異世界から召喚された聖女様が王太子とできちゃったせいで、聖女様をいじめた無実の罪で婚約破棄された悪役令嬢の主を持つ侍女の愚痴日記。
本日から日記をつけはじめることにしました。
アルア年アクア月イーデルの日
公爵令嬢であるお嬢様にお仕えして辛いこと、朝早起きして縦ロールを炭コテとやらで作ることから私の仕事は始まる。
太陽が昇るとともに私は起きないと駄目だ、地獄だ。
お嬢様に縦ロールのロール具合が甘いと怒られた。
お嬢様が王宮に行くとき、お供として王宮についていく。
出入口で会った、最近異世界から召喚されたという聖女とやらが睨んできた。
お嬢様がため息をついていた。
私がちらっと見ると「モブのくせに!」とかなんとか聖女やらに言われた。モブってなんですかね。
お嬢様が殿下と会えなかったと落ち込んでいる。
慰める。しかしあの聖女とやらが召喚されてからずっとだ。どうなっているのだろう。
縦ロールが甘いからこうなるのだとか頓珍漢なことを言うお嬢様、縦ロールの具合は大事らしい。
明日頑張って作ろうと思う。
アルア年アクア月アゼルの日
今日は炭コテ係じゃなかった。なので少し遅く起きる。
同僚が縦ロールがうまくいかないとお嬢様に怒られたと困っていた。
今日はお嬢様のお妃教育の日だ。聖女とやらのマナー教育に先生がとられているらしく、今日はダメと断られる。
聖女のマナーがまるでなってないかららしい。
私はお嬢様に今日は家でお勉強しましょうと提案する。
ここで無言でいたら、お嬢様がイライラしてますます怒られるからだ。
王宮から帰るとき、聖女とやらと会う。どうしていつも会うのだろう? 黒髪黒目、年齢はお嬢様位だがいつも嫌そうな顔でお嬢様を睨むのだ。
周りには男性が沢山いる。異世界の聖女とやらが珍しいのだろう。
たがあれで年齢は21歳の私と同じだと別の同僚から聞いた。幼く見えるが、若く見えるのもチートとやらか。
お嬢様が今日も落ち込んでいる。
聖女とやらと出会うといつもこうだ。
慰めるために明日、休暇を使って町でお嬢様の好物のお菓子を買うことを決意する。
アルア年アクア月アイゼルの日
今日はお休みだ。久しぶりだなんて思う。
町を歩くと、人が沢山いる。だが王宮より落ち着くななんて思う。
目の前から男の人が沢山と、聖女様とやらがやってきた。
思わず隠れてしまう。
変装した殿下と思しき人までいた。
思わずあとをつけてしまった。
聖女はやりたい放題、買い物し放題、いろいろな店でいろいろな品物を買ってもらっている。
あれが税金だと思うと少し悔しい。
夕方……他の男たちが帰って、殿下と聖女が二人きりになった。
裏路地で二人が口づけをしているのを目撃してしまう。
お嬢様になんて言おうかと迷う。
あなたの婚約者が浮気してますよなんてさすがに言えない。
お嬢様の落ち込む理由がやっとわかって自分を責める。
一晩中悩んで寝られなかった。
アルア年アクア月ミゼルの日
寝坊する。お嬢様はでも気にするなと慰めてくれた。今日は機嫌がよく優しいなぜだろう?
殿下に呼び出されたとかなんとか……。
婚約式の日取りが決まったのかしらと嬉しそうだ。縦ロールもうまくいったらしい。
お供として指名される。かなり気分が重い。
『エリス・マクニール。聖女アイリをいじめた罪でお前と婚約破棄し、断罪する!』
呼び出されたお嬢様、壇上に殿下と聖女、取り巻きの男たち。
お嬢様の後ろに控えて、私はおろおろするしかない。
婚約破棄宣言をするために呼び出したとは……。
お嬢様は毅然といじめていないと言い返す。それはそうだ睨まれたことはあれ、いじめていることなんかない。お嬢様付だからわかる。
休暇なんてほぼないからいつもべったりですし。
休暇の時は、お嬢様付じゃない侍女と引継ぎまでしてますが、いじめたなんて話は聞いていません。
しかし辺境送り! と皆が合唱する中、お嬢様は証拠がないといいます。
みなの証言が証拠だとかいいだす王太子。
衛兵に引っ立てられていくお嬢様、ついていく私。
久しぶりに書きます。かなり間が前の日記から空いていますが、牢屋に二人で入ってました。
お嬢様に聖女様と殿下の不義を見てしまったことを告げると、お嬢様が何やら手紙を書いて……。
牢屋の兵を買収して、それを届けさせて、翌日に牢屋から出されました。
婚約破棄はお嬢様から言い出したことになり、お嬢様にはおとがめなし。
聖女とやらは修道院に送られることになり、殿下は廃嫡になりました。
訳が分からなかったのですが、陛下に聖女と殿下の不義をお嬢様が手紙で認め聖女は恋愛をしたらダメというしきたりがあり、陛下はお怒りになり、処分を下されたらしいです。
恋愛がダメっていうのにあんなに取り巻きを連れていちゃこらしていたのか。世界を救うわけでもなく実験で異世界から特殊能力を持つ人を集めてみたり。
上の人が考えることはよくわからないと思いつつ、お嬢様の縦ロールを今日も作ります。
第二王子との婚約が決まったそうです。
スペアがいるから別に廃嫡でいいといった陛下のお言葉があったと聞いて、上の人ってやっぱり怖いと思いました。
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