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少々気味の悪い思いをした。
誰一人として一言も喋らず部室に戻ってきた。
おかしな事に道中誰にも合わなかった。それどころか図書室の最上階から降りた時にはもう誰も居なかった。
変だ変だとは思っていた。図書委員なり、支所の先生なり、職員は常駐しているはず。それなのに……。
「あっ」
センパイが1番初めに部室に入るなり足を止めた。急に止まるからすぐ後ろにいた私は背中にぶつかって転んだ。
「いたた」
「大丈夫か?」
翠さんがしゃがんで怪我していないか心配してくれる。大丈夫と答え立ち上がると部室に先客が居た。