第4話
春子視点です。
夏と秋が通り過ぎ、すっかり冬になったか、という頃。
いつものように模擬戦をしている2人を見て、ふと、疑問が湧いた。
「ねえ、2人はどうして家が嫌いなの?」
「「………」」
その後、休憩も兼ねた雑談の時間にそう聞いて見ると、2人は顔を見合わせて。
「あ、話したくないならもう聞かないよ!? けど、ちょっと気になっちゃって」
「「ううん」」
「ちょっと言葉に悩んだだけだから」
「別に、絶対話したくないって事でもないし…」
「堕落して、わたしたちに導かれると信じて疑わずに停滞している腐敗した神主どもが、嫌いで」
「だから、家に…神社に帰るのは嫌なんだ…。僕も、夜も」
「まともな人とかは…居なかったの?」
「占い師…わたしたちを「導きの星、安寧の夜空」だって予言したその人ぐらいしか…」
「他はもう腐りきってたよね。父親はむしろクズ筆頭だし」
「母親は薄々今のままじゃダメだと思ってるみたいだけど、だからといって何かする訳じゃないし」
眉を寄せてそんな事を言い合う2人に、胸がぎゅっと痛んだ。
この子たちが、家から…親族から解放される方法は、無いのだろうか。
……。…そうだ!
「…ねえ、夜ちゃん、光星くん」
「「?」」
「――死んだふり、してみない?」
「え?」「はい?」
意味が解らない、と目を瞬かせる2人に、私は悪戯っぽく笑った。
いい感じの雰囲気をぶち壊しての補足コーナー
占い師=プロローグに出てくる女性、です。自由人な所はあるけど神守の中で唯一まともな人材。
プロローグのシーンの直後にはっきりと一族に抗議、反抗し、そのまま行方不明になっています。
父親がクズ筆頭なのも母親がオドオドびくついてるだけの人なのもその通りです。
あ、神様は割と普通です。腐ってしまった一族を見捨ててしまうか迷ってる時に双子が生まれて双子が一族を矯正してくれるのをちょっと期待してる。
一族がまだ完全に潰れてないのは双子が裏で頑張ってるからなので、夜と光星が抜けたら腐ったやつしか居ない神守はどうなるやら…という感じですね!