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「やぁ、おはよう。いい夢見れたか?あ?」
「あっれぇ〜、翠ちゃんじゃ〜ん」
「今すぐその猫撫で声を辞めるか舌を切るか選択しろ」
「はい、すいません。たずなも居るぅ〜!!」
「ステイッ!」
「犬だな」
「どうして寝てたんですか!」
「ちがっ、待って、私がここに来た時に疲れて机に突っ伏したのね。そしたら女の人が」
焦って早口になりながら説明される。翠さんと顔を見合せて疑問点を聞き返す。
「女の人?」
「そうだよ、女の人!」
「最上階ってこの階段しか道ないですよね」
「それ以外は無いな。しかも結構な音が鳴るこの階段だから音がすると毎回気になってその方を見ちまうけど」
「翠さんって耳いいんでしたね」
「他の人よりちょっとだけな。だから音がしたら気付くんだよ」
「私嘘言ってないよ!?」
「だとするとだ、その女何処にいるんだ?」