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一般人がチートスキルで最強に⁉︎  作者: てるのー
第2章 痛哭の王誕祭
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5話 主人公改変

もう普通に書くの飽きた( ´_ゝ`)

 時は夕暮れ。俺は危険地帯である、バナーズ地区に来ていた。理由は単純、喧嘩を売られたからだ。それも女の子2人に。とりあえず、周りを巻き込まないようにここに来たのだ。が、俺としてはできれば戦いたくないのが本音である。だが、そうとも言ってられない雰囲気だ。


「勝負は簡単! どちらかを気絶させれば勝ちだ!」

「イエス」


 そもそも冒険者同士の争いは、冒険者の規則で禁止されていたはずだ。まあ、だからこそこんな人目もつかない危険地帯に来たのだろうが。


「タカヒト、大丈夫?」


 俺と共に来たクーゼが心配そうに言った。その心配は俺に向けられたものではなく、どちらかと言えば彼女たちに向けられたものだろう。当たり前と言えば当たり前だが。


「大丈夫だ。なんとか流して終えるよ」


 能力の使用を最大限控え、敵の攻撃を避け続け体力切れを待つ。単純明解な作業だ。だがその前に、戦うならば知っておきたい事がある。


「なんでお前ら俺と戦おうとするんだ? 俺、なんかしたか?」

「特に何もしてないけど……」


 ハンザがそう言った。2人とも、目を逸らしている。ふむ、つまりは八つ当たり的な感じか?

 だが、続けざまにルーフィが言った。


「でも! お前は怪しい!」


 ……はい? 俺が怪しい? マジですか……。そんな怪しい言動をとった覚えはないのだが……。随分と曖昧に難癖つけられてしまっているようだ。


「俺のどこが怪しいんだよ」

「お前は冒険者になり、急激に級を上げた! 怪しい!」


 ハンザが叫んだ。それで俺は合点がいった。確かに、いきなりF級からB級に上がったのなら不思議ではある。それを何か不正したのではないかと、この双子が思ったのだろう。

 悪が許せないのは良いことだ。が、何も調べる事なく悪と決めつけるのはよろしくないな。


「よし分かった。じゃあやろう」


 俺は仁王立ちし、重力を発動させる。ただ、相手の攻撃を避けるだけ。それだけでいいのだ。


「「いくぞぉ!」」


 ルーフィとハンザは叫び、ルーフィが双剣を持って飛びかかってきた。ものすごく速い。が、俺は重力で軌道を逸らした。勢い余ってつまずき、転がるルーフィ。


「なっ!」


 ルーフィは驚くが、ハンザは呆れた声を上げる。


「何をやってるの⁉︎ ルーフィ!」

「おかしいなぁ」


 ルーフィは頭をかきながら、立ち上がった。


「ルーフィ! そこどいて!」


 今度はハンザが何かを仕掛けるようだ。ハンザの声を聞き、ルーフィは一歩で大きく後ろに下がった。


「ファイアーボール!」


 ハンザがそう叫ぶと、ハンザの手の先から突如火球が出現した。火球は少しずつデカくなってきている。少し離れた位置にいる俺にもものすごい熱量を感じる。


「食らえ!」


 強力な火属性の魔法だが、いかんせん溜め時間が長すぎる。それが起因し、どのタイミングで魔法が放たれるのかがすぐに分かってしまう。

 飛んできた火球を余裕を持って俺は避けた。が、その火球は軌道を変え、再び俺に向かって飛んできた。


「ははははは! ホーミング型だ!」


 俺はとっさに重力を使い、思い切り火球を弾き飛ばした。火球は突然の衝撃に消え失せた。


「ええ! 一体何をした⁉︎」

「さあ、どうかな?」


 俺は不敵に笑って見せた。だが内心、さっさと戦いを終わらせたかった。


「よし! こうなったらアレ行くぞ、ルーフィ!」

「よし分かった、ハンザ!」


 何やら奥の手を使う様子。コミニュケーションのためとはいえ、相手にこれからする技を言ってしまうのはよろしくないな。


 ルーフィが双剣を天に掲げた。するとその双剣が紅蓮の炎を纏い、赤熟した光を放ち出した。熱波は俺の頰を撫で、その小さな双剣に込められた莫大なエネルギーを否が応でも感じさせられる。


「なんて力だ」


 と俺は呟きつつも、そこを一歩も動かない。なぜなら、俺にとっては取るに足らない魔法だからだ。


「「うおぉぉぉぉ!」」


 ルーフィは叫びながら飛びかかってきた! 俺はそれをギリギリまで引きつけ、重力で弾いた。ルーフィは飛ばされるが、地面に叩きつけられる瞬間、受け身をとって最小限のダメージに抑えた。

 だが、驚きの表情は隠せていない。


「一体何をした!」

「さあ……。そもそも「する」とは何か教えてもらおうか。「する」と言っても数々の「する」がある。例えば息を「する」。この時点でその質問に対する回答の数が多すぎる。また、何をしたという漠然な質問に対して俺はなんと答えればいい? 「何を」に含まれる主格及び目的格を貴様をちゃんと理解しているのか? 答えは否だ。言葉の概念は難しい。その単語に内在される幾多の意味を確実に理解し、また行使できる力を備えろ。それができないのであればお前は言葉を使うな!」


 俺は言葉巧みに畳み掛けた。すると、ルーフィは黙り込んでしまった。だが、俺は続ける。


「そういえば、お前達は俺が怪しいと言ったな。確かに急激に級を上げた俺の事が怪しいと思うのは致しがたない。だが、悪だと断定もできない状態で裁きを与えるお前達の感性はトチ狂っていると言えるだろう。悪だと断定し、攻撃しようとしているお前達も悪だ。誰に対しても不正を不正でもって、悪を悪でもって埋め合わせしてはいけない。よしんば、その相手にどれほど苦しめられていようと。知らないとは思うが、プラトンの言葉だ。願わくば、文化資本のないお前達の捻じ曲がった根性を矯正できるようにこの言葉を捧げてやろう」


 そう言って、俺はその場を去った。クーゼがドン引きしていたが、俺は気にしない。

批評バッチこい

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