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サウスホルン

更新遅れました。

- 商業ギルドサウスホルン支部 職員宿舎 -

21:00


(暇だ。 暇すぎる……)

銃のメンテナンスも、弾薬の確保も済んでしまったので完全にすることが無くなってしまった。


「夕食でも食べに行くか……」 呟きながら、拳銃を腰のホルスターに入れて部屋から出た。


一階の食堂に降りてみると、やはり高級レストランのような雰囲気だった。

( ……宿舎としてはどう考えても、金をかけ過ぎだろ)


「何をご注文ですか?」

ウェイターの少女が、メニューを持ってきた。


「おすすめを頼む」

「かしこまりました。」恭しく礼をして、厨房へと走って行った。

「料理長!! 海鮮パスタのオーダー入りました!」


注文してから数分経ち、厨房から芳ばしい香りが漂って来た。

「お客さん、この街は初めてかい?」 厨房にいた筈の男が、いつの間にかカウンターの目の前にいた。

「ええ、そうですが」 (あれ?俺、疲れてるのか?一瞬でこっちに来た気がする……)

「こいつぁ予想外だ! 今ので驚かないのか!?」 やはり何かやったようだ。

「さっきまで、厨房で炒めていた筈ですからね」

「いやぁ、まさか初見で見破られるとは!!」


「店長、お客さんをからかう暇があったら調理の方をやって下さい」

先程のウェイターの少女が歩いてきた。

「おお、怖い怖い。悪かった、いま戻るよ。 まぁお客さん、彼女の料理の腕は、私よりもいいから安心して食べていいよ」

(絶対この人さぼりたかっただけだろ)


「お待たせしました。 ご注文の当店オリジナルのサバーニャ地方風海鮮パスタです」

日本だったら至って普通の海鮮パスタだった。


「お、美味い」

ここ数日間あの任務で、缶詰と食品では無い何か(アメリカ軍の携帯食糧)しか食べていなかったのでまともな食事は久しぶりで美味しく感じた。


黙々と食べて数分で食べ終わった。

「とても美味しかったよ」

「そりゃそうですよ! ここの看板メニューですから」

少女は笑顔で言った。

「……えーとー、幾らだっけ?」

「お客さん、何を言っているんですか? 食事はサービスですよ」

「そういえば、そうだったな。 すっかり忘れてた」


食堂の店長とウェイターの少女に「おやすみ」と声を掛けてから上の部屋に戻った。


部屋の鍵を廻して部屋の中に入り、カーテンを閉めてベッドの上で横になり拳銃を炭素繊維製のホルスターから抜いて枕の下に入れた。


(明日、周辺の環境の確認をするか……)

部屋の蝋燭を消してベッドの上に寝た。


目を閉じて数分後……


(柔らかすぎて寝れない……)

つい先日まで戦闘を行っていたイラクなどでは、硬いベッドで作戦中で、そのまま地面に寝るということもよくあったから、この上質すぎるベッドが俺の何らかの警戒心を強めているようだ。


(しょうがないからソファーで寝るか……)

暗闇の中、ソファーまでなんとかたどり着いてようやく就寝した。



そして、翌朝になった。



04:06


日課の銃器メンテナンスとトレーニングを行ったあとにカーテンを開けると、街はまだ闇に包まれていた。


窓の外を眺めていると時間が経つと共に、徐々に人通りが多くなってきた。


昨日と同じように拳銃をホルスターに入れSIG716を背負い、下に降りて食堂のドアを開けると、ウェイターの少女がせっせと掃除をしていた。


「おはよう」

「え?あ、おはようございます。 すいません、 まだ食堂は開けていないんです」

「あー残念だ。 あとで厨房を借りてもいいかい?」

「別に構いませんが、何を作るんですか?」

「作ってからのお楽しみということで」


食堂をあとにしてまだ明るいとは言い難いが、市場へと向かった。


- 市民市場 -

05:36


市場に到着した頃には、既に沢山の出店が開店していて商人達は、朝のうちに商品を売り捌こうと競い合っていた。


「そこのお兄さん!! 新鮮な食品を買っていかないかい?」

「どれ、見てみようか」


出店の中を覗くと、林檎のような果物や鶏肉などが山積みとなって置かれていた。

「鴨肉はあるか?」

「ああ鴨ならぞ。 銅貨7枚でどうだ?」商人は、右側にあった鴨肉を手にとりながら言った。

「高いな。 じゃあそこの野菜4つと一緒で銅貨7枚だ」

「お客さん、それはきついな。 銅貨8枚ならいいが」

「じゃあ別の店で買うことにするよ」

そう言いながら別の店の方に歩き出すと

「分かった分かった。 その値段でいいよ」

銅貨を渡して鴨肉を受け取った後、調味料を求めて市場を彷徨い始めた。


探し始めて1時間が経過したが、結局求めていた調味料は見つからず塩と香草しか手に入らなかった。

その後、商業ギルドでサウスホルン周辺の地図を購入して街を|散策(偵察)し始めた。


サウスホルンの周辺は、東側は、サーニャと共に歩いてきた平原で、北・西側は、湖に面し、南側は、山岳地帯となっていた。


南側の山岳地帯は、街との間に全長約120m 幅は約15mの長いアーチ橋が掛けられていて橋の下は、かなり深い谷となっている為橋以外からの侵入は困難のようだ。


街の防衛に利用できそうな地点をPDAに記録して宿へと戻った。



― 食堂 ― 

12:14


「お、戻って来たな。 何を買ってきたんだ?」 食堂の店長が言った。


「いやぁ、探していた調味料が見つからないんで鴨肉を買ってきたんですよ」

「厨房は、ちゃんと掃除をしてくれるなら使ってもいいぞ」

「分かりました。 薪を使ってもいいですか?」

「まあ少しなら使ってもいいぞ」

「了解」


上の自分の部屋から乾燥した熊の肉を取ってきてから厨房に入った。


厨房に入ると、綺麗に磨き上げられた銅でできているフライパンや鍋が整然と並べられ、まだ火がついている調理用のストーブが据え付けされていた。


先程市場で買った薄い金属板をsmith&wesons製のナイフで正方形に切り取り、四隅に針金を通す為の穴を開けて、針金を通して箱を組み立てた。


鴨肉と熊肉を井戸から汲み上げた水に浸しながらナイフを使って余分な脂身を削ぎ落とし、先端を鋭くしたフックに刺して吊るし乾かすとともに、外で薪を1本選んでからナイフで削り取る作業を1時間以上続けて大体、量にして拳2つ分の細い削りかすを作り、先程の箱の底となる部分に敷き詰めた。


吊るしていた肉は、丁度いい具合に乾燥したので、箱の中の針金に掛け替えた。


厨房のストーブの種火に先程の薪の樹皮と薪をくべて火を起こし、ストーブの上に箱を載せた。


「で、いつまで見ているんだい?」

箱を作り始めたときから厨房の入口でこちらを覗き込んでいたウェイターの少女に聞いた。

「え、いやその……気になったから見ていたというかその……」

「こっちで見てればいいのに。……暇だけど」


その後、しばらくのあいだ2人で世間話をして時間を潰した。



「そろそろ、丁度いい頃合いか」

「出来たんですか?」

「開けてみないとなんとも言えない」


蓋を外して中に吊るしていた肉を取り出すと、燻製独特の香りが厨房に広がった。


「美味しそうですね」

皿の上に置いてナイフで薄くスライスして少女に渡した。

少女は、香りを確認してからそれを食べた。

「美味しいです! 初めて食べました!!」

「お、うまそうじゃないか。 俺にも食べさせろ」

そう言って店長が燻製肉を一枚食べた。

「これならメニューとしても出せるな。 作り方を教えてくれ」


ある程度の説明をして、ふと腕時計を見ると作戦開始時刻まで、あと30分程になっていた。

「ギルドからの依頼があるのでちょっと出かけてきます」

「ナイフ1個だけだと? 武器は持って行かなくていいのか?」

やはり銃器を見たことが無いらしい。

「大丈夫ですよ。 これを持って行きますから」拳銃をホルスター越しに叩いて武器を持っていりことを伝え、

食堂のドアを開けようとしたら、ウェイターの少女が駆け寄ってきた。

「ん? どうした?」

「気をつけて。 無事に戻ってきて下さい」

「ああ、死なない程度に頑張るよ」



食堂のドアを開けて、上の部屋に向かった。


- サウスホルン市街地 -

20:25


部屋に戻りSIG716とMP7A1を持って南側の山岳地帯とアーチ橋を監視することが出来る時計塔の中に入った。


時計塔の梯子を登り、監視地点についた。



気温が低いので息を吐く度に白い靄が狭い視界を覆い、辺り一面に広がる暗闇の中、暗視装置を三脚の上に取り付け、視界を確保した。



流石に襲撃の予告の予定日の夜には、殆どの住民が家の中に立て籠もっていて、義勇兵と門番達の会話の微かな音しか聞こえてこない。


そして、何も起こらないまま3時間と15分が過ぎた頃にようやく動きがあった。


街の街灯と今回の依頼に参加しているものが手にしているオイルランプ以外の明かりは殆どきえていたのに、ほぼ同時に数軒の家屋に明かりが灯った。


それに応えるように、山岳地帯の小屋にも灯りが灯りその小屋から20~30人の薄汚れた男達が出てきて、小屋の後ろに行き、弓やサーベル等の武器を手にしている状態で騎乗して坂を駆け下りてきた。


街の中にいる盗賊は、他の義勇兵達に任せて街の外の連中に集中することにしてSIG716のセーフティーを動かして暗視装置を取り付けたスコープを覗き込み、トリガーに指を掛けていつでも発砲出来る状態にした。


坂を駆け下りてきている盗賊の先頭の男にミルドットレティクルの中央から少し下の点合わせて引き金を引いた。

(……まず1人)


引き金を引いたのとほぼ同時に男の頭部が弾け飛び、それがかかった馬が驚いて他の馬を巻き込みながら転倒した。


盗賊達が混乱している内に次の男に狙いをつけて発砲した。


(……そして2人目)


街の中での戦闘は、過激になってきて、先程から魔法によって引き起こされたと見られる爆発が起きている。


まぁ、亜音速弾とサプレッサーを使用している為に発砲炎と銃声は殆ど消えているのでこちらに攻撃してくることは恐らくないだろう。


目標を見ると、騎乗していた男達が倒れたことにより盗賊達が混乱しているのが見えた。


引き金を引いた。


射出された弾丸が、馬を起こそうとしていた男の肩を粉砕した。


(……そして3人)


左腕を失った男は、右手で左腕のあったであろう場所を抑えているものの、その指先からは、血は留まること無く溢れ出している。


助けようとして周りを見ながら駆け寄って来た男の側頭部を正確に撃ち抜き無力化した。


(これで4人か……)

と思っていた時に、盗賊達の集団がよりによって今いる建物に駆け込んで来るのが見えた。


(ドアは全部ロックしておいた筈だ)

その直後に木製の大きな扉が文字通り吹き飛ばされ、爆風が俺がいる場所にまで吹き上げてきて視界が一気に悪くなった。


「なっ!?」

(何だ!? 今の爆発は!? ……あれも魔法か!?)

煙が風に運ばれてだんだん視界が良くなっていくにつれて朦朧としていた思考も冴え渡っていった。


(爆発させる術式なのか? だとしたら目の前に出たら一瞬で粉砕されてしまう。)


MP7A1のストックを伸ばし、指先の感覚で弾薬が装填されているかを確認し、安全装置を解除してからそっと梯子を降りてシグナルミラーで下の倉庫にいる盗賊を確認した。


暗闇の中、オイルランプの中で燃えている炎と、先端が発光している杖が見えた。


MP7A1に取り付けたサプレッサーが見えないように注意しながら、暗闇で赤く発光している照準を移動させてオイルランプを狙って引き金を引いた。


オイルランプのガラスに弾丸が衝突して木の枝を折ったような音が鳴り、中に入っていた油が持っていた男の脚に掛かり炎が脚に燃え移った。


オイルランプを撃ち抜かれた男は、持っていた筈のオイルランプが急に軽くなったことに違和感を感じて下を見て、燃え上がる自分の脚が見えて悲鳴を上げた。


「誰か火を消してくれ!! 早く!」


パニックに陥り、必死に炎を手で払おうとしているが、油に引火したものなので消えること無く燃え続けている。


「床に転がれ!」

誰かが大声で言って駆け寄ったものの、すでに男の脚は殆どの部分が重度の火傷を負って立つこともできそうに無い状態になっていた。


突然オイルランプが割れたことによる混乱が生じている内に一番遠くにいた男の側の物陰へと移動して、ロープをカラビナから外し、両手に2周ずつ巻き付けて他の盗賊が見ていないタイミングで、男の首に掛けて物陰へと勢い良く引き摺りこんだ。


その瞬間に男の頸椎が折れて二度と動くことは無くなった。


男が死んだのを確認した後に足音が近付いて来たので、木箱の後ろに身を潜めながら拳銃をホルスターから取り出していつでも発砲出来る状態にした。


「おい、どこに行ったんだ? まさか! あいつ、逃げたのか!?」


木箱の枠組みを弾倉底部で叩き、物音に気付いた男が隠れている場所に近寄ってきた。

「おい、そこに誰かいるのか?」

そこで男は、完全に息の絶えた仲間の死体を見つけた。

「……どうした!? しっかりしろ!!」


「っ、誰だ!」 どうやらミラーが反射してしまったらしい。

「俺だ」

それだけを言って、拳銃の引き金を引いた。


チャンバー内に装填されていた先端が特殊な形状をしていて防弾チョッキを620m/sで貫徹するTHV弾(Tres Haute Vitesse)が射出され、チェーンメイルを着用していた男の肺を簡単に貫き、血が口から逆流してその男は倒れた。


(あとは、脚に火傷を負ったと見られる男だけか……)


AN/PVS-21の電源を入れて周囲を見渡したが、見当たらない。

(あの足で、いったいどこに隠れたんだ?)


一歩ずつ慎重に足を進めていくと突然、横のドアが開き思いっきり押し倒された。

「クソッ」

思わず悪態をつきながら、すぐそばの遮蔽物へと身を潜めた。


「ハッ、そんなもんか? 俺の仲間を殺した奴は、その程度だったのかぁ?」

「……」

「どうした? 怖いのか!?」


「フン、まぁいい俺様の、回復魔法で脚も治ったことだしこれでお前をぶっ殺せる!!」

そう言いながら、男は近くに向かってドアに使ったとみられる爆発系の術式を乱射し始めた。


(一旦、後退するべきか)

乱射していることを見ると、あいつもこの暗さでは何も見えないようだ。

(近づくことは出来ないからほぼ互角か。 いや、こちらの有利な点は、暗視装置がある事だ)

音を立てないように慎重に男から離れ、スタングレネードのセーフティーピンを抜いて投げ込んだ。



一瞬、暗視装置の安全装置が働き、三半規管に直接響く高音が響き渡った。


「クソッ、お前何をした!!」


無視して拳銃を構えながら男の側へ近づき、弾丸を撃ち込もうとしたときに、男は短剣を取出し切り掛かってきた。


「死ねぇ!」

男が短剣を片手で腕を伸ばした状態で駆け寄ってきたので、男の手首を払い、刃先が自分に向かわないように手首を掴み、背中側に伸ばしている状態で肘に膝を叩きこんだ。


短刀を落下させたところで、P226のサプレッサーを押し付けて引き金を引いた。


倉庫内に、鈍い発砲音が3度倉庫に響き薬莢が落下した音が響き渡った。


登場人物名・地名が浮かばないorz

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