回想の果て
十一節 回想の果て
「訂正する」
俺ははっきりと鬼頭に言った。
「言われたような気がする、つーか思い出した、というか思い出しかけたものをまた押し込みたいと言うか」
後ろの方のは、なぜか口から発せられた、俺の意思とは無関係の言葉だ。意味分からんし。
「それじゃ、俺の名前は?」
何しろ、うろ覚えだったんだから名前なんか間違えてるかもな、半信半疑で俺は答えてみた。
「え、と確か鬼頭流里、だろ?」
何か知らないけど、鬼頭は感服したような表情を浮かべクイズ番組でしか言わないような台詞を言った。
「・・・・・正〜解!」
なぜ、溜めた!
「やっぱり、先輩はすごいですね」
満面の笑みで言われた、何かスッゲーかわいい!
「いや、ただ記憶力が良いだけだ」
「それでもすごいですよ、と言うより千香が教えたのが奇跡みたいなもんですしね」
あぁ、そう言えば、昨日あんな時に言ったのって思い出して忘れないうちに言いたかったからか?意外と無責任だな千香。
初めて知った。
「えっと、先輩、それでさっきの・・・・」
鬼頭が話を戻してきた。そう言えば俺と付き合いたいとか何とか、言ってたな。
「あぁ、えっと・・・・・・・・」
なんて言えば良いんだ?恋愛経験0の俺はなんて答えれば良いのかまったく分からない、馬鹿野郎だった。
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
30秒経過
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・・・・・・・」
1分経過
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
2分経過
気まずい、気まずい、誰か救いの手を!!
俺は必死に願った。
「キーンコーンカーンコーン・・・・・・・・・・・・・・」
来たーーーーー
チャイムが俺を救ってくれた!
このチャンスを最大限に活かさねば!
「あっチャイム鳴ったから俺教室戻るわ」
「先輩!返事待ってます」
あ〜〜俺、女の子にそんなこと言わせちゃった、ホントに俺はポンコツ馬鹿野郎だった。
まぁ、そんな感じで今日勉強になったことは『現実の恋愛はラブコメほど簡単ではなかった』
返事、どうしようか?
コメントやアドバイスよろしくお願いします。