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第十話

それから8年の歳月が流れ、祖父が死に、宝珠がいなくなったことでフォン家は火が消えたようになり、レイレイは寝込むことが多く、ジョンウォンはだんだんと増えてきたふもとの町の争いごとの仲裁に引き出されることが多くなり、留守をすることが多くなっていた。


小さかった春欄は元気でレイレイによく似た綺麗でかわいい少女に育っていた。


ある日、塞ぎがちなレイレイを元気づけようと市場に誘った春欄だったが、ひょんなことから人相の悪い輩に囲まれてしまった。

市場の人たちは、とばっちりを恐れて遠巻きに見ているだけだ。


「だから悪いって謝ったじゃないの!!」


「春欄!!」


春欄が男たちに向かって大声を出すと横からレイレイがたしなめる。


「なんだと!」


一食触発な雰囲気だ。

そこへ白い服の剣士が割ってはいる。炎珠だ。

ふらっと力の抜けた姿。そこには暗い表情と共に憤りの感情が渦巻いている。


「謝る以上に何が必要だ?…さっきから見ていたが同じようなことを他の者にもしていたな…そうやって金を巻き上げるのが手口か?」


そういいつつにらみを利かせる。殺気を感じさせるものだ。


「さっさと去れ…去らぬなら…覚悟はできているのだろうな?」


持っている剣を力を入れて握る。瞬殺するつもりだ。男たちはただならぬものを感じ取り、早々に退散する。

市場はもとのにぎやかな空間へと戻ってゆく。


「あ…ありがとうございますお兄さん!」


春欄がそう声をかけると、炎珠は春欄を一瞥してそのまま去ろうとする。


「あの…本当にありがとうございます…本当にご迷惑をおかけしてしまって…」


レイレイが申し訳なさそうに礼を言う。

その声に炎珠は立ち止まり降り返る。

レイレイを見て一瞬驚きの表情を浮かべる。


「いえ…べつに…」


それだけ言うともとの方向を向き、足早に去ろうとした。


「お礼をさせてください。このまま帰ってしまわれては主人にしかられてしまいますわ」


レイレイが声をかける。


「そうよ!!たすけていただいたのだものお礼をさせて!!」


春欄が駆け寄り炎珠の袖を持ち引き止める。


「礼など必要ない。失礼する」


「だめよ!お兄さん!家に来てくれるまで手を離さないんだから」


断る炎珠を春欄は強引に引き連れて屋敷へと戻る。


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