休日の悪い子の過ごし方
六節 休日の悪い子の過ごし方
陽の部屋のドアを静かに開けると、百々は遠慮無しに静かに、だがづかづかと俺の部屋へ侵入した。この時点で俺が起きていれば良かったのだが、グッスリだった。
「これがよー君の部屋か〜」
俺の部屋を一瞥し今度は悔しそうに呟いた。
「何か私の部屋より綺麗何ですけど」
百々は俺の部屋に置いてあるものを1つ手に取りまじまじと見つめながら
「よー君変な趣味してるなー」
そんなことを言った。勝手に自分の趣味をどうこう言われるのは気分の良いものではなかった。それよりよくここまで百々は俺に暴露してくれたもんだ。百々の手には『卍天』と書かれた一冊の数ページ程しかない、雑誌についてくる付録の様なものがたくさん並べてあった。しばらくして、部屋の物色に飽きたのか
「んー詰まんないなぁ〜」
ベッドの端に腰を下ろすと何を思ったのか俺の体を足で挟むようにして両手を顔の両側に静かに置き、見下ろし、そしてまずいことになってしまったそうだ。
「あっ、よー君顔になんか付いてる」
百々は右手を俺の顔に伸ばし、右手が俺の顔に触れた。ここからは俺も記憶がはっきりとある。
「ん、何だ?」
「!!!」
俺の馬鹿はここで、この最悪なタイミングで寝返りを打ってしまったらしい。
「きゃ!」
7時57分
百々はバランスを崩し、慌てて右手をベッドに付いた。数秒、その距離10センチほどか?吐息がかかるほどに近かった、2人は見つめ合い我慢できなくなった俺が口を開き、沈黙は打ち砕かれた。
「な、何してんだよお前!、てか、なんで俺の部屋にいるんだよ!」
「あっ、んっ」
えっ!?、急に百々が変な声を出した。顔も先ほどより赤い様な気がする。
「よー君、足、どけて」
?何ですと!?、足?俺は慌てて自分の体制を確認した。すると俺の右足の膝が百々の両太ももの間に埋まっていた。
「あっ、悪いすぐどける」
慌てた俺は何を思ったのか足をばたばたと不規則に動かしてしまった。何してんだよ俺、脚伸ばせばいいだろうが!!
「あっ、よー、君だめだって」
艶の息が荒くなっていることに気づいた。何がだめなんですかーーー?何か分からんがすぐに足を伸ばすことに成功した。
「ホント、悪かった、艶」
俺はすぐに謝り、布団から出ようと試みた。
「あれ?」
何でこうなるんだよ!艶の胸の感触がたっぷりと伝わってきた。艶が俺に覆いかぶさるように倒れてきたのだ。ベタな漫画やアニメならここで親登場だが幸いそれは無く、慌てて俺は布団から出て艶の様子を見、落ち着いた艶を家まで送りその日はそれっきりだった。まぁ当然というかなんと言うかその道のりには会話は無かった。
知識として俺の中に残ったのは、艶は感度が良いという馬鹿みたいな知識だった。
9時17分。