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プロローグ 「職業ニートは立派な30歳になりました」

小説書いたことありません

主人公と同じく、その日その日で考えて作っていきます


下手なのは承知してます、だけど感想くださーーーーい


                   【プロローグ】


 今宵は新月

 24時を過ぎ、新しい日付へと変わる

 変わったところで、景色が変わる訳でもなく、「ホーホー」と一定のリズムで鳴き続けている野鳥たちの声が止む訳でもなく、何かが変化したと言う実感はあまりしない。

 まあこんな事を考えてしまうのも、僕がたった今30歳の誕生日を迎えたからなのだ。

 とは言え、12年も引きこもっているので、どうでもいい事なんだけれども、何だかチクチクと胸の中に刺さる物がある。

「はあ~」

 自分の人生を見直しても、あまりいい思い出はなく、外に出る勇気もない。

 30歳を迎えてなお女性の手を触った事すらもない。

 こんなどうしようもない人生で良いのかと、考えただけで、何も良い案は思い浮かばないのだけれど、

ため息ばかりが漏れる。


 「あーあー、面倒な事考えるのはやーめーたー」

 僕はそう言うと、慣れた手つきで、ノートパソコンの電源を起動させる。

 画面の中には、僕の偏った負の思考を一瞬で忘れさせてくれるあの天使様に会えるからだ。

 「えへへへへ」

 僕の目の前には、笑顔で微笑みかけるイブがいる。

 女性だけが住む街ビーナスタウン一の美少女で、アイドルをやっておられる。

 奇跡的に彼女と同じ誕生日であり、4月7日24時ちょうどに、彼女の生誕記念日として新しいPVが披露される事になっていたのだ。

 と言うのもついさっきまで忘れていたのだが、彼女のホームページを見るとそう書いてあった。

 僕は、動画の再生ボタンを彼女が生れてきてくれた事への感謝の意を込めて、ゆっくりと押す。

 「今日は、私の18歳の誕生日! 皆いつもイブを応援してくれて本当にありがとう。

  実は、伝えたいことが2つあります。1つは新曲のお披露目です。もう一つは最後にでは、楽しんでくださいねー」

 彼女は、そう言うと顔を少し傾けウィンクをする。

 「かわいいー」

 僕がそう言うと同時に、PVが始まったようだ。

 彼女の今回の衣装はまさかのへそだし。

 ダンスをする事にうっすらと見えるおへそ回りの腹筋がなんともセクシーで、スカートの下にしっかりとしながら細く伸びる足は、雪のように白く本当に美しかった。

 1回のpvを観るだけでは、全てを語るにはあまりにも足りず、今回は彼女の動きを堪能した。

 4分程の時間が、わずか20秒程に感じられ、僕の心は彼女の歌に包まれた。

 僕は感動をしていると、映像が切り替わる。

 「今回の新曲どうだったでしょうか? 気付いた人いたら恥ずかしいですがおへそを今回は出してみました。 すっごく恥ずかしいです」

 彼女は、恥ずかしさからか頬をピンク色に染めながら、ぺろっと舌を出した。

 僕はドキッとして、目の前に実物がいないのにその仕草を見ただけで、寿命が2年伸びた気がした。 

 「それで、2つ目のお知らせなんですけれど」

 彼女の先程までの表情とは違い、重い雰囲気へと変わる。

 「実は、……」

 まさか、恋人発表か?

 せっかくの記念日に、新曲のPVを見て天国を感じたのに、地獄に落とされてしまうのか。

 莫大な不安感が僕の体の中を駆け巡る。

 「実は、……」

 彼女は、ゆっくり息を吸いこみ、呼吸を整える。

 意を決した顔になり、彼女は語りだす。

 「実は、私の婚約者になってくださる殿方を募集いたします」

 「!!!!!!!!!!!!」

 婚約者とな!!! すぐさま、彼女の夫となった光景を妄想する。

 仲良く手をつないで、よりそってキスをするそんな光景が浮かんでくる。

 イブちゃんと、あのイブちゃんと結婚できるかもしれない、これは笹食ってる場合じゃねえ! 一気に心拍数が上がる。

 映像は、彼女が募集を告げたと同時に、司会担当の女性へと切り替わり詳細が説明された。

 イブ本人が強い結婚願望を持っている事。 

 女性として一番輝いている18から40までの時間を将来愛し合う旦那様に捧げたいと言う事。 

 応募資格は18歳から30歳までの成人男性で就職をしていると言う事。

 要約すると、こんな感じだった。

 「イブちゃんに、結婚願望があるなんてなー」

 ずっと天使だと思ってた女性が、旦那様に自分を捧げたいと言っている、こんな素晴らしい事ってあるのか?

 だが、募集内容をよく見ると年齢はぎりぎりセーフだが、就職をするどころか、僕は引きこもっている。

 残念だが縁のない話だ。

 僕はいっきに落胆してしまい、この後日課の朝までネットサーフィンをやる気力がなくなってしまった。

 しょうがない、寝よう。

 夢でせめていちゃいちゃしよう。

 そう僕は思い、30歳の記念日である一日目に、そうそうと涙を流しながら別れを告げた

 「イブちゃんと結婚じだいよぉぉぉぉ」


 これが今夜最後の言葉となった。

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