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新しい町ジェド

 ゲームのシステムとかを色々聞いた後、シマさんとフレンドコードの交換をした。何か困ったことがあればいつでも連絡していいらしい。しかもゲームにインしていなくても、シマさん専用メイドさんがいるから、リアルのメアドにメッセージを転送してくれるんだって。


 メイドさん!

 もしかして「お帰りなさい、ご主人様」とか言っちゃうのかな。むふふ~。シマさんも大人しそうな顔してやるね~。


 でもよく話を聞いたら、住宅街エリアに家を買うと普通に雇えるみたい。うわあ、いいなぁ。VRだから、リアルメイドさんを雇えるってことだもんね。

 私が羨ましがっていたら、シマさんが村の家でも雇えるんじゃないかなと言ってきた。次の町に行けば紹介所があるから、そこで雇えるかもしれないそうだ。

 雇うのにはコインがかかるけど、康太さんからコインをもらってるから問題ない。


 わーお。これはもう次の町に行ったらすぐにメイドさんを雇うしかないよね!


 他にも紹介所で冒険のサポートをしてくれるNPCも雇えるし、インしてない間にプレイヤーが作ったものとかいらないものを売ってくれるエージェントも雇えるらしい。しかも一カ月単位で雇えるんだって。便利だよね。


 シマさんが次の町の案内をしてあげようかと言ってくれたけど、それは丁寧にお断りした。だって別にゲームだから危ないことなんてないし、自分のペースで新しい街を探検したいもんね。

 なんだかとっても心配されたけど、ぷっちょんもいるし、大丈夫大丈夫。


 見送ってくれるシマさんに手を振って、まずは村長さんのところへ行く。だってまだゲートが開いてないからね。


 シマさんが言うにはLV10になってるから、村長さんに次の町に行きたいって話しかけるだけで行けるんだとか。

 なんだ~。じゃあ試験前にスミを渡した時にそう言っておけば良かったね。ゲートが開いてても、行く時間はなかったと思うけどもね。


「村長さん、こんにちは~」

「おお、由真じゃないか。久しぶりだな」

「すみません。試験とかあって、来れなかったんですよ」

「そうかそうか。勉強は大切だからなぁ」


 NPCなのに、試験とか分かるんだ。ちょっと心の中で笑ってしまった。


「それでそろそろ次の町に行きたいんですけど、どうやったら行けるんですか?」

「ああ、ジェドの町に行きたいなら、あそこの町長にスライム大好き倶楽部の定例会の案内を渡してくれないかね。今度の定例会は私の担当でね。倶楽部の支部に案内を出さないといけないんだよ」

「定例会なんてあるんですか? それって私も参加できますか?」

「もちろんできるとも。由真にも渡しておこう」


 村長さんから渡されたのはスライム型の青いカードだ。スライム大好き倶楽部定例会のお知らせ、と書いてあって、日時が書かれている。今度の土曜日の午後8時からみたいだ。予定はないし、参加できるね。


 村長さんに定例会への参加を伝えて外に出る。そして噴水広場に行くと、ジェドの町、という名前のゲートが光っていた。


 よーし、新しい町でメイドさん雇うぞー!


 肩に乗ったままのぷっちょんと一緒にゲートをくぐる。流星群を抜けると、そこには大きく冒険者ギルドって書かれた建物が見えた。あたりを見回すと、オルサの村よりもちょっと大きな町が広がっている。

 噴水の周りにゲートがあってその周りにお店屋さんが集まっているのは同じだけど、ゲートの数はオルサより多いし、初めて見る冒険者ギルドの建物もある。


「あ、階段だ」


 オルサの村には階段なんてなかったので、ちょっと新鮮だ。山の麓にある町らしく、階段があって、その先に少し大きな建物が見える。


 多分、町長さんとか偉い人って、一番高いところに住んでるんだよね。ってことは、この階段を上がれば町長さんがいるのかな。


 預かった手紙と、目の前の冒険者ギルドを見比べる。紹介所は後回しにするにしても、どっちに先に行こうかな。

 どっちも行きたいけど、う~ん……


「ぷっちょん、目の前の冒険者ギルドと町長さんの家、どっちに先に行きたい?」


 迷ったあげく、ぷっちょんに聞いてみた。そうしたら迷わず「町長さんの家!」と答える。


「どうして町長さんの家に先に行きたいの?」

「だって、町長さんのところへ行けば、おいしいお菓子くれるって村長さんが言ってた!」

「え。いつのまにそんな話をしてたの」

「由真がカードをしまってた時!」


 確かにカードをしまってる時に町長さんが何か言ってたかも。気にしてなかったけど、そんな事言ってたんだ。

 っていうか、ぷっちょん、お菓子なんて食べれるの? そもそも、お菓子って何か知ってるの?


「お菓子って、聞いた事あるよ。とってもおいしいものでしょ! 初めて食べるの。ボク楽しみ!」


 そっかぁ。スライムの社会でもお菓子って人気なんだね。ペットになってるスライムもいるらしいから、それで知ってるのかな。

 ということは、たまにはぷっちょんにもお菓子をあげたほうがいいのかな。お菓子って、どこで売ってるんだろう。

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