表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
7/16

イレギュラー

あれから3日たち俺達は20階層までは難なく行けるようになってきた。

そして今日も20階層を目指してダンジョンを潜り始めたのだがいつもとは違い、モンスターがあまりいない。

どこか嫌な予感を感じつつも進んでいくと突然先に進んでいた冒険者の悲鳴と思われる声がした。

「えっ、何があったんだろう…助けに行こうよ」

というキターシャに

「とりあえず行ってみるか」

といい奥の方まで行ったわけだがそこでは1体のモンスターによる蹂躙が起きていた。

そのモンスターは本来30から35階層付近で発生するレッドドラゴンだった。

レッドドラゴンとはドラゴンの中では弱い部類だが、Aランクのパーティーがいくつか協力することで倒せるモンスターなのだが、もちろんそんな都合よくAランクパーティーやSランクの人がいるはずもなくこのような惨状になっていた。

「キターシャとりあえず入口まで…」

と、そこまで口にしたときキターシャの異変に気づいた。

レッドドラゴンの咆哮に当てられてしまいまともに動くことも困難になっていた。

「仕方ない、俺がなんとかするか」

といい、レッドドラゴンと対峙したのだが正直あまり負けるイメージがつかない。

小さい頃戦った母さんと比べると全然弱く感じてしまうのだ。

そこから戦闘が始まったのだがすぐに決着がついてしまった。

レッドドラゴンは、炎のブレスを吐いたがそれでも俺の氷魔法を溶かすことはできずレッドドラゴンは串刺しにされ、そのまま魔石を残して消えてしまった。

だがそこでふと気になったのだが、

「どうしてレッドドラゴンがこんなところに…」

と、考えていると突然ダンジョンの奥の方から爆発音らしき音が聞こえてきた。

そして、その音からすぐにその音を出したモンスターが現れた。

そしておそらくレッドドラゴンは、そのモンスターから逃げてきてここまで来たのだろう。

奥の方から出てきたモンスターはブラックドラゴンといい、本来40階層以降にでてくるモンスターである。

さらに最悪なことにレッドドラゴンの魔石を取り込んでブラックドラゴンがさらに強化されてしまった。

ただでさえSランク近くの人と同等の力を持っているというのにそれが更に強化されてしまった。

そのせいで母さんほどではないがかなりの脅威となっていた。

ただ戦うだけならば苦戦はしないがキターシャを守りながらとなれば苦戦はするだろう。

そして戦闘が始まったが想像よりも苦戦はしなかった。

氷魔法を使い、足を拘束しても簡単に抜け出されてしまうがどうやらまだブラックドラゴンは、増加した力を完全に我がものとしていなく、振り回されている感じだった。

足の拘束を破壊しようと力を入れれば地面もえぐりバランスを少しだが崩したりブレスを吐けば少し体が後退してしまい、少しだが隙ができていた。

そんな些細な隙でも俺からすれば十分なくらいであり魔法を叩き込み着実に弱らせることができていた。

だが、戦っていくうちにブラックドラゴンに変化が生じてきた。

さっきまでの隙が全くといっていいほどなくなり、俺の攻撃にも魔力の塊を使い少しずつだが対応できるようになっていた。

「ちっ、時間がかかるほど俺が不利になっていくか…」

だがそんな事も言ってられなくなるのは目に見えていた。

一旦キターシャのことは放置してブラックドラゴンを倒しに行くべきか、はたまたキターシャを守りながらもこれまでどうり戦うべきか少し考えたがすぐに答えは出てきた。

「よし、取り敢えず結界でキターシャを守るか」

結界魔法はかなりの魔力が必要なためこれまで使わなかったがそう入ってられないので結界を張った。

俺の結界は、並大抵の攻撃では壊れたりしない。

それこそ大精霊レベルの攻撃でもなければヒビひとつつかないだろう。

結界を張ったあと俺はブラックドラゴンと対峙した。

戦闘態勢を整えながら相手の出方をうかがっていると相手もこちらの出方をうかがっているようだった。

そしてしびれを切らしたのかブラックドラゴンがブレスを放ってきたので氷魔法をバリアのように使いながらいなし、それと同時により魔力を込めてブラックドラゴンに氷魔法をぶつけた。

するとこれまでかすり傷程度しかダメージを与えられてなかったが鱗を砕くことに成功した。

この調子で勝てればよかったのだがそうもいかないらしい。

ブラックドラゴンを取り囲む黒いオーラがより濃くなり更に数も増えてきていた。

ブラックドラゴンは、そのオーラを防御に使ったり、ブレス以外の攻撃手段として使っていた。

そして、近接戦闘に持ち込まないのは本能的に俺の隠し持っている剣を警戒しているのだろう。

なぜなら俺の剣は母親から受け継いだ伝説級の武器であり性能も市販のものとは大違いだからだ。

それからお互いにより魔力を込めて攻撃してはより魔力を込めて防御するといったように一進一退の攻防を繰り広げていたのだが終わりは突然やってきた。

ブラックドラゴンの魔力が、残り少なくなり動きが鈍くなってきたのだ。

一方俺はというと母親譲りの底なしの魔力のお陰でまだまだ魔力に余裕があった。

そしてその隙を見逃すわけもなくこれまでよりも魔力を込め、魔法を放った。

とてつもない咆哮のあとブラックドラゴンほ霧のように魔石を残して消えていった。

それからは魔石を回収し、キターシャを連れて地上まで戻ってきた。

「ブリード君すごいね、あのドラゴンに買っちゃうなんて!それに比べて私は…」

といっていたので

「キターシャもこれから一緒に強くなっていこう」

といい励ました。

そして換金所まで行くと、

「こ、これは…どうしてあなたがこの魔石を?」

と、ブラックドラゴンの魔石を見るなり驚いていた。

これから本部でも話す予定だが実際にさっきあったことを話して見ると

「そ、そんなことが…いや、これまでそのようなことはなかったはずだが…」

と、少し混乱させてしまったようだ。

そして査定が終わり金額を聞くと金貨3枚に銀貨5枚だということだ。

そしてキターシャと山分けしようとしたのだが

「私は何もしてないから…」

と、受け取ろうとしなかったがとりあえずこれまで色々教えてもらったお代だと言って金貨一枚を渡した。

そして、しばらくはダンジョン開放は行わないそうなので明日は何しようかと考えていたが、

「もしよかったら明日、買い物に付き合ってくれない?」

と言われたのでついていくことにした。

そして、もうすぐ第三次試験が始まる。

そのための準備も明日しようと思ったのだった。

今回も見ていただきありがとうございました!

次回は第三次試験前の様子を書きたいと思っているので短めになるとは思いますがこれからもぜひ読んでいただけると幸いです。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ