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どこまで育つの ※

明けましておめでとうございます。

今年もよろしくお願いします。

 ぷっちょん巨大化疑惑の真相を聞くために、畑から急いで戻って村長さんのところへ行った。だってスライムのことには詳しそうだしね。


 ぷっちょん本人にも聞いてみたけど、生まれたばっかりだからよく分からないそうだ。


「村長さん、村長さん。ぷっちょんって巨大化するんですか!?」

「どうしたんだね、由真。そんなに慌てて」


 相変わらず書類の山に囲まれている村長さんは、サインしていたペンを置いて顔を上げた。


「いやだって、ぷっちょんがLV2になったんですよ」

「おお。それはおめでとう」

「そしたらなんか大きくなってるみたいなんですよ」

「どれどれ。おお、少し大きくなったねぇ」


 ぷっちょんの前まで来てしゃがみこんだ村長さんは、ぷっちょんをなでなでした。ぷっちょんも嬉しそうに虹色を煌めかせてぷるぷるしている。


 う……いいな。村長さん、ぷっちょんを触れるんだ。いいな、いいな。

 ……そんなに羨ましくないもん。私のほうがぷっちょんと仲良しだもん。


「それで、これからもLV上がるたびに大きくなったらどうなっちゃうんですか? 家より大きくなったらどうしよう。もしかして山くらいの大きさのスライムになっちゃたりするんですか!?」

「ふむ。伝説のスライムは山ほどの大きさだったと言われているが……よほど長生きしなければそこまでの大きさにはならないんじゃないかな」

「スライムの寿命ってどれくらいです?」

「はて。考えたことがないから分からないが、この村で飼われているスライムは飼い主が死ぬと、いつのまにかいなくなっているねぇ」

「それってスライムの森に帰ったとか?」

「そうかもしれないねぇ」


 結局、何も分からなかった。

 とぼとぼと、クエスト完了の報告の為に、村役場を出てリックさんの家へと向かった。


 リックさんはキャタッピ退治にとても喜んでくれて、コインと麦わら帽子をくれた。もちろん帽子は新品だ。ついてに経験値ももらって、LV9に上がったっていうメッセージが出た。


 そーいえば私のステータスってどうなってるんだろう。ちゃんと見たことがなかったから、見てみるといいかな。




―――――――――――――――

一ノ瀬由真


 LV 9

 職業 村人

 HP 23

 MP 25

 STR 12

 DEX 15

 VIT 18 

 INT 24

 AGI 35

 MND 22

 LUK 7



スキル


 剣LV1

 短剣LV1

 弓LV1

 魔法LV1

 回復LV1



―――――――――――――――



 うーん。HPとMPと……LUKだけは分かるけど、他の英語が分からないなぁ。

 あと自分が強いのか弱いのかも分からない。

 ……けど、今までも分からなかったけどどうにかなってたんだから、まあいっか。


 ちなみにぷっちょんのステータスはLVだけしか分からなかった。ぷっちょんも何かスキル持ってるのかな。体当たりとかかな? スライムアターックとか言って体当たりしたら可愛いよね。スキル持ってなくても戦えなくても、かわいいからいいんだけどね。


 LV10になれば次の町に行けるってことだから、他にもクエストがないか調べてみよう。


 また村役場に戻って村長さんに何か仕事がないかを聞いた。するとインクがなくなってしまったので、その材料を取って来てほしいと言われる。


「炭焼き場のスミが必要なんだけどねぇ。最近そこに大ネズミが住み着いてしまって、炭が取れなくて困ってるんだよ」

「ってことは、その大ネズミを倒すんでしょうか」

「さすが由真。話が早いねぇ。大ネズミを倒せば、スミを持っているのがいるから、それを持ってきてくれればいいよ」

「えーっと。それはつまり、大ネズミを倒してスミが出てきたら、それを持ってくるってことですか?」

「そうそう。その通り。大ネズミはキャタッピよりも強いから、気をつけて行くんだよ」


 なるほど。今度のクエストはただ単にモンスターを倒すんじゃなくて、モンスターが落とすアイテムが必要ってことか。つまり、一匹倒してすぐに出る場合もあるけど、いくら倒しても全然でない場合があるってことだね。


 それにしてもキャタッピよりも強いんだ。キャタッピは楽勝で倒せたけど、大ネズミはどうなんだろう。あと、ぷっちょんは一緒に戦えるのかペット枠なのか、どっちだろう。


「村長さん。ぷっちょんも一緒に戦えるんですか?」

「うーん。普通のスライムは戦えないけど、虹色スライムだから、どうなんだろうねぇ」


 村長さんも知らないらしい。するとぷっちょんがぴょんぴょん跳ねてアピールしてきた。


「あのねあのね、ボクもちゃんと戦えるよ! 今はまだ弱いけど、そのうちすっごく強くなって、由真のこと守ってあげるんだよ!」

「おお~。そうなんだ。頼りにしてるね、ぷっちょん!」


 私はしゃがんでなでなでのエモーションをする。ああああ。実際に触りたい~~~。


「あ、でも、ぷっちょんって倒されちゃったらどうなるの?」


 私みたいに教会で復活するのかな。それともそのまま消えちゃうとか。もしそうだったら、危険なのでぷっちょんはお留守番決定だ。


「えっとね。スライムの森に戻っちゃうから、迎えに来てね? あと、ずっと会えない時間が続いても戻っちゃうから、気をつけてね」


 ってことは、消えちゃうってことはないのね。それなら少し安心。

 でも私もぷっちょんも倒されないようにがんばるけどね。


「じゃあ、大ネズミ退治に行ってきまーす」

「いってきまーす!」


 噴水広場に行くと、『炭焼き場』へ向かうゲートが光っていた。これで向かうといいんだね。広場にある光っていないゲートは残り一つ。多分、これが次の町に向かうゲートなんだろうなぁ。


 そう思いながら炭焼き場へのゲートをくぐると、ちょうど次の町と繋がっているゲートから人が出てくるのが見えた。一瞬だったからよく分からなかったけど、あれって他のプレイヤーかな。初めて見たよ。


 そういえば、過疎ってるって言われてるんだっけなぁと思い出す。とりあえず私は今のところ楽しいから続けるけど。それにぷっちょんもかわいいしね。

ステータスは使いまわしです。

 HP 体力

 MP 魔力

 STR 力、または攻撃力

 DEX 器用さ 攻撃の命中率や製作の成功率を上げる

 VIT 生命力または防御力

 INT 知力

 AGI 素早さ

 MND 精神力

 LUK 幸運


そしてスライムへの愛が止まらない予感……

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