佐藤の黄昏時
「先生持ってきました!見て下さい!」
「えぇ~?早いね~」
私は集めた謎植物を先生に披露する。
「おぉ~?これらは毒草だね!素手で触っちゃダメだよ~結構毒が強め~」
「え?」
「茎と葉をみてごらん~?小さな毛みたいな針が沢山生えてるでしょ~?ここから毒が出るんだよ~」
「な、なんと⋯⋯」
素手で掴んでしまった。恐る恐る手を確認すると痛みは感じないが小さな産毛の様な針が沢山刺さっている。
「先生!すっごい刺さってます!怖い!」
「軽く火に手をかざしてごらん?簡単に燃え落ちるよ~」
急いでキッチンへ向かうと、ちょうど先生がお湯を沸かしていたのか火がついていたので急いで手をかざす。
「うへぇ~すごい。棘がフニャフニャになって落ちてしまった⋯⋯」
植物の神秘。意外と植物とは奥深い物なのかもしれない。
「先生ご緒所望の歩くきのこは見つからなくて、歩く植物を見つけました。どうぞ」
「へ~?ソクラテアかなぁ?見たい~」
硬く結んでいた白布を解き、先生にそれをお披露目するが――
「キーキーキー」
「あ、逃げた!」
なんて生きがいい植物なんだ!とれたて産地直送だしな。
二股に分かれた根の様な部分を交互に動かして逃げる回る。どこから声が出ているのだろうか。
「うわ~珍しいね!魔木だぁ~まだ幼木だから動けるんだよ~もう少し大きくなると地に根を張ってしまうから動けなくなるんだよ~」
この変な木は魔木らしい。木の種が地面に落ち、何らかの魔力を吸い成長して動き回るらしいが、気に入った場所を見つけるとその地に根を張って木の様に成長するらしい。その幼木をたまたま私が見つけた訳だ。
「家の庭に根を張ってもらおう!楽しみだな~」
チィ失敗したな。先生の家の隣は学校じゃないか。こんな変な木が生えていて大丈夫なのか?
「それでですね、先生ご所望の肉食魔植物が見当たらなくてですね、マンドレイクもこれでいいのか不明でして」
「ん?マンドレイクはこれだよ~」
合っていたらしい。よかったが⋯⋯
「このマンドレイク叫びませんでしたよ?」
「マンドレイクがどうして叫ぶの?普通の植物だよ?根に毒はあるけど」
「えぇぇ?」
なんとマンドレイクは叫ばなかった。あんなに蔓の準備が面倒だったのに!
「あとシュクル、マッシュルームは三つもあるよ?」
「はい?どこにですか?」
「シュクルの背中に三つ付いてる」
「?!」
急いで背中を見るが見えない!一体何故私の背中にきのこがあるんだよ?!まさか生えたのか?!
「取るね~動かないでね~ほうら見て見て!」
「ウッソ?!本当に?」
立派な赤いかさのある大きなきのこが先生の手に⋯⋯どうして?恐ろしい⋯⋯
「すごい~成功だよ~」
「⋯⋯何がですか?」
何が成功なんだろう。実に嫌な予感がする。
「あのね~昨日シュクルが魔瓜植物食べたの覚えてる~?家の庭で採れた瓜!」
「⋯⋯はい」
「あの瓜にこのマッシュルームは寄生するんだよ~だから瓜を食べたシュクルが森に行けばマッシュルームがシュクルに寄生するかな~って!」
「⋯⋯」
窓からふと空を見上げる。すでに日は傾きかけていた⋯⋯




