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ほんで作家はどうなるの?

 じゃあ、それが分かったところで作家は失業となるか。

 誰もが思うがままに感動のストーリーを書けるようになり、秘蔵のテクニックが周知の事実となった暁に、文筆業は廃れるのか?


※ ※


 バラしやがってこのクソが、と大御所の大先生たちから私に、暗殺者(アサシン)の軍団が差し向けられるのか?


 私はバイク(隼)一台を友に日本中を逃げ回り、各地で激しい戦闘を繰り広げながらなんとか撃退し、最後は肉弾戦。ドラゴンと美食対決をしたり友達と思っていた喜多ふあり君に裏切られたり筒井先生に断筆を迫られたりして、ようやく命からがら自由の国へ逃げ出す切符を手に入れた瞬間運悪くトラックで転生、みたいなワクワク物語が始まってしまうのか?


 いや多分、歯牙にも掛けまい。


※ ※


 車の運転のコツや加重移動について詳しく説明を聞いたところで、誰もがラリードライバーになれるわけではない。

 コンピュータ将棋がもはやプロ棋士に勝つのとは意味あいが違う。

 構成力やイメージを喚起する力は職人芸であり。おいそれと身につきはしない。


※ ※


 スマホゲームのクリエイターが知り合いにいて、シナリオを外注でプロのライターに頼むのと、社内の素人に書かせるのでは雲泥の差だという。

 別に感動のゲームでもない、単に格闘の連戦を繰り返すだけのシステムで、ただの会話文ですらそうなのだ。


※ ※


 まず興味を引き、次に話を理解させるハードルを、通常はなかなかクリア出来ない。


※ ※


 誰が、そいつを書いたのか。

 ネームバリューは大きい、というのは最初に星新一のエッセイからうろ覚え引用でも書いた通り。

 私に代表されるどこぞの馬の骨の書いた文より、有名人の文の方が好まれるのは安心感だ。

 文字を読むのは基本的に面倒臭い。あえて他者の哲学や思想をわざわざ受容する必要性などないのだから。

 好みの作家の、自分を脅かさない既知の話を指向するのが人情だ。

 ネタバレ後に見た映画の方が満足度が高いというのも同じ理由だ。

 人は本質的に保守的な生き物なのだ。


※ ※


 もちろんそれだけなら水戸黄門を見ていればいい。能でも歌舞伎でもシェイクスピアでもいい。見る度に新しい発見もあるんだろうし。

 ジェットコースター然り、安全圏の中での冒険が所謂エンターテイメントという奴だ。


※ ※


 初めはハードルを極力低く、受賞や名声の後押しを得て始めて偉そうな事が書ける。これもご苦労なことで、尊大な私には面倒臭くてたまらない。


※ ※


 このサイトでの私のように、何者でもないぽっと出の若造が世間様に対し横柄に講釈を垂れる事が可能になった、今はぬるくてちょろい、いい時代になったものだ。

 説得力や影響力の有無は置いておいて。


※ ※


 そしてまだあるハードル。感動の本質まで持っていくためには、細部の描写が不可欠だ。

 神は細部に宿る、とはこのことなり。

 その葛藤なり対立なりの、奥にある意思や感情、条件などを出来うる限り簡単に、平易に、しかし間違いなく伝えるための必須課題である。

 あー、無理! 作家先生頑張ってください。


※ ※


 感動も面白味もなにもない、他愛もない日々の生活をだらだらと書き綴られた作品を読むのがいいんだ、という人もいるかもしれないが、そういう『好み』には触れない。好きにしてください。

 かわいいキャラが好きなだけ、という人も同じだし、描写だとかテクニックが評価基準の人もいるだろう。何をもって是とするかはそれぞれだから。

 別に構わない。

 そんな中にもある構図を見つけ出すのも一興だ。


 ここでの論旨は単に芸術の特異点、感動について。それだけだ。


※ ※


 ただの薄っぺらい泣かせとは違うってもう書いたっけ?

 まあ分かるよね。


※ ※


 私がこの文を書いて発表した動機は、むしゃくしゃしてやった、遊ぶ金が欲しかったからだ。今も後悔はしていない。

 隠された定理を暴きたかったのは、義務感からでもドヤァというためでもある。


 なおかつ、経験やそこから発展する想像力にはおのずと限界があり、才能を無為に消耗してあげくは捨てられる泡沫作家たちの係船柱(ボラード)となれば。片足を掛けてパイプでも噴かしていって貰えれば、とも考えている。


 さらには文章芸術ひいてはこの世の中の次元上昇(アセンション)をも狙っている。

 情報が開示されることにより、底辺がボトムアップされそもそものスタートラインが前になれば当然、最終到達点は伸びる。現時点での上位者だってうかうか出来ないので、更に頑張ってくれるのではないかと。

 ちょくちょく引用している岡本太郎師匠の言葉をまた拝借して言えばこうだ。『小説の原始時代は終わった///』


※ ※


 技術があっても中身がなければ無駄予算のクソ映画と変わらない。だがこの構図はやろうと思えば何処へだってねじ込める。何を感動の本質とするかは話によって様々だが、スタンスや根本的構図だけは控えておいて損はない。使い方は次の、最後の章にて。

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