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残り9日 「ニートに訪れる、3つの試練」 上

小説書いたことありません

その日その日で考えて作っています(適当)


下手なのは承知してます、だけど感想ください (切実)

 朝起きて、僕は探し物をしていた。

「ない、ない、ない、なくなってるーー」

 寝汗もかいているが、それとは別の冷や汗をかいている僕

「ありえない」

 僕は、そう言うともう100回は見たであろう、自分の手を再度見る。

 両手の指先には、昨日呪いをかけられたグルグル指紋が今日もカラフルな色をしているが、ないのだ。

 「左手親指にあった赤色指紋がなくなっている」

 「赤色が一番好きだったのにーー」

 俺は叫んだ。 と同時に、疑惑は確信へと変わる。

 「ママのかけた呪いは本当だったのかもしれない。」

 ゴクリと唾を飲み込む。

 それは、即ちあと9日で死に絶えると言う事を意味しているからだ。

 「ママー ママー」

 僕は、叫びながら、部屋を飛び出し、階段を駆け下りた。

 「おはよう」

 そう言うママは、アンティークのイスに腰かけ、紅茶をたしなんでいた。

 「おはようって、それどころじゃないよ! 見て」

 そう言い、僕は左手を見せる。

 「昨日呪いをかけたじゃない 信じてなかったの?」

 平然と言われる。

 「色々ありすぎて、嘘だったらいいなとも思ってた」

 「そう」

 ママの眼は、少し冷めていた。

 いくら息子と言えど、もう僕に対して何の想いもないのかもしれない。

 あっけに取られると同時に言葉として表せられない悲しみが出てきた僕は、再び覚悟が決まった。

 「絶対9日で就職するから」

 そう涙声で僕は言っても、相変わらずの冷たい反応

 僕は急いで風呂場に駆け込んだ。

 悔し涙と寝汗を流す為に……

 

 風呂から出た僕は、自分の部屋に戻り身支度をしていた。

 幸い、昨日ギルド(ハローワーク)に行こうとしていたので準備は終えていた。

 なので、後は服を着るだけだ。

 「ママあんなに冷たい態度とってたけど、ツンデレだなー」

 僕はニヤニヤしながら言った。

 風呂から3時間かけて出る(男の子のお風呂は長いのだ)と、ママは北の教会に働きに出かけたようでいなかった。

 だが、机の上に1000プア置いてあったのだ。

 1000プアとは、ジュースが8本も買えて、お釣りは40プアも出る金額だ。

 要は、1000円だ。

 僕は身支度が終わり、玄関にある鏡を見る。

 鏡をきちんとした格好で見たのはいつぶりだろうか。

 12年前は、まだ男として、筋肉ムキムキではないまでも、176㎝と言う身長に合った体つきをしていた。

 腹筋も、トレーニングをしていなかったが、うっすらと見えるのは僕の自慢だった。

 まあ、誰にも見せてはいないのだけれど。

 それが今ではどうだろう。

 服を着ていても分かる、横にも前にも圧を感じるこの体。

 顔もパンパンに膨らみ、呼吸も目障りに感じる程の音を一定間隔で出している。

 すっかり変わり果ててしまった。

 受け入れがたい現実に、早くもめげそうになるが

 「大丈夫 本気出せば余裕だから」

 そう鏡に映る自分に向かってエールを投げかける僕

 言葉を発するだけで、息がハアハアとなるが、意を決して、ドアの前に着く。

 「……」

 やはり、緊張なのか分からないが、心臓の動きが激しくなる。

 それに手が震える。 

 怖いのだ。 自分の手ではコントロール出来ない外の世界がどうしようもなく。

 次々と押し寄せる問題に、対処出来なかった事を考えるとどうしても。

 「僕は、ギルドに行く 僕は、ギルドに行く」

 何度も念じながら、ゆっくりとドアを開ける。

 途端に、日差しと暖かいながらも芯のある風が僕に優しくあたるのを感じた。

 「ふーふーふーふー」

 動悸が激しくなっていたが、自然に触れている事を頭の中で意識しつつ、深呼吸を繰り返す。

 地に足をついてする呼吸は、窓を開けて感じていた時とは、全然違っていた。

 なんか生きている感じがする。

 僕の呼吸は徐々に落ち着きを取り戻し、太陽を見あげる。

 「うわっ、ちょーまぶしいー」

 太陽は、僕に対して遅すぎるぞ!と言っているような程暖かい日差しを僕にあててくる。

 なぜかは分からないが、笑みがこぼれ楽しい気持ちになった。

 「よし行くぞ」

 僕は、久しぶりに出る街の情報を忘れている。

 それを悟ってか、気を利かしたママがお金と共に置いといてくれた地図を見ながら、ギルド(ハローワーク)を目指す。

 一歩一歩自分の足で……

 「やっぱり、長すぎるよ~」

 僕のママは何度も言うが北の教会の聖母

 収入もやばい、当然お金持ちで、家もでかい。

 そして家から家の門までの距離も長い。

 恐らく、1キロはあるだろう。

 12年振りに見ても、その壮大な景色は変わらない。

 いや、12年前より進化を遂げていた、

 「すげーー」

 ママの趣味で綺麗に咲き誇っている花の数々が、門まで続く一本道の左右に咲き誇り、彩っている。

 そこには果物もたくさんある。

 バナナ、いちご、パイナップル、メロン、その他野菜もよりどりみどりだ。

 魔法により、管理されている庭は、僕が働かなくても一生暮らせる設備だった。

 それに甘えて、ニートになったのもあるのだが。

 そんな見飽きたりない、道を歩く僕

 600mほど歩いた頃だろうか、古い小屋が真正面から見て左に150mほどの所にあるのが見える。

 しかも小屋にいけるように道が出来ていたのだ。

 「あれ、小屋なんてあったっけ」

 僕は記憶をたどる。

 しかし、思い出せなかった。

 と同時に、この道は一本道のはずだったのに、左に脇道があるのだ。

 「ママが立てたのかな~」

 そう思いながら、古小屋を見て、疑問を感じながらも、歩いているとあっという間に門の前に着いた。

 「はあーはあーはあー」

 動悸が落ち着いたはずなのに、門の前に着いた時には、呼吸のリズムがくるっていた。

 「デブにこの距離は辛すぎる」

 42、195キロ歩かされた気分だ。

 新品の上下の服も汗でびちゃびちゃである。

 「辛い、もう眠気が、でも第一試練クリア」

 僕はギルドに向かうまでに、ハードルを3つの試練を設けた。

 やる気を出す為と、くじけないようにする為だ。

 我ながら名案であると思う。

 現に愚痴は言うものの、花や果物、風に太陽などを見ながら歩いていた僕は、不思議と達成感を感じていた。

「第1試練、外に出て門まで歩く達成! さあ、あと試練は2つ頑張るぞ」

 気合を込めてそういうと、僕はべちゃべちゃになった右手で門を開け、家と言う安全な世界「絶対領土」から、外の世界「異常地帯」へと足を踏み入れた。

 「次の試練は、知り合いに合わない……か」

 合った事を想像しただけでも恐ろしい。

 一人の大人として自立し生きる知り合いに、僕の姿を見られるだけでも、裸を見られるよりも精神的苦痛度は高いのだ。

 「絶対に合わないようにしなければ……」

 僕はそう言うと、ゆっくりと歩きだした。

 一歩一歩確かな足取りで……


 目的地まで、約1300m

 

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