ぶっこみ2人の温泉宿夢一夜
なろラジ参加作品です。
今年もぶっこんでみた。
あれから5年も経つのか、コスモスが咲く秋の文化祭、俺はあいつに告白をした。
あいつは瞳を潤ませ頷いた。
そして俺たちはクリスマス前に付き合いはじめたのだった。
冬のある日、俺達は鄙びた温泉宿に泊まった。
チェックインの後、和室でウエルカム和菓子をほおばり、少しまったりして辺りを散策する。
少し小腹を減らし、それから宿自慢の夕食に舌鼓を打つ。
満腹で部屋に戻ると2人でごろごろと過ごす。
寝る前、三日月の輝く夜の露天風呂ふたりでしっぽりと。
そしい夜はムフフ。
翌朝、眠い目をこすりながら朝食のゆでたまごをほおばる。
ふと、カウンターに置かれた金魚鉢をみて俺は、窮屈そうに泳ぐ大きな金魚を見て、ぼんやりと憐れに思った。
俺は、我に返ると、やりかけのモンハンアプリをはじめ雪山の討伐クエストにいそしむ。
外にはしんしんと降り続ける雪がキラキラと陽に照らされている。
暖炉の暖かい炎がゆらめく。
しんしん喧騒を忘れた静かな空間。
ふあさっ。
没頭し続ける俺に彼女が帽子をかぶせた。
「ちょっと、せっかく旅行に来たのにゲームばっかして、外にでよ」
「やだよ。寒いよ」
そんな俺の素っ気ない態度に、彼女は口を尖らせて言った。
「ちょっと、あなたパスワード覚えている?」
「パスワード?」
彼女から発せられた聞きなれない言葉に俺は首を傾げた。
「うん、あなたとわたしのパスワード、当ててみて?」
しかし、身に覚えがないパスワード、私は両手をあげ降参した。
「ヒントちょうだい」
「ん~今日」
ふむ、そうか、俺は合点し頷いた。
「2018.12.7日は、俺達が・・・」
「せいかいっ!」
ぎゅっと有無を言わさず彼女が抱きついてきた。
いかがでしょう。