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ワンダー・クロニクル  作者: Erde
第一部【出会いと別れ、そして旅立ちと】
52/76

Episode 052【必殺技と力技と】

 石造りで出来た、イザナイの門。その門は見たところ鳥居やフランスの凱旋門の様に、門の向こう側の景色が普通に覗けたが。村人の言葉を信じ、三人はその門潜った。すると先程まで見えていた景色が消え、薄い虹色の様な所に出た。足元は雲の上を歩いている様であり、前方には白く光っている所があった。そして三人は、その白く光る場所を目指して歩き出した。彼等の鞄の中からは、微かに玉響の石が光っているのが分かった。光の中へと進んでいく三人。一瞬目の前が暗くなったと思うと、気付くと三人は〈砂漠の宮殿イシュバーン〉に戻っていた。


「戻ってこれたな」


 アカツキが辺りを見渡しながら呟いた。


「ちょっとしか、あっちに居らへんだけど。なんや色々と経験した気がするわ」


 Dが二人を見て話し掛ける。


「せやな」


 Trashが、それに応えた。

 そして、そのまま二人を見て話し出した。


「終わった感あるやろけど、ここからが本番やからな。何があるか分からんから、気ぃ付けていけよ」

「せや、まだあったんやな」

「骸骨野郎共と魔族だったな」

「村人さんの話やと。元凶は、そのネイヴェル言う魔族や。どんな理由があるんか分からんけど。このクエ、ええ加減終わらすぞ」

「おっけー。暴れ倒すかぁ!!」

「D、危なくなったら。俺の盾で守ってやるからな」

「頼りにしてるわ、アカツキ」

「あっちでレベルが1上がっといて良かったな。新しいスキル、無駄打ちすんなや」

「任せとけ、任せとけ」

「お前が一番、トラに怪しまれてるんだぞ。D」

「だいじょう、だいじょう」

「ほんまかいや」


 そして三人は、ストレッチするかの様に軽く体をほぐした。


「おっしゃっ! 行こか」

「おう!」

「骸骨さん達、出て来いやっ!!」

「全然、似てへんわ……」

「D、勢いだけでしたら良いって訳じゃないぞ……」


 Dを置いて、先を進み始める二人。


「マジで……?」


 二人の後を追って、Dも歩き出した。



 しばらく歩いていると、洞窟内に異様な雰囲気が漂っている事に気が付いた。


「前居った時より、何か雰囲気悪いな」

「そうだな」


 Dの前を歩く、Trashとアカツキが話し出した。


「おい、D。お前の霊感どないや?」


 Trashが後ろを振り向いて、Dに話し掛ける。そんなDは、何とも言えない様な顔をTrashに向けた。


「嫌な所に、どっぷり浸かっとるみたいやわ」

「なるほどな」

「って事は、相手の所に近付いて行ってるって事で良いのか?」

「分からん。けど、嫌な感じなんは増しよるわ」

「近付いとるって事やろな」

「だな」


 すると洞窟内にも関わらず、橋の様な物が掛かった所に三人は辿りついた。そして、その先にスケルトンナイトやスケルトンメイジが何体か橋の中央付近で待ち構えて居た。それを見て、武器に手をやる三人。


「ようさん、待ち構えとるがい」

「避けては通れそうにないな」

「おっしゃ!! 切り込み隊長の俺に任せいっ!!」

「いつから、そんなの決まったんだ?」

「どうせ、言いたいだけやろ」

「おう! その通りや」

「アホだな」

「ほんまに」


 そんな二人を他所に、Dがアクェンを掛けて数歩後ろに下がった。


「アカツキ、あれ頼むわ」

「あれか?」

「そうそう、あれな」

「オッケー」

「何や? あれって?」

「俺とアカツキで考えた必殺技や」


 DがTrashに答え終わると、アカツキが盾を頭の上に向け少し屈んだ状態になった。それを見てDがアカツキに向かって走り出した、そしてアカツキの盾へ目掛けて飛び乗った。Dが盾の上に乗ったのを確認したアカツキは、盾を上に向け思いっきり押し上げた。頭上高く舞い上がるD、そのまま敵の元へと飛んで行った。


「どうだ? トラ?」

「アホが考えそうな事やな。必殺技ってか、ただの力技やんけ」


 そう言って、Dの方を見る二人。

 そんなDは意気揚々とした顔で何か叫んでいた。


「フライング・ソードスラッシュ!!」


 Dが下にいるスケルトンナイト達に向け大剣を振り下ろす、Dの斬撃が勢い良く地面に落ちていく。いつもと違い、地面に落ちた事で衝撃が増したソードスラッシュにスケルトンナイト達が体勢を崩した。


「意外にええ感じやんけ」

「Dが落ちてくる前に、俺が奴らの注意引き付けてやるか」


 そう言って、アカツキが走って行った。そしてソードスラッシュが落ちて出来た空間に辿り着くと、盾を体の前に構え身を固めるアカツキ。


「ウォー・グリーフッ!!」


 アカツキの体から赤黒いオーラが放たれる。スケルトンナイト達は、上空から降りてきたDを気に留めずアカツキの元へと向かって行った。


「サンキュー、アカツキ!」

「おうよ!」


 それを見ていたTrash。


「アホの割に、それなりに考えとるやんけっ!」


 そして弓を構えるTrash。


「面倒なメイジから、やったるか。 食らえ! 紅蓮爆矢っ!!」


 矢を数本、スケルトンメイジの群れへと放つTrash。放たれた矢がスケルトンメイジに直撃する。しかし、トリプリケート程のダメージを与えた様には見えなかった。そしてTrashの矢を気にすることなく、スケルトンメイジが魔法の詠唱を始めた。


「無駄や」


 Trashが呟くのと、ほぼ同時にスケルトンメイジに突き刺さっていた矢が次々に爆発し始めた。それを受け、スケルトンメイジ達がよろめき出す。


「お前、俺らに無駄打ちすな言うといて。自分だけ新しいスキルつことるやんけっ!!」


 スケルトンナイト達と戦っているDがTrashに言い放つ。


「俺の場合は無駄打ちちゃうんじゃ」


 よろめくスケルトンメイジ達に攻撃を仕掛けながらTrashが応えた。


「D、交代だっ!!」


 今まで一人で敵の攻撃を受け止めていたアカツキがDに声を掛ける。


「オッケ−!!」


 ウォー・グリーフを解き、敵から間合いを取るアカツキ。そしてアカツキは鞄から癒しの薬を取り出し、それを飲んだ。敵からの攻撃を盾で受け止めていたとはいえ、アカツキの減っていたHPが回復していく。


「おっしゃああ!! 反撃開始だぁあ!!」


 アカツキが敵の元へと駆け出して行く。

 以前、苦戦していたスケルトンメイジ達に善戦するTrash達。しかし、そんな状況とは裏腹に辺りに漂う異様な雰囲気は更に増していた。






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