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ワンダー・クロニクル  作者: Erde
第一部【出会いと別れ、そして旅立ちと】
25/76

Episode 025【Lv5以下のモンスタースレイヤー達】

 Dとネルソンの両者の間で、ソードスラッシュとブリッツ・ロートがぶつかり合う。

その衝撃と轟音が辺りに響き、風が立ち上がる。


「ヴァンをあんな目にしたんも、アリシアさん達が苦しんでんのも。全部お前の仕業やねんな?」


ネルソンを睨みつけるD。


「それが、どうかしたか? お前には関係無い事だろう、モンスタースレイヤー。」


Dに冷たく言い放つネルソン。


「関係無い事無い!!」


二人が話しているところに、Trash達が駆けつけて来た。

三人の方を向くDとネルソン。


「お前が言ってたDってのは、どっちの奴だ?」


Trashに確認するゲッツ。

するとTrashが答えるよりも先にDがTrash達に声を掛けてきた。


「あれ? トラもフェルも何しに来たんや?」

「お前を探しとったに決まっとるやろ!! このボケが!!」

「何も言わずに何処かに行ったら、普通は探すだろ! このバカ!!」

「あ、せやった。ごめんな。」


その様子を見ていたゲッツが確信したように、Trashに再度声を掛けた。


「あっちがDだな…。」


そしてゲッツはネルソンの方を向いて身構えた。


「次から次へと。」


面倒事が増えたように吐き捨てるネルソン。

Trashとフェルがネルソンに目をやる。


「フェー。とりあえずアホを説教するんは、あそこの奴を倒してからにしよか。」

「だね。」


そしてダガーを手に取り、ネルソンに向かい走りだすTrash。

それに対しネルソンが魔法を放とうとし、杖を構えようとしたが。

フェルが矢で牽制し、それを阻止する。


「残念やったな、魔法使い野郎。」


ネルソンの懐にまで接近したTrashがネルソンに攻撃を仕掛ける。

しかしネルソンは下から襲ってくるダガーを容易く躱し。

そしてそのままTrashの手首を掴み、合気道の要領の様にTrashを投げ飛ばす。

投げ飛ばされたTrashが地面に叩きつけられる。


「何や、こいつ?」


驚きを隠せないTrash。


「たかがLv5以下のモンスタースレイヤーが、俺に敵うと思ったのか?」


ネルソンの言葉に反応するゲッツ。


「それは、そういう事だ?」

「そのままの意味だが。このまま大人しく帰るなら、見逃してやってもいいが。まだ歯向かうと言うのなら、お前達まとめて皆殺しだ。」


殺気を周囲に放つネルソン。

そこにDのソードスラッシュが襲ってくる。

斬撃を躱しきれずに攻撃を食らうネルソン。


「ほっとくわけないやろが!!」

「貴様、相当死に急ぎたいようだな。ブラウ・フローデン!」


Dに青白い稲妻が襲ってくる。

それを大剣で受け止め防ごうとしたDだが、そこにネルソンが詰め寄り思いっきり杖でDの後頭部を叩きつけた。

そしてDから距離をとるネルソン。


「何、あいつ。魔法使いじゃないの? さっきのトラといい、Dといい。動きが早いよ。」

「フェー、気を付けろ。あの魔法使い、普通につえぇ。Dの方はアクェンかけとったから、大丈夫やろ。」

「どうする、トラ?」

「Dのアホが近づいて攻撃しに行くやろから、俺らは距離とって矢で攻撃しよ。ブラックアウトかけれそうやったら、かけよか。」

「わかった。」


そこにゲッツが寄ってきて声を掛けてきた。


「それじゃあ、俺は魔法で応戦するわ。」

「頼む。」


Trashの予想した通り、Dはネルソンに近づいていき攻撃を仕掛け出した。


『トリプリケート!』


そこにTrashとフェルが矢で応戦する。

しかしDの攻撃もTrash達の攻撃も躱すネルソン。


「ブリザードアロー!」


ゲッツが魔法を唱える。

矢の形をした氷が三本、ネルソンに向かい飛んでいく。


「シルト。」


ネルソンは障壁を張り、ゲッツの魔法を防ぐ。

しかし一瞬Dから気をそらした所為で、Dの攻撃を受けてしまうネルソン。


「ちぃ。貴様等まとめて、消し炭になりやがれ!! フレアストーム!!」


Trash達の周りに幾つもの火柱が立ち昇り、渦を巻いて迫ってきた。

火柱に囲まれて、逃げ場を失うTrash達。


「これじゃあ、避けられないよ。」

「クソっ!」


「シェル・ド・ウォール!!」


突然、Trash達を青色に光る貝の形をしたシェルターの様な物が現れた。

そして、それが迫り来る火柱を防ぐ。


「ゲッツ、お前か?」


ゲッツの方を向くTrash。


「ゲッツ、やるじゃん。」

「一応、メイジだからな。でも、あっちは遠すぎて無理やったわ。」


Dの方を見るゲッツ。

Dは大剣で火柱を防ごうとしていたが、防ぎきれずにいた。


「あちぃいい!!」


火柱の渦に巻き込まれるD。


「どうして、Dはアクェンをかけないの?」

「あれ、再発動すんのに時間かかんねん。それに、かなりMP消費するしな。」


フェルの疑問にTrashが答える。


「でも、あのままじゃあ危ないな。」

「ゲッツ、あいつにもシェル・ド何とかっての掛けられへんのか?」

「無理だ。一つしか発動出来ないんだ。」

「どうしよ、トラ?」


燃え盛る炎の中で苦しむD。


「ぐあぁああ!!」


そこに黄色い粉が降りかかった。

すると先程まで燃え上がっていた炎が拡散し始め、散り散りに消えていった。


「なんや? 今の。」


その様子を不思議そうに見る、Trash達。

そしてDだけはヴァンフリートの方を振り向く。


「ヴァン!!」

「頼む、D。あの野郎をぶちのめしてくれ…。」


そして、また気を失うヴァンフリート。


「さっさと殺しておくべきだったか。」


ヴァンフリートを見下ろしながらネルソンが呟く。


「さっきのん、ヴァンが何かやったんか?」

「何なんだ? 普通のNPCじゃないのか?」

「俺にも、よう分からん。」

「それにしても、あの魔法使い相当厄介だな。」

「動き早いし、魔法も威力半端ないしね。」

「とりあえず、あいつの動きを何とかせなあかんな。」


少し考えて、ゲッツが話し出した。


「それなら、良い考えがある。」


少し話し合ってから、散らばるTrash達。


「ほな、とりあえずゲッツはあのアホの回復頼むわ。」

「オッケー。」


Dに走り寄っていくゲッツ。

そしてDに声を掛けた。


「大丈夫か? 回復してやるよ。 ヒーリングライト。」


Dの体を緑色の光が包む、体が温まっていくD。

そしてDのHPが回復していった。


「トラとフェルと一緒に来た人。」

「ゲッツだ。ベルキンのギルドのメンバーだよ。ところで…。」

「そうなんか。ありがと。」


そしてネルソンの方へと走って向かっていくD。


「おい、ちょっと待て!! Trash、あいつ話し聞かずに行っちまったぞ。」

「ええ、ええ。想定内や。」


「何かやろうとしているようだが、無駄な事だ。今度こそ、殺してやるさ。」


「ヴァンの仇じゃぁああ!! うおりぁああ!!」

「D。ヴァン、まだ死んでないから!!」


ネルソンに走っていくD。

そしてTrashとフェルはネルソンから距離をとり、弓を構える。

ゲッツも同様にネルソンから距離をとり、円を描くようにネルソンの周りを移動していた。

それに立ち向かうネルソン。




ーー


話しかけてきた兵士の方を向く、ベルトラン。


「今の話。本当か?」


ベルトランに問いかけられた兵士が答える。


「はい。先程、街の住人からそのような話を入手致しました。」

「なるほど。黒の盗賊団にモンスタースレイヤー達か…。」


顎に生やした髭を触りながら、考え出すベルトラン。


「よし! その森へ守備班以外の兵士は皆向かうぞ!!」


ベルトランの命令に兵士達が答える。

小雨が降り出し始めた空の下、王都梯団の兵士達が街から続々と列をなし出て行く。


「Trashさんの言った通りになってきたな。」


その様子をベルキンが建物の影から窺っていた。






スキル説明


【ブリザードアロー】

攻撃魔法の一つ。矢の形をした氷が三本現れ、敵単体を襲う。


【フレアストーム】

攻撃魔法の一つ。沢山の火柱が現れ敵を囲み、渦を巻きながら迫り敵を襲う。範囲魔法であり、射程範囲内であれば何体でも攻撃可能。


【シェル・ド・ウォール】

防御魔法の一つ。貝の形をしたシェルター型の障壁が現れ、攻撃魔法を防ぐ。シルトとは違い、障壁の強度は術者のレベルに関係なく一緒である。また範囲型の障壁であり、術者が居ない所にも発動可能。しかし術者から離れすぎている所には発動出来ない。


【ヒーリングライト】

回復魔法の一つ。味方一人のHPを小回復させる事が出来る。

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