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この高校の図書室は県内随一の広さを誇る。
土日には一般の人の為にも開けられており、市民図書館の役割も果たす。
その為司書の数もまた多い。
「いつ来ても不思議なんだよね」
「何がです?」
「こんなにも人がいるのにさ、こう、静かなのが」
「騒がしいお前にはキツイだろうなぁ」
「なっ!」
「こら、静かしなさい」
「あ、魔女ちゃん先生」
「魔女?」
「司書です」
「この人持ち物が魔女っぽいから」
「え、そうかな?」
焦った様にから笑いをして、奥の部屋に引っ込んでいってしまった。
「なんか可愛い人でしたね」
「私は感情についての本を探すよ」
「なら私は怪談とか、オカルト方面を」
「え、私?雑誌とか」
「魔法とか、魔術とかそういうので探せ」
「はい」