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最初、そこには何もありませんでした。
『無』という場所が果てしなく永遠に続いていました。
その『無』の中で、突然、爆発が起こりました。そして、宇宙が誕生しました。宇宙は何億年もの時間を掛けて、大きくなりました。宇宙には大きな岩が生まれました。それが割れて星になりました。星の幾つかには森が生まれ、山が生まれ、川が生まれました。川が大きくなり、海になり、海は星の塩を飲み込み、海の水はしょっぱくなりました。
地面が揺れ、海が揺れ、それが、波となりました。波は岩にぶつかります。何回もぶつかります。
それを何万年と繰り返し、波は生き物と成りました。
生き物といったところで、めちゃくちゃ小さいです。
1ミリもありません。ちょ~ミクロです。ちょーーーーーミクロな生物は少しずつ大きくなり、形が付きました。そして、そのまま海で暮らす生物が誕生し、そこから更に発展し、地上で生きる生物も生まれました。これが生命の元祖です。
生命の元祖は草や木を食べていました。土も食べていました。みんな仲間だったのです。
仲間は更に何億年という時間を掛け、様々な形の生物になっていきました。空を飛ぶ生物も生まれました。鳥のご先祖様です。鳥のご先祖様には最初、羽がありませんでした。形もありませんでした。ただのフニャフニャの丸でした。そのうちフニャフニャの生物にも形が付きました。
羽が生え、クチバシ的なものが付きました。
地上でも人間のご先祖様である生物が生まれました。
さらに宇宙でもう1つの惑星も完成しました。
その星を見てみましょう。
この星は辺り一帯砂漠です。茶色いです。星の近くには月も太陽もありません。なので、生物は誕生しません……というのは地球人達の勝手な考えです。
生物というのは人間の見えないところでも生きています。
今の地球を見てみましょう。
家があり、ビルがあり、マンションがあり、お店があり、便利な時代になったと思うでしょうが、更に便利な世界がすぐ近くにあったのです。
地球の地上から何万メーターも地下深くにある場所には沢山の人間やロボット達が住んでいます。
そこには、そこの、法律、モラル、ルールが存在します。
ヒューン!!と、何かが飛んで行きました。宇宙船です。テレポートです。
そこは表の地球とは比べものにならないくらい発展した科学技術のある世界です。
「食べ物をくれよ」
「飲み物をくれよ」
地球内部ではそんな事を言う人間達が増えました。
理由は地球上に大量の毒ガスが撒かれたからです。
大量の毒ガスが撒かれた地球上には誰も住めなくなってしまいました。
なので、人間達はみんな地球内部に避難しました。人間達の地下暮らしが始まりました。
人間達は日に当たらない事から肌の色が白くなり、暗闇で物を見るため、目玉は大きくなりました。
かつて地球上にあったテクノロジーを地球内部で発展させる時代がやって来ました。
地上には毒ガスが充満しているため、地上に出る場合はUFOに乗らなければなりません。
UFOは高熱にも寒さにも耐えられるので、火山や氷の中にも入れます。
少年はUFOに乗りました。火山を通り、地上に出ました。
始めての地上でした。
教科書で見た緑色の地球はそこには有りませんでした。
空は紫、地面は真っ赤、かつて緑色に生い茂っていた草や木は全て茶色でカサカサでした。
(ビューン!!ズドン!!)
少年の乗っていたUFOはレーザービームで攻撃されました。
100年前に地上に現れ、地球上に毒ガスを撒き散らしたエイリアン達の仕業でした。
彼らが今では地球人となっています。
「ギャハハハハハハハ!!人間共が生意気にも地上に来てやがるなー。死ね!死ね!死ねええええええい!!!」
直接の言葉は違いますが、この時代、人間達が地球内部で発明した思考解析ツールにより、全宇宙生物の思考が読み取れるようになっていました。なので、エイリアン達の言葉も分かりましたし、動物や植物とも話せるようになっていました。話は出来ますが、話しが成立しない生物も居ます。それが地球を侵略したエイリアン達でした。
「なぜ、エイリアン達は地球を支配しているのですか?」
「エゴが強いからだよ」
「何故、エゴが強いのですか?」
「自分勝手な考えを持っているからだよ」
「何故、自分勝手な考えを持っているのですか?」
「優しさがないからだよ」
「何故、優しさがないのですか?」
「心の痛みが分からないからだよ」
少年は植物から色々な事を教わりました。
少年の先生は植物でした。
この時代の植物は人間達と意志の疎通が出来るので、人間達に色々な事を教えていました。また、植物達も人間達との意思の疎通を楽しんでいました。
少年の乗っていたUFOは墜落しました。
エイリアン達はUFOを取り囲みました。
ニヤニヤ笑いながらUFOに近付きました。
「UFOはどーやって作られたのですか?」
「宇宙の様々な物質を集めて作ったのだよ」
「その物質はどうやって集めたのですか?」
「人間達が直接宇宙へ行き集めたものもあればテレポーテーションやタイムトラベル機能を使って集めたものもある。それから、今では世界線の流れを乱すので禁止とされているパラレルマシンという装置を使って異なる次元の太陽や地球から持ってきた物もあるんだよ」
エイリアン達はUFOの扉を開けました。
「誰もいねーぞおおおお!!!」
少年はUFOから脱出し、走っていました。
ガスマスクを被っていました。
ガスマスクを被りながら泣いていました。
「少年がエイリアンにUFOを破壊され、只今、逃げ回っている模様、すぐに救助にあたるように」
月にある地球監視システムセンターにより、少年の救出命令が出されました。
これによって、火星、水星、木星で待機していた兵士達が一斉に動き出しました。
「パパはいつ帰って来るの?死なないでね。パパ」
特攻兵士の1人は娘の事を想いながらエイリアンの基地に突撃しました。
「地球人類!!ばんざーーーーーい!!」
エイリアンに捕まっていた人間達は救出されましたが兵士は死んでしまいました。
人間とエイリアンの戦争は1000年間続きました。
【僕】
道を歩いていた。
真っすぐの道だった。
僕はその道を歩いていた。
僕はダレ?分からない。
僕は記憶喪失らしい。
記憶喪失じゃないかもしれない。
記憶喪失かな?
それすらも分からない。
ただ真っすぐの道を進む。
【先】
道の先にはボロボロの小屋があった。
僕はノックした。
ダレも出てこない。
僕はドアを打ち破った。
小屋の中には老人が居た。
【老人】
老人は僕にコーヒーを出した。
『この小屋の扉を壊したのは君で100人目だよ』
僕は黙ってコーヒーを飲んだ。
僕は真っ白になった。
【オレ】
オレは青い道の上を歩いている。
オレはダレ?
ドコに向かって歩いているんだ?
答えの出ないまま道の先に着いた。
道の先には小屋があった。
【ドア】
オレはドアを打ち壊して中に入った。
ホコリだらけの部屋にはなにもない。
テーブルと椅子2つだけが綺麗に並べられてある。
振り向くと壊したはずのドアが直っていた。
そして、もう1度部屋を見渡すとそこには老人が立っていた。
【コーヒー】
老人はオレにコーヒーを出した。
オレは老人に言った。
「ココはどこだ?あんたはダレだ?」
老人はニッコリ笑い『コーヒーを飲みなさい』……と、言った。
【私】
私が歩いた道の先には小屋があった。
いくら扉を叩いても反応はなかった。
私は、いま来た道を戻ることにした。
【強引】
オレは老人に「コーヒーなんていらねーんだよー!ココが何処だか教えろよ!クソジジイ!」と、言った。
老人はニッコリ笑いながらハンマーを振り下ろした。
ハンマーはオレの脳天を直撃した。
オレの頭から血が噴き出した。
そんなオレを見ながら老人はボソリと呟いた。
『この小屋の扉を壊したのは君で99人目だよ』
【追跡】
私はハンマーを持った老人に追い掛けられている。
『なにをしとるか!ちゃんと、うちのドアを壊さんかー!』
私は怯えながら全走力で走った。
【頭突き】
ハンマーで殴られたオレは頭から血を流し、薄れゆく意識の中、最後の力を振り絞り、立ち上がり、老人の顔面に頭突きをかました。
老人は鼻血を出して床に倒れた。
【震え】
私は老人に捕まった。
小屋の椅子に座らされた。
老人は私にコーヒーを出した。
『飲みなさい』
私は手の震えでコーヒーカップを上手く握る事が出来ないでいた。
【無視】
オレは老人をボコボコに殴って椅子に座らせた。
「さぁ。ココが何処だか教えてもらおうか?」
老人は何も言わない。
オレはまた老人を殴る。
【怒り】
「早く飲まんか!!」
老人はテーブルを叩いた。
私は恐怖でコーヒーカップを落とした。
コーヒーカップが割れて床がビチョビチョになった。
【沈黙】
いくら殴っても老人はなにも喋らない。
オレは小屋を出ようとした。
しかし……
扉を開けるとそこは崖になっていた。
~続いていく続き~
エイリアンから逃げ切った少年はそこで本を閉じました。
それからランプの火を消して眠りました。
起きて洞窟を進みました。
洞窟を抜けると森に着きました。
森にはキラキラな植物が沢山居ました。
チューリップが言いました。
「人間もエイリアンも本当は仲良く出来るんだよ」
ヒマワリが言いました。
「本当は悪い奴なんて1人もいないんだよ」
アサガオが言いました。
「全宇宙を平和にするためにはみんなが優しくなればいいだけなんだよ」
「パパーーーーー!!!」
娘は泣きました。奥さんも泣きました。エイリアン達は笑いながら人間達を殺しました。
人間達は必死になってエイリアンから殺されないようにしていました。
その頃、もう1つの惑星の砂漠にオアシスが出来ました。
サボテンとラクダは全力でオアシスに飛び込みました。
少年はその横で本の続きを読みました。
【飲】
「ふふふ。上手く飲めないようだな。ワシが飲ましてやろう」
老人は私の顔を抑えつけ、無理矢理、口にコーヒーを流し込んだ。
【混乱】
「おいジジイ!!道がねーぞ!!どーなってんだよ!!」
『・・・ふふふ・・・』
老人は薄笑いを浮かべ、ゆっくりと立ち上がった。
【技】
私は老人から無理矢理、飲まされたコーヒーを吐き出した。
「ウェッ!!なにすんのよ!!」
それを見た老人は私に催眠術をかけた。
【催眠】
催眠にかかったオレはコーヒーを飲んだ。そして、真っ白になった。
【始まる】
私は催眠にかかりそうになった。
しかし、首を振って正気を保った。
老人の呪文を唱える声が大きくなっていった。
【目覚め】
僕は暗闇で目を覚ました。
正確には目を覚ましたのか分からない。
暗闇ということで色々分からなくなる。
暗闇は必要以上に沢山の情報を奪う。
1つの光もない暗闇。
意識はある。
意識を持ったという意識だけがハッキリとある。
と、いうことは、今まで意識がなかったのか?
そうだ。
僕には意識がなかったんだ。
僕は何をしていたんだ?
最後の記憶。
コーヒーを飲んだという記憶。
それ以外のことは思い出せない。
本当にまったく何も思い出せない。
何故コーヒーを飲んだ?
誰かがくれた?
誰かが作った?
自分で買った?
自分で入れた?
いや、自分から飲むわけがない。
僕は自分からコーヒーなんて飲まない。
そーか。
今わかった。
僕はコーヒーなんて飲まない。
しかし、これもあやふやなものだ。
全て夢だったのかもしれない。
というか、今も、夢かもしれない。
まぁいい。
そんなこと言いだしたら本当に訳が分からなくなる。
夢じゃないということにしよう。
暗闇は色んなことを考えさせる。
体は動くみたいだ。
少し歩いてみよう。
ココは僕の知っている場所か?
そもそもココは本当に暗闇なのか?
カチッ
眩しい。
色々考えていたら急に明るくなった。
【渦巻き】
催眠にかかりそうで恐くなり、私は老人を突き飛ばして玄関から飛び出そうとした。
しかし、無理だった。
道がなくなっていた。
暗闇の下の方で巨大な渦巻きがグルグルと回っている。
私はその渦巻きに吸い込まれていった。
【葉巻】
オレは誰もいなくなった小屋の椅子に腰を掛け、ゆっくりと葉巻に火を付け、コーヒーを飲みほした。
オレの目からは大粒の涙が出ていたが顔は笑っていた。
【眩しい】
一気に明るくなったせいで眩しい。
僕は眩しくて回りが見れない。
目を細めて周りを見てみた。
僕の目の前にはヨダレを垂らした老人が立っていた。
【記憶】
思い出した。
私は女だったということを思い出した。でも、遅かった。
私は老人になって102人目が来るのを待っている。
【チェンジ】
オレは刑務所に入っていたときのことを思い出しながら何日も泣き続けた。
100人目がドアを壊して小屋に入ってきた。
オレは100人目にコーヒーを出した。そして、言った。
「この小屋の扉を壊したのは君で100人目だよ」
【動き】
ヨダレを垂らした老人は僕と同じ動きをする。
僕が右手をあげれば右手をあげる。
口を開ければ口を開ける。
ジャンプすればジャンプをする。
僕はココで始まりココで終わることを確信した。
いま終わったばかり。
それは、いまから始まることを意味していた。
~終わらない終わり~
少年は本を閉じて空を見上げました。
空には太陽が7つ、月が4つありました。
ラクダとサボテンはオアシスから出ました。
少年は鞄に本を入れました。
3人で森を歩きました。
森の先にはピラミッドがありました。
ピラミッドの天辺には宇宙人の王様が居ました。
「ぎゃははははははははは!!!!人間共がバカみたいに逃げていくぜ?オモレー、オモレー、ちょーオモレー。オマエラが作った武器なんてオレラに通用すわけねーだろ!バカタレ!」
エイリアン達はパラレル装置を使い、全ての次元にある地球を乗っ取ろうとしていました。
それを阻止するため人間達はタイムワープで過去に戻り、宇宙の最初を研究しました。
Q1・人はなんの為に生まれて来るのですか?
「優しくなるためです。人や物や動物、全てを無条件に愛して下さい。死ぬまでにそれが出来るようになれたのなら人間は卒業です。」
Q2・人間を卒業するとどうなるんですか?
「段階はありますが、最終的には神になれます。神になる資格は全ての生に与えられているものなのです」
Q3・神様になると何が出来るんですか?
「なんでも出来ます。━というより、あなた達、人間に限らず、全ての生に元々なんでもする力があるのです。嘘だと思わず信じてみましょう。信じきることだけが条件です。」
Q4・空も飛べますか?
「飛べます。ただし、今のあなた方のいる3次元世界では、人間という種族の体というボディを使っているので飛ぶことは出来ません。3次元は物理の世界です。決められた物は決められたスピードで落ち、衝撃があれば壊れ、生有る者はそれを失うように出来ています。これも個人差はありますが、基本的には空も飛べますし、テレポーテーションも使えます。」
Q5・では、なぜ、人間はそんなことも出来ないような不便な体に作られたのですか?
「修行のためです。」
Q6・なんの修行ですか?
「真の意味での平和と愛を、自分の心に備えるための修行です。」
Q7・それが終わったら死んだ方がいいってことですか?
「死んだ方が良いということはありませんが、これは、どちらでもいいですという答えが1番適切ではないでしょうか。死にたいと思えば死ねばいいし、生きたいと思えば、生きれば良いわけです。すべては本人の自由です。『自由』という言葉を常に意識しましょう。周りに迷惑を掛けない限り、全ての権限は個人にしかありません。自殺を罪だという考えを持つ、地球全土の大きな風潮は知っていますが、これは罪にはならないわけです。麻薬も一緒です。周りに迷惑を掛けない限り、なんの罪にもならないわけです。しかし、あなた達の世界にはあなた達の代表者が作ったルールがあるのも事実です。それは何処の星にもあるものです。そして、それらは他の誰にも関与出来ないようになっているものでもあります。もちろん、我々、神も同じです。」
Q8・どうしたら神様になれますか?
「信じることです。愛することです。すべてに対し、許す心を持つことです。ねたみ、ひがみ、いやみ、それらの下らない感情を一切無くしてしまうことです。それは言葉以上に難しいことでもあります。世界全体が世界全体を仲間だと思えばいいわけです。その言葉も言葉以上に難しいことだとは思います。しかし、それを成す為に生命が存在し、宇宙が存在するわけです。」
Q9・宇宙人っているんですか?
「たくさん居ます。果てしなく広い宇宙の中には、種族や目的の異なる宇宙人が数えきれないほど居ます。そして、沢山居る宇宙人達から見ればあなた方人間も1人の宇宙人です。同じ種族でも、全員がこうだとは言えないのは人間も一緒ですよね?ただ、どの文明も、ある程度発達すれば『平和』というものに対して、心を1つにする傾向にはあるようです。」
Q10・戦争は罪ですか?
「罪です。そして、頭の悪い生命が取る行動です。これまでも、宇宙規模で何度も同じ様なことがありました。しかし、我々は長い歴史の中で成長しました。今では戦争なんてしない、考えもしない心を持っています。それは、当たり前の感覚として備わっています。皆さんも、早くそうなってくれれば嬉しく思います。我々はあなた方を応援しています。地球を良い星にしてください。愛と優しさで包まれる惑星にしてください。」
少年は宇宙人の王様から沢山の事を教わりました。
サボテンとラクダは笑いながらそれを見ていました。
少年のお墓には沢山の人々が集まっていたのです。
「…………もう終わろう。終わらせよう…………」
神様はリセットボタンを押しました。
これによって全宇宙は粉々に砕け散ってしまいました。
最初、そこには何も有りませんでした。
『無』という場所が果てしなく永遠に続いていました。
~END~