ひまわり畑の中であなたは笑顔だった
この作品を…
私の大切な“なろうのお友達”に捧げます。
えっ?!
カレって!
こんなにロマンチストだっけ??
なんだか魔法の様に連れて来られたのは一面のひまわり畑
かわいい観覧車がオレンジの屋根の向こうに見えて…ぐるっと見渡してゆくと遠くに富士山が望め、青空にはスッと刷毛を滑らせたような白い雲。
そしてどこまでも続くように見える緑色の絨毯の上には無数に散りばめられた小さなお日様たち…
私は胸がいっぱいになってカレの腕をぎゅーっと抱き込む。
なのにカレは私の腕をスルリと抜けてひまわり畑をサクン!サクン!と飛び跳ねて行く。
「待って!!」
私は夢中で後を追い、カレに飛び縋る。
絡み落ちた先の緑の絨毯は思いのほかふんわりで…頬にくっつく“お日様”の花びらは赤ちゃんのくちびるのように柔らかくしっとりとしている。
「もう離さない!」
こう囁いたのに…
カレの目は少し悲しみを帯びている。
「オレが居なくなるのと…オレの事を…お互いがお互いの事を忘れてしまうのと…どっちがいい?」
「えっ?!」
「選ぶならどっち?」
「決まってるでしょ! どっちもイヤ!!」
「どうしても選ばなきゃいけないなら?」
「イヤったらイヤ!!」
「だったら…」何か言い掛けるカレの口をキスで塞ぐ。
こんなにも明るい空の下、こんなのも幸せなのに!!
どうしてキスは涙の味なの??
「ハッ!!」
我に返るように目が覚めた。
私の目には光を失った天井が見えるだけ
どうして!
どうして!!
あの事故の前の情景を
夢に見てしまったのだろう
もし、事故の前に
神様から…
「どっちがいい?」
って尋ねられたら…
今でも私は
『お互いがお互いを忘れて
別々の伴侶とベッドを共にするくらいなら
こうして一人、このベッドに取り残される方がいい!!』
って思ってしまう。
だけどそれは…大切なカレの…この世でたったひとりきりのお母様を悲しませてしまうから、やっぱりできない。
カレが亡くなって三度目の冬はもうすぐ。
今年は…しまい込んでいた私お手製のカレのマフラーをして、お母様にも年賀状を書こう。
イヤだなあ
こんな別れ方はイヤだ
嫌われて愛想つかされて捨てられる方がよっぽどマシ!!(/_;)
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