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馳せる  作者: 南田あさひ
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 「狙いはやはりハセルか」

 「以前にも狙われたことがあるとお聞きしましたが、」

 「これではっきりしたね」

 「俺は・・」


 (逃げ切れない、まさかこんなところまで追ってくるなんて。いや、逃げ場のない海の上を選んだってのか)


 「俺はここにいる!連れて行きたきゃ連れていけ!他の奴は関係ない」

 「ハセル君、何言って・・」

 「悪い賀谷、俺・・・」

 「ハセルを守れ」


 アサカの声が全体に響き渡る。


 「アサカ、俺は・・!」

 「言ったはずだ。俺はお前を守る義務がある。たとえお前が望んでいなくても俺はお前を守らなきゃいけない。話は後で聞く、大体察しもついてる!お前はいい加減俺に守られる覚悟を決めろ」


 アサカは言い終わると相手をじっと見た。


 「夕暮アサカ。あなたが0929君のお守りってわけね。良い男じゃない、タイプよ」


 どこか値踏みされているような、その目に悪寒がした。


 「このおかまやろー!アサカさんはあんたなんかには負けねーっすよ」

 「おお、威勢がいいのがいるなー」


 突如男が潜水艦から顔を出した。


 「あいつあたしをおかまって、おかまって!許さないわ、殺してやる!」

 「いやお前はおかまだろニーカ。っとその前に、ほらお前ら行け」

 「あれは、人か?」


 潜水艦から出てきたのは大量の人のような何か。ただ、そこに意思を感じない。まるで操り人形のよう。


 「ほらほら、あいつらだよ。あ、あの人相の悪いガキは殺しちゃダメ。わかった?」


 ただ黙って頷くだけの人の形をした何かたち。


 「ほら、早くあたしたちを囲って、あの子から見えないように」


 何かたちはニーカとかいう女?と謎の男をそれぞれ十数人で囲み、こちらから見えないようにした。


 「これで移動はできないわよね」

 「アサカさんの能力を封じるために!」

 「君が一番腕が経つんだってねー。良い男な上強いなんて、ほんとに惚れちゃうわ。ねえジル?」


 ジルと呼ばれた男は意味が分からないという顔をした。


 「人数が多すぎる」


 どんどん溢れてくる何かがボートに侵入して、たちまち辺りを埋め尽くした。

 襲い掛かってくる敵たちをアサカは倒していくが減っているのかわからないそれらの勢いは止まらない。


 「賀谷!後ろ」


 白杉が声を荒げた。


 「くっ」


 間一髪のところでアサカが敵を転移させた。

 代わりにアサカは前方にいた敵に蹴飛ばされる。


 「しまった・・!」


 三人と一人。


 いや、問題はそこではない。


 「早く戻らないと」


 とは言ってもその人数に圧倒される。


 「くそっ、邪魔だ」


 ズゾゾ


 能力を駆使して三人に近づこうとしたとき、船が揺れた。

 海面が大きく揺れて、立っているのもやっとな状況。


 「ふふふ、君への対策はしてるのよ」

 「あんたの能力か」

 「そうよ、うふふ」


 船が揺れて思うように動けない。それでも四人は懸命に対抗する。

 時折、アサカがニーカの周りにいる何かたちを転移で海に落とすがすぐさま別の何かが覆う。


 「ちいっ」


 ハセルは舌打ちをしながら敵を蹴飛ばしていった。


 「きりがねえぞこれ。何人いんだよ」


 ポンッ


 「・・なんだ?」


 アサカは音の方を振り返った。


 「手榴弾!」


 背後に手榴弾が投げ込まれ、上空に男が一人浮いていた。


 (とばさないと)


 アサカは手榴弾をとばそうとした。

 しかし、見えてしまった。もう一つ手榴弾が投げ込まれるのを。


 (ハセル・・!)


 位置的に同時にはとばせない。どちらか一方、


 瞬間、爆発した。


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