佐藤は黄色い雷系げっ歯類は好きだ。
子供は時として動物を飼いたがるものだ。やれお父さんぽい犬が飼いたいだの、トットコ的なハム公が欲しいだの、液体な猫が欲しいだの言って親を困らすものだ。
ちなみに佐藤的には黄色いピカピカなげっ歯類が可愛いと思っていた。
ここにペットの飼育初心者が一人いる。それはもちろん私だ。
「シュクルしっかり面倒みるのよ?もし問題行動を起こしたら討伐しますからね?」
「は、はい!」
よい子の返事をしたものの竜の飼育方法がわからない。図書館に行って調べるか?いやいや、どこに竜をペットにする変人がいるんだよ。絶対竜の飼育方法の本なんて無い。竜の記載があるのは魔獣図鑑か討伐方法の本だろう。
「まずはギルドでこの子竜の登録ね。名前は決めたの?」
「名前はニーチェです。ギルドに登録するとどうなりますか?」
「あなたの使役魔獣になるわね。どこにでも一緒に行けるし、街中を歩こうと討伐はされないわ。だけど問題行動を起こした場合シュクルの責任になるわよ。しっかり躾をしなさいね」
「⋯⋯わかりました」
どうやって竜の躾をするんだ?!トイレとか覚えられるのか?!わからない事だらけだ。
ギルド長と私は近くの町、エブラードのギルドへ向かった。
「こんにちは。使役魔獣の登録をしたいのですが⋯⋯」
「はい、こんにちは!使役魔獣ですね。どんな魔獣でしょう?お見せ下さいね」
「あ、あの、この子です」
どんな反応されるのか怖くて少し声が震えてしまった。
「ん?んん?⋯⋯少々お待ちくださいね」
受付のお姉さんはニーチェを二度見して首を不思議そうに傾けつつ奥へ行ってしまった。何だかドキドキしてきた。
しばらくすると奥から初老の男性が出て来た。
「使役魔獣ですか?確認しますね」
おじいさんはニーチェをじっと見つめた。何を確認しているのだろう?
「グリーンドラゴンですかね?でも違う魔力も感じますし、わかりませんね」
「え?」
グリーンドラゴン?でも確か親竜は茶色っぽかった。ニーチェの鱗を見て見るが緑と言われれば緑だろうか?そもそも竜の色とか種類とか違いがよくわからない。
「あの、登録できますか?」
「ん~ドラゴンですし、上の許可が必要かもしれません」
「許可ならあるわよ」
ギルド長が一枚の上質そうな紙を手渡す。ギルド長が使い魔ポムに数回手紙を運ばせて手に入れた許可書だ。
「ではこちらお預かりしますね⋯⋯え?⋯⋯ええ?すぐに使役魔獣の登録を行います。少々お待ちください!」
手紙を読んだおじいさんは何だか慌てていた。本当にギルド長は何者なのだろうか。あの手紙には何が書かれているのか。知りたい様な知りたくない様な。絶対に藪蛇だろうから知らない方がいいな。
「こちらがタグになります。登録が終わりましたらこのタグを使役魔獣のどこかに身に着けてさせて下さい。皆に見える様にね。ではお嬢ちゃんのギルドタグをここにかざして、使役魔獣の登録を行いましょう」
登録は簡単だった。使役魔獣の名前と一応種類はグリーンドラゴンで登録し、使役主である私の名前と私のギルド番号と使役魔獣番号がタグに刻まれた。そして最後にニーチェの魔力も登録した。
あれ?私は魔力登録していないな。人間は必要ないのかな?
「よかったわねシュクル。そういえば私の弟もシュクル位の頃動物を飼いたいなんて言い出したのよ。美しい馬が欲しかったのだけれどいい仔馬が見つからなくて、結局大きな黒いスレイプニルになったの。でもその後、弟は信じられないくらい大きくなっちゃったから逆によかったわ」
「スレイプニルですか⋯⋯」
多分足が六本くらいある馬風魔獣だったか?足が多いしきっと俊足だろうな。それよりギルド長って弟いるんだ。しかも信じられないくらい大きい虎獣人なのか?
私はギルド長を眺める。黒髪に金色の目をした美女だが背が高いし、ものすごく強い。その弟?想像するだけで恐ろしいぞ。その人こそ獣王だろう。
「では登録料で銀貨一枚いただきます」
「うぐっ、ギルドに預けてあるお金で払えますか?」
そうだよな~かかるよな登録料。お金足りるよな?
「はい大丈夫ですよ。預金しているなんて小さいのに優秀だね」
「シュクルは私の仕事の補助をしているからお給金が支払われているわよ。タグを確認してみなさいな」
「本当ですか?!」
なんとお金が支払われていた!よかった~学院のお金の件もあるし、できれば家族に少しでもお金を送りたいので安心した。
「はいどうぞ。残高をご確認くださいね」
「おおおお~」
なんと金貨一枚(十万円)あった。多分一日銀貨一枚(一万円)くらいもらえていると思う。一気に仕事の対する意欲が沸いて来た。




