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ダーク・ハート  作者: 駿河留守
始まり
4/36

刺激の終わり

 数分後やって来たパトカーに強盗たちは拘束されて連れて行かれる。何事かと通行人や近所の人たち野次馬が集まってきて騒然となっている。こんな平和な町ではなかなかない事件だ。その様子を少し離れたところからただボーっと見ている。さっきまで起きていたありえない事件がまるで夢のようだった。恐怖も安堵もなくただ困惑して考えられなくなっていた。

「陽子!」

「あ。キョーコちゃん」

「あ、じゃないわよ!大丈夫なの?怪我はない?」

 すごく心配そうな声で表情で私を心配する。

「うん、大丈夫だよ」

 怪我もないし、別にこれと言った恐怖の後遺症のようなトラウマもない。まるで夢を見ていたかのような感覚で、今の私はその夢から覚めたみたいなふわふわした感じになっている。

「なんであんなことしたの!」

「分かんない」

「分かんないじゃないわよ!マイペースなのはいいけど時と場合を考えなさいよ!あんたが傷ついたらあたしは・・・・・あたしは・・・・・・」

 私のために涙をポツリポツリと流してくれた。本当に心配していたんだ。まるでお母さんみたいだ。

「ごめんね。心配かけて」

 私の胸で泣きじゃくるキョーコちゃんをなだめる。普通逆じゃないかな、なんてことを思いながら。周りを見渡すと騒然な現場は変わらない。

「そういえば、あの子は?」

「あの子?」

 涙をぬぐいながらキョーコちゃんは答える。

「私が助けた人質になった女の子」

「そういえば、見ないわね。助けてもらって礼も言わずに姿を消すなんて何て恩知らずなのよ!」

「まぁ、特に怪我もなさそうだったし、よかったよ」

「本当にマイペースね」

 別にお礼を言われたくてやったわけじゃない。ただ、守らないとそう思っただけで体が勝手に動いた。それが結果的に助けることにつながっただけだ。実際には逆上した強盗が女の子に手を掛けたかもしれない。今改めて考えると反省する点も多く存在する。今いないのもきっと、刃物を突きつけられてどこかで怯えているに違いない。大丈夫かな?

 きっと、親御さんの元に言って泣いているのかもしれない。まだ、中学生だし。

 まぁ、誰も怪我しなかったし結果オーライだね。

「帰ろっか」

「そうね」

 今日はそのままキョーコちゃんと共に家に帰る。生きている中で一生語れる刺激的な一日であった。今日経験して思ったのはこんな刺激はもういいやと思ったこと。

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