おまけSS②
お箸休めSSです。読み飛ばしても構いません。
リリコ:
「あら、このチョコ、ユキヤの食べかけ? 一個もらっちゃおうかしら」
タマコ:
「こらリリちゃん。ユキちゃんに見つかったらナニが飛んでくるかわからないよ」
リリコ:
「黙ってれば平気よぉ。……んふ。おいし♪ アーモンドって美容にもイイのよね♪」
タマコ:
「え? そうなのかい? じゃあたしも一個だけ……ンフ。たまに食べるとオイシイね。……しかし、今回の案件はなかなか根深かったようじゃないか。これが世に出りゃ、芸能界を揺るがす大スキャンダルだよ?」
リリコ:
「ホーント。アタシの親もロクなもんじゃないけど、ムダに有名な親を持つのも大変なのね。整形したくなる気持ちもわからないではないわ……」
タマコ:
「二世の宿命ってやつさね」
リリコ:
「 “二世” っていうから色々縛られるのよ。いっそ飛ばして、三世とか四世を名乗っちゃえばいいと思わない?」
タマコ:
「あんたね、飛ばすのはマズいよ。モノには順番ってもんがあるんだ。 “1” の次は “2” でなくっちゃ」
リリコ:
「そぉなの? あの天下の大泥棒だって勝手に “三世” を名乗ってるじゃない。名乗ったもん勝ちよぉ」
タマコ:
「いや、あれはホントに三世なんだろ? あの大泥棒のジイさまが、あの世界的有名な怪盗だって設定で……」
リリコ:
「ウソよ。だってそれ、フランス人でしょぉ? 大泥棒の方はどう見ても日本人よ? 日本語しゃべってるじゃないの」
タマコ:
「いや……ま、そりゃそうだけれどもさ……あ! 日本とフランスのハーフとか、クウォーターなんじゃないかい?」
リリコ:
「えー、あれがぁ? 目の玉黒かったわよ? 髪の毛も黒。混血って感じじゃないわ」
タマコ:
「じゃ、じゃあ……バイリンガルって可能性は?」
リリコ:
「えー、日本語とフランス語のバイリンガルぅ? あの三世がフランス語しゃべってるのなんて聞いたことないけど……あらマサキ、いたの?」
タマコ:
「どうしたんだい? フン詰まりみたいな顔してさ」
柾紀:
「……お前ら、もっと実のある話をしろよ……しかもそのチョコ、幸夜んだろ? ぜーんぶ食っちまいやがって」
リリコ:
「あらやだ♪」
タマコ:
「いつの間に♪」
お粗末さまでした。次話から第3章です!