第10話:迷子のダイキくん。
どうにか今日分の投稿間に合いました。
短いですがご了承ください。
ヤマト国。それはこのシア王国から遠く東の方にある島国だ。ヤマト国は鎖国といって、限られた特定の国としか貿易、交流をしておらず、ヤマト国の物産品を手に入れるのもかなり難しいらしい。
この店の店主は、知り合いにつてがあり、珍しい国の食材を取り寄せることができるが、珍しいあまり知名度がなく、全く売れないようだ。
「日本とはまた別物か…」
もしかしたらと期待していたが、どうやらダイキのいた日本とは関係無いようだ。とはいえ、ヤマトといい、食物といい、鎖国といい、日本とは無関係な気もしないが…
だが、米を見つけれたことは本当にラッキーだ。
「おっさん、この米売ってくれないか?」
「買ってくれるのか⁉︎……しかし、またなんで米を?」
「米を使った料理屋を考えてるんだ。そのためにできれば毎回ここで買わせて欲しいんだ。」
「なるほどな。よし、分かった。俺が知り合いから取り寄せといてやるから。で、米の量と受け取りに来る日にちを教えて欲しいんだが…」
その後、店主とダイキの間で取り引き内容を確認し、米の受け取りは週一。ダイキが大きな荷車を引いてくることにした。こうすれば、重たい俵の米も一気に運べる。
ということで、無事食材の調達先も全て決めることができ、残すところは商人ギルドだけである。
「ソフィア、商人ギルドはどこにあるんだ?」
「一度、メインストリートに戻らなきゃいけないわね。」
「また戻らないといけないのか。少し遠そうだな。」
「たしかに少し遠いし、なによりこの時間帯からは人が多くなってくるから迷子にならないように気をつけてね。」
「はいはい……って、俺はちびっこ扱いなの⁉︎」
2人はメインストリートまで戻ってきた。
頭上にある暖かな日は西に傾いていた。昼過ぎ頃なのだろう。人通りの多いメインストリートの中、太陽の眩しさに空を見上げたダイキは目を瞑った。
「でね、商人ギ……ってあれ、ダイキくんは⁉︎」
大通りの混雑の中、先ほどまで話をしていた隣の相手が消えていることにソフィアは気付いた。
一方その頃、ダイキはというと、ヤンキーにケンカを売られていた。
「おい、お前!なにボーッと突っ立てんだよ。邪魔だろーが‼︎」
「あっ、すっすいません。」
「すみませんじゃねーよ。今ぶつかったせいで腕折っちまったよ、どうしてくれんだニーチャン‼︎ ちっとこっちに来てもらおうか。」
ダイキは人気のない裏路地に無理やり連れられた。
「すみません、あいにく回復呪文は使えませんでして…」
「誰が回復呪文なんて言った?俺は金払えって言ってるんだよ!」
「金も持ってないんですよ…」
「そんなわけねーだろ!少しは持ってんだろーが!飛んでみろ‼︎」
「飛んだって金は出てきませんよ…」
「いいから飛べ‼︎」
異世界に来てまでヤンキーに絡まれてしまう自分の不幸を呪いながら、ダイキは仕方なくジャンプする。すると…
チャリーン、チャリーン
硬貨らしきものが地面に転がった。
「なんだ。金持ってんじゃねーか!」
ヤンキーが地面に落ちた硬貨ニヤニヤしながらを拾うが…
「なんだよ!この金。どこの国だ⁉︎」
見るとヤンキーが持っている硬貨はダイキがよく知る日本の5百円玉だった。
「そういえば…」
ダイキは異世界に転移してくる前に、千円札で500円の牛丼を買い、そのままお釣りの500円をポケットに突っ込んでいたのだ。それが今のジャンプでポケットから落ちてしまったようだ。
だが、このことは逆にヤンキーを刺激することにしかならない。
「お前、ふざけてんのか⁉︎ コラァ‼︎こんなおもちゃ金出しやがって。いいぜ、そんなに痛めつけられたかったら望み通りボコボコにしてやるよ!」
「エッ!ちょっ……ホゲェ‼︎」
ヤンキーの右ストレートがダイキのみぞうちにヒットする。
「くそッ、武○色、ましては腹筋さえない俺に殴ってくるとは……」
早くもダイキはノックアウト寸前だった。




