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お風呂にも入りそろそろ寝ようかなって思い布団にもぞもぞと潜り込む。また、あの夢見るのかな……
夢を見始めたのが3月終わりくらいから。夢の中の私は、体がうまく動かせない。以前よりは動くようになったが、頭と手と足しか動かせない。何せ手が小さい。いやもうなんとなく分かっているのだよ?こんなに動けないし、手が小さいし、意味のある言葉も発することが出来ない。誰かに毎回抱っこされてる感じで、ご飯なんて………ご飯なんて……
とりあえず現実逃避?いえ夢逃避?ですかね、枕の下にサイドテーブルに置いておいた私のバイブルの写真集を入れておく。よく小さい頃、夢の世界でこのキャラに会いたい!とかいってやりましたよね??きっとやった人は多いと思う!と信じて、枕を3回叩いて手を合わせて…
「夢の世界でジョニーに会えますように!!!!……よし!!!」
気合いを入れて布団に入る。夢でジョニーに会えたらどうしようと考えていたら顔がもう、変態面になってきたが辞められない。そうこうしているうちにウトウトしてきて、夢の中に誘われていった。
とても瞼が眩しくて目を開けた。
私のジョニー!!って思ったがまた体がうまく動かない。今回もまたジョニーには会えないようです…ま、期待はしてないけどね…
そういえば誰かに聞いた話、いっぱい寝ていたらそのうち夢を操ることが出来て、自分の見たい夢が見られるようになるそうだ…明日終業式行ったら、夏休みは寝まくろう。
決心をしていたら誰か女の人が近づいてきた。
「…………シャルロット…!!」
名前を呼ばれた。いまだに名前以外は何を言ってるかさっぱり分からないけど、とりあえず最近は名前が分かるようになった。
呼ばれたのでとりあえずそちらを向いて笑顔を振りまく。
「……!……!!」
本当に何を言ってるのかな??ところで私はお腹が空いたわ。お尻も気持ち悪い……そう思っていたら何だか泣きたくなって泣いた。
女の人はおしめも替えてご飯をくれた。
ぷはー、余は満足じゃ的な感じで笑うと女の人も笑った。この女の人は本当に美人でスタイル良しな人で、いつも私の相手をしてくれている。きっとこの人が私のお母さんなんだろう。
と言うことは夢の中の私は将来美人かしら?あれ?と言うか私女の子だよね??でも男の子でもこの人に似たら美男子間違い無しだわ。現実世界での私は平凡も平凡。夢の中の私羨ましい。
そんなことを考えていたら服を着替えさせられ、何処かに連れられていった。
ここの家はとにかく広い。日本語じゃ無い時点で海外で、しかも東洋人では無い感じなので、欧州ら辺の夢かしらね?私の夢は外国人なのねー。向こうは土地が広いから田舎の方は家も大きいイメージだったけどこれはまた…………何LDKあるんだろうね?
まだ私は部屋から出たのが片手も無いから知らないけれど、今歩いている廊下にはいくつか扉があった。外に出たとき建物はまだはっきり見えないけれどシルエット的には大きい。
母(?)はある扉の前に立ち部屋をノックした。中から返事があり入室すると、そこには一つの家族が居た。
家族構成的にソファに座っているのはお父さん、お母さんでこっちに来た男の子2人が息子で……ソファの後ろに立っているのはお爺ちゃん?でもお爺ちゃんより若い。寧ろお父さんと同い年くらい……弟とか?
壁には誰かいるっぽい??見えないけれど形がある。
「ーシャルロットーー。」
女の人に抱っこされた私に男の子2人が話しかけてくれているが何か分からない。何言ってるんだろうか?寧ろだれ?兄とか?いや従兄弟かな?そう言えば私のお父さんは誰かな?見たことない。
そんなこと考えていたら男の子2人のお父さんに抱っこされた。何だか怖い。そう思ったら泣いてしまった。すると次は2人のお母さんに抱っこされた。怖いようで怖くない。何だか安心する匂いがする。そう思うと涙は止まった。男の子達が顔を覗き込んできたり、名前を呼ばれたりととにかくいつもと違って疲れてきて私は寝た。