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「誰だ?知り合いか?」
「この人!この人だよ〜!」
センパイが部屋の中の人を指をさして私たちの方を見る。
翠さんはその伸びきった腕をパシンッと叩いて「人に指さすな」と窘めた。
背の高い青みがかった短髪。キャリアウーマンみたいな出で立ちで、柔和な笑みを浮かべてはいるが、底の見えない不気味さがある。そもそも多分この学校の関係者じゃなし、その時点で不気味だが。
「こんにちは、不運な人達」
「ああん?いきなりな挨拶だなぁ」
「翠さん押さえて押さえて!どういう意味ですか?アナタは誰なんですか?」
「強いて言うなら魔術師かな」
「はい、解散」