第3話
夜視点です。
それから少し経って。
放課後、いつものグラウンドで、光星が1人訓練に励む中、わたしと春子さんは休憩も兼ねて雑談をしていた。
「そういえばさ」
「うん?」
「夜ちゃんって、光星くんに恋愛感情とか…ある?」
心なしか目を輝かせて言う春子に、わたしは突っ込んできたなあ、と溜め息を吐いた。
「あっあっ、無理はしなくていいんだよ?でもちょっと気になって…」
「あるよ。恋愛感情」
「えっ!そうなの!?」
「うん」
「さ、差し支えなければなんで好きになったとか…」
「うーん……。光星は半身だから、かなあ。強烈に惹かれて、いつの間にか引き返せないぐらい好きになってた」
「わあ…!素敵……!」
■ ■ ■
「夜、なんの話してるの?」
「っわ!?」
「わたしは光星が好きなんだ、って話してただけだよ。春子さん、意外と恋バナも好きみたい」
「そんな平然と!?」
「ああそっか。夜がちょっと恥ずかしそうだから何かと…」
「しかもスルーした!?」
「……あー、春子さん」
「わたしたちはね、お互い、自分が相手を好きだって知ってるんだよ」
「その上で、僕たちは今の姉弟という関係を変えたくないと思ってるんだ」
「えー、いや、えええ…?」
補足コーナー
夜も光星もお互いを恋愛的な意味で愛していて、相手も同じ気持ちなのも知っている。けれど、二人の関係はただの双子のきょうだい、以上のものではなく、2人はその現状に満足している。
両想いではありますが恋人ではない、という…。密かに付き合ってるとかでもないです(断言)