夢は異世界でした
現実に私は育つ
夢の世界の私も育つ
私の現実とは一体どっち
そもそも現実とは何か
時間軸が可笑しい
でも、二つの人生は進む
私はどっちらが本当の私?
両方私?両方他人?
不思議な事はいつ終わる?
「………んな!!!!!」
あまりに物衝撃的すぎて勢いよく起きた。
手には汗をかいて顔にはよだれと制服のボタンの跡、そしてクラス皆からの視線………
「どうしたー、羽倉崎?そんなにテストの間違えた箇所にビックリすることあったか?」
黒縁眼鏡が全く似合っていない教師がチョークを片手に教壇に立ってこっちを見ている。今、数学の期末テストが返ってきたのを、最初から答え合わせと、途中式の解析中だった。
「いえいえ全くもってそんなそんな………あーいえ、まさか式では合っているのに最終の回答で違う答えを書いていたのが衝撃的すぎて………」
「あー、あれお前だったか……先生優しいから三角じゃ無くて罰にしてやったぞ?これに懲りて次は気をつけるだろ??あー、先生優しいー、それから羽倉崎居眠りしてただろ?」
いや本当、これが教師でいいのだろうか?寝ていたのは悪いが、せめて途中式の方は三角で一点でもあっても良いと思うのだけれど……ため息物だ
「そんな先生……二股かけてたのが本命にばれて思い切りグーで殴られたところに、偶然居合わせた私に対する嫌がらせですか?」
「おま、な、いつの、…な…ナニイッテイルノカナ?この私がソンナコトヲスルトデモ?『キーンコーンカー……』お、お、それじゃぁ夏休みの宿題担任に渡しておくからな、じゃ、解散」
先生は急ぎ足で教室から出て行った。クラスの皆は笑いながら話しで盛り上がっている。少し離れた席の椎奈がやってきた。
「ちょっと、優菜、今のどういう事?…ちょ、顔によだれ着いてるよ!!早く拭きなよだらしない…」
黒髪ロングで少し胸が出てきてスタイルが良くなってきた、友達の椎奈は鼻息を荒くしてやってきた。美人なのに至極残念な趣味と思考をお持ちの友人だ。
とりあえず、ポケットに入っていた鏡を出して確認すると、くっきりボタンとよだれが……恥ずかしい…いそいで服で拭っていると
「あー、もしかしてさっきの春ちゃんの二股の話、優菜が昔公園で見たって言ってた人のこと?あれ春ちゃんだったの?」
顔を拭きながら頷いた。昔近所に住んでいた男の子と学校が終わって塾が無い日や椎奈と遊べない時によく公園で遊んでいたのだが、その日も2人で遊びに行ったときにあった出来事だ。つい、面白くてイタズラで口げんかから始まったところから動画に撮ったのがまだあるとは先生には口が裂けても言えない。