03.わたし、誕生日
1話大幅修正してます
私は異世界で3歳の誕生日を迎えた。
「「「アリア!誕生日おめでとう!」」」
「ありがとう!みんなだいすき!」
この新しい世界で3年過ごしてきてわかったことがある。
まずは私の家族。
リグリア村というダヴォン国に属する小さな村に住んでいる。
自然豊かで作物に恵まれ、水も綺麗な良い村だ。
お母さんはアライシャ、裁縫や料理が得意。
魔力は生活魔法程度だけど、魔力の扱いがとても上手で細かい作業ができる。できるお母さん!って感じ。
お父さんはアイデン、兵士として働いている。腕力は村1番で、この村の村長。魔力は普通くらい。
表情は険しいけど、真面目で優しくて……私には激甘!ファン1号ってやつかな。
お兄ちゃんはアシェル、凄まじい魔力の持ち主。勉強はできるし、家の手伝いも積極的にやるタイプ。やっぱり私に激甘。
無事、家族メロメロ作戦は成功したと言っていいだろう。
そして、この世界について。
まず、アイドルというものはいない。
まぁ当たり前だよね!これに関して驚きはない。そもそも地球でだって世界的ではなかったし。
あと、魔力がある。
属性があって、自分がどの属性でどのくらいの魔力量なのかは6歳で行う魔力測定で分かるらしい。
アシェルは、あんなに綺麗で弱そうな見た目なのに魔力値がとても高く、国が運営する魔法学校に通っている。
お母さんが言うには、
「アリアもきっとすごい魔力があるわ。アシェルと一緒の学校に通うことになるわね!」
ということだけど…流石にプレッシャーだなぁ…。
魔法があること以外は比較的、元いた世界と変わらない。
食事は王族以外は食材の種類が少ないため、シンプルなものが多い。工夫次第ではもう少し色々なメニューができそうだけど、まぁそれはもっと大きくなってから考えよう、と思っている。
娯楽についてはほとんどない。ゲームなんてのは存在しないし、子どもたちは基本的に家を手伝うからさほど遊ぶ時間などない。
私はまだお手伝いは出来ないから、いつも本を読んで過ごしている。
音楽は儀式で使われるものくらい。アイドルになりたい私としては、もっと日常に音楽を取り入れたいな……。
この3年間、この世界でどんなアイドルになるのが良いかずっと考えてきた。
けど、1人で考えるのはもう限界、誰か仲間が欲しい。
それなら………
「ねぇ、アシェル」
「アリア?どうかした?」
「アシェルに相談があるの、夜お部屋に行ってもいい?」
「もちろん!今日は誕生日だしそのまま一緒に寝よう」
「ありがとう!アシェル!」