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一般人がチートスキルで最強に⁉︎  作者: てるのー
第1章 始まりの慟哭
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6話 彼の力

ブクマ登録が増えてきてとても嬉しいです(゜∀゜)

 私の名はナナシア。とある町の冒険者ギルドの受付嬢を担当している。私は今、とある事が気になり1人の男をつけている。

 男の名はタカヒト。規定ギリギリで冒険者になった、言ってしまえば雑魚である。そんな男が冒険者になったその日に依頼を受けたというのだから、気になって仕方がない。


 冒険者に死は付きものだ。一歩間違えば死。そんなシビアな世界が冒険者である。

 本来受付嬢が冒険者の後をつけて監視するなんて異例な事。だが、私はできるだけ冒険者の中で死者を出したくなかった。死んだとの報告を受ける度、心が締め付けられるように苦しくなる。


 もちろん、冒険者にとっての仕事を邪魔する行為は無粋であり、モラルに反する。彼が死に瀕するほどの危機に陥った際にだけ助けるつもりだ。

 まあ、助けると言っても私がではないが。


 私はチラリと隣を見た。そこには白髪ロングの髪の少女がいる。


「いざという時は任せたからね、クーゼ」

「……了解、ナナシア」


 物静かな女の子だ。だが、人思いで優しい女の子。冒険者界隈で、ある程度知名度がある程、高い実力の持ち主でもある。年は違えどお互い小さな頃から知っている友人だ。今回、依頼をすれば無償で快く了承してくれた。本当にクーぜにはよく助けられる。


 さて、私は再びタカヒトに視線を戻した。が、彼はもうそこにはいなかった。


「げっ! ちょっとクーゼ、彼がどこに行ったか見てなかった⁉︎」

「あっち」


 クーゼが指を指した方向。そちらへ向かって私は駆けだした。後ろからクーゼも付いてくる。


 しばらく、探しているとクーゼが声をあげた。


「あれ、彼」


 クーゼの言う方向を見ると、確かに彼がいた。が、状況を見て私は息を呑んだ。


 彼の周りにはゴブリンの死体が無数の転がっている。彼も血だらけだ。が、それ以上に問題なのは、彼と対峙しているモンスター。あれはA級ハンターですら狩るのが困難な魔獣、キメラ。通常、S級ハンター1人かA級ハンター数名が必要なバケモノだ。彼が勝てるはずがない。


「クーゼ!」


 と、彼女の名前を呼ぶが、クーぜの動く気配がない。


「クーゼ、どうしたの⁉︎」

「待って。何か様子がおかしい」


 そう言うクーゼの方を私は慌てて見た。クーぜは冷や汗をかいていた。それに、心なしか目に恐怖の色が見える。

 おかしい。クーゼはどれほど強力な魔物にも臆さず戦える強靭な精神力を持っていた。そんなクーゼが怯えている。一体何が……。


 クーゼが行こうとせず、ただ私は怯えて彼が殺されんとする光景を見ることしかできない。


 嗚呼、また死ぬのか。しかも今回は、間近でその様子を見てしまう事となる。苦しい。苦しい。胸が苦しい。頭が痛い。が、私にどうする事もできない。

 私は自らを落ち着かせるために大きく息を吐き、事の成り行きを観察する。恐いというのに目を話す事を己が許さない。


「グアアアアア!」


 キメラの鳴き声が聞こえた。あの鳴き声は敵を襲う際のものだ。長年、受付嬢として冒険者をサポートしてきたからこそ分かる。

 嗚呼、彼は死んだ。



 ……と、思っていた。


 ドンッ!


 突然、今まで聞いた事もないほどの爆音が辺りを響いた。それと同時にやってくる衝撃波と爆風。耐えきれずに吹き飛ばされそうになるのを、クーゼが支えてくれた。が、クーゼも1人支えるので必死そうだ。


 一体、何が起こったのか……? しばらくして風が止んだ。急いで、タカヒトの方を見るとそこには大きなクレーターができていた。周りの木々はなぎ倒され、先ほどいたキメラは原型すら留めていないほどズタズタにやられている。そして、クレーターの中心にいる彼、タカヒト。

 状況から見て彼がやったのは間違いない。が、何をしたのか皆目見当もつかない。よほど驚いているのか、普段思っている事を顔に出さないクーゼも目を見開かせている。


「な、何をしたの……?」

「……分からない。けど、あれは相当危険」


 彼は何事もないかのように手を握ったり開いたりしている。

 得体の知れない彼の今の技。下手したらS級ハンターでも一瞬で殺されてしまいそうな威力だ。あの技が、人の役に立つような行いを彼がするのなら何の問題もない。私が現在危惧している事、それは彼が今のを悪用する事だ。


「もう少し、監視をする必要がありそうね」


 私の声にクーゼは頷いた。


……………………………………………………


 莫大な強さの技に俺はあまり驚かなかった。というのも、先のゴブリンとの戦いで大体のこの重力の強さが分かっていたからだ。


「うむ、変なキメラも意外と簡単に倒せたな。あれが100匹出てきても勝てる自信があるぞ」


 俺はキメラだった肉塊を見た。血を見ると気持ち悪くなる者も多いが、俺はそうでもなかった。元の世界にいた頃はグロいものに耐性がなかった筈なのだが。そこも女神がなんとかしてくれたのだろうか? なんだかんだ言って親切な女神だ。


 技の実験は終了。俺は最後にゴブリンが落としていったアイテムを拾い上げ、そのまま町へ向かって歩を進めた。

明日は投稿できないかもしれません


*キャラの名前が間違っていたので修正しました。キャラ名が間違えていたせいで誤認された方もいると思いますが、主人公を監視しているのは2人です。

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