん中の姉は今日は授業が無いようで、車で友人と買い物して昼から飲むらしい……大学生ってかなりお洒落で憧れる大人だと思ったけど、酔った姉は父より酷いおっさんだ。
私は急いで自転車に乗り学校へと向かった。
「おや、羽倉崎優菜よ、遅刻か!???ん??たるんでるんじゃないか??」
校門を前に数学の先生事、春日井が自転車の行く手を阻んできた。私はペダルから片足をおろし、暑さと激坂を自転車をついて走って上ったため汗ばんだ肌にまとわりつく髪をどうにかしながら答えた。
「春ちゃん邪魔!!!遅刻してないし!もうあと2分でチャイムなるじゃん!!教師がわざと生徒を遅刻させてどうすんのよ!!どいてよ!」
「その前にお前昨日のこと…あれどういうことだよ(言うなっていっただろ)!!!?」
「事実じゃん!!もうどいてよ!!!こんなウザいことしてたら生徒に嫌われるよ!!って言うか生徒にたいしてお前は無いでしょ!!?」
口論をする私達の隣を他の生徒が息を切らしながら隣を通っていく。そしてチャイムが鳴った。
「先生が生徒を遅刻させて何してるんですか!!!?」
「ふっ、羽倉崎遅刻な?あとでしょくい……」
言い終わる前に別の先生が、春ちゃんの名前を叫んで走ってきた
「春日井先生、生徒に何してるんですか!!?」
「え、あ、いえ、遅刻した生徒を「向こうから見えてましたよ」………」
何も言えなくなった春ちゃんは先生に怒られながら連れられていった。とりあえず遅刻じゃ無くなったので、早く自転車を置いて教室に向かった。教室には担任が居た。
「羽倉崎、終業式に遅刻か??夏休みは明日からだぞ?」
「私のせいじゃないよ!春ちゃんのお邪魔虫が入ったんだよ!!!」
「あー、二股??」
「それそれ」
「ま、そりゃ教師の生命線に傷がつくかも知れないのに、気が気じゃ無いだろう??」
「過去なのに?たかがそれだけで??じゃぁ別人でした、はいこれで終わり」
「……羽、倉……」
「子供の頃の記憶はあやふやですし(動画はあるからきっちり覚えてるが)、それに先生は自分だと肯定してないでしょ??ほら!人なんだから間違えもあるよ!まだ中一ですし??」
なんて私優しいの?流れた噂は知らないけどね?って思っていたら先生から呆れた顔をされた。
そのあと何も問題無く終業式も終わり、始業式には春日井はいた。えー、とか思ったが春には飛ぶ予定らしい。
ごめん、春ちゃん。