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恋敵
「御兄弟いらっしゃるのですか」
先生は目も合わさずにこう告げた。
「実は居るのだよ」
空は晴れわたり、皆、沢山の生徒が居るのに何故、先生は嘘をつくのだろう。
私には恋人が居るのに、先生は教室に居る、皆に嘘をついた。
先生は一度だけ、私にキスをくれたが、それを隠す為なのだろう。
彼氏は振り向いてこういった。
「お前、浮気してたよな」
「なんで知って居るの?」
授業が終わり、廊下に2人して並ぶと、身長差で私の方が小さい。
大体25cmぐらい。
「なあ、千鶴。どうして俺がお前のそばに居るか分かるか…?」
「…知らない…」
彼氏は背を傾げて、私の顔を覗き込むとこう言った。
「先生に頼まれたからだよ」