佐藤は女子の変わり身の早さに驚愕する
世の中の女性は現金だ。 だがそれは女性として当たり前の性。人の妊娠期間は約九か月間+産後の産褥期+乳児のお世話期間などで女性は動けず働けず人に頼らなければならない時間が長い。その間安心して命を任せられる男がいいのだ(佐藤の姉参照)
「クラリスほらジュール先生だよ?」
「そう。ねぇシュクル宿題してきた?」
即行でジュール先生から興味を失ったみたいだ。女性的にアウトなのだろう。
「ノエル様素敵ね」「かっこいいわ~」「将来の男爵よね~いいわ~」
代わりにノエルが狙われている。ちょっと男爵家は貧乏だけれど。
ノエルは三年の間に大きく成長した。昔よりも寝込む事が少なくなり、可愛いかったお顔が少し凛々しくなってきた。これはイケメンになるよな。貴族学院でどうすんだ? 私が守るべきか。
「今日は生活魔法の練習だ!魔法は根性だぞ!ササっとググぐ!っとすればできるからな!」
「「「「⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯はい」」」」
お~いジュール先生よ、性格まで変わってないか?マジ擬音語ばっかで何言ってんだ?何でこんなになっちゃったんだよ。⋯⋯私が原因か?
「まずはこのコップに水をジャっとだ!見てろよ?ジャっ!」
「「「「お――!!」」」」
先生はコップの八割を水で満たした。凄い。うちの父は風魔法と土魔法しか使えないので水が突然現れた事に驚いた。昔血みどろにした服を父に秘密裏に洗ってと頼んだら水魔法は出来ないと言われた。そして汚した服について母にメッチャ怒られた。
「ではみんなもジャっとな!」
おいおいどうやってだよ。ジャって何だよ?私は目の前のコップを睨む。
そもそも魔法ってここにいる皆は使えるのか?そういえば私の属性とかどうなってるんだ?多分私がいなかった三年の間に魔法属性についての授業があったんだろうな。後で図書館で確認しなくてはマジでわからん。貴族学院へ行くなら絶対覚えないとダメだろう。
私はコップを睨んで少しジャっと魔力を送る。その瞬間
――パン――
ガラスのコップは粉々になった。
「こらぁシュクル!ガラスのコップは高価なんだぞ!筋組織と違って修復できないんだから壊しちゃダメだ!腕立て伏せ五十回!」
「す、すみません」
えぇぇ?私にどうしろと?きちんとジャっとしたのに。これは困った。
「ねぇシュクル、シュクルも水魔法の適正ないと思うよ」
斜め前にいたノエルに小声で言われた。
「だってお父さんは風魔法と土魔法しか使えないし」
「魔法の適正って遺伝なの?」
「大体そうみたいだよ」
えぇぇ?だったら何でこの授業をみんなで受ける必要があるんだ?
「でも絶対じゃないからね。試してみないと」
それもそうか。 隔世遺伝とかもあるかもしれないし。
「出来ました!」
おや?クラスで何人かできる子がいるようだ。いいな~魔力さえあれば水に困らない人生なんてラクダ人間かよ。 それに水魔法の主人公とか人気だもんな~洗濯も食器洗いも楽だし、どこでもシャワーとかできるのかな?
だが魔力で出た水って純水だろうか?アルコール飲みまくりで生成した水にアルコールは含まれないよな?是非実験に使う精製水並みなのかを分析したい。
結局クラスの三人だけ成功した。
「よお!シュクル今日も筋肉いじめにギルドへ行くぞ!!」
「はぁ。ジュール先生、私は今日は図書館へ行って魔術の勉強をしたいのですが」
「本読むより俺と筋トレすればいいだろ?俺は教授の補助兼魔術講師だったんだぞ」
「え~?!」
ジュール先生は貴族学院で教授の補助をする魔術講師だった! 教授は高学年の授業を中心に、講師は低学年の授業を受け持っていたらしい。
「ジュール先生魔術についてのご教授お願い致します」
「おお!じゃあまずは三角筋からな!シュクルは足はいいが腕が弱そうだ」
「⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯」
本当に信用できるのだろうか。




