偶然?の遭遇①
イフリートたちと別れてから俺とキターシャは、もと来た道をたどっていた。
だが、どこか雰囲気が違っているように感じた。
モンスターが昼でも多く、それでいて前よりも強くなっている気がした。
キターシャも、前は苦戦せず、簡単に倒せていたはずの魔物を若干だが苦戦しているように思えた。
キターシャも強くなったはずだが…
考えられる理由としては、この森ではその人のレベルによって出てくる敵の強さが変わることだろう。
しかし俺の強さは変わっていないし、何なら俺に合わせられるはずなので強い敵が初日から出てきていないとおかしいことになる。
となると考えられることは、
「誰かが魔物をこの森に放してる…?」
俺がボソッと話すと
「やっぱりブリード君もそう感じたんだ。やっぱりなんかおかしいよね」
「あぁ、おそらくだが毎年貴族が生きて帰ってこれたのって…」
ドォォン
と、どこからかとても大きな音が聞こえてきた。
「音のした方に行ってみるか」
「うん。もしかしたら受験者が襲われているかも」
その音のした方に向かって行くと、だんだんと地響きや人の悲鳴が感じれるようになってきた。
聞いた感じだと大体5、6人くらいが固まっているらしい。
しかし、このままのペースだと間に合わないかもしれない。
「もう少しペースを上げるぞ」
「うん、任せて!」
そして、近づいていくとだんだんと出てくるモンスターが強くなってきた。
初めはDランクのモンスターしか出てこなかったが、今はBランクのモンスターまで出てきていた。
「クッソ、モンスターが多すぎる」
モンスター単体でもまぁまぁめんどくさいのだが、それでいて数も多いため、少し魔法の威力を上げる必要があった。
そのため、魔力の消費が激しくなっていた。
キターシャも、体力的にもキツくなってきているだろうと思い、一気に出力を上げ、この辺りにいるモンスターをまとめて倒すことにした。
「上級魔法コキュートス」
魔法には初級魔法や、中級魔法、上級魔法、そして、その更に上の超越魔法がある。
俺の使える魔法で言えば、初級魔法に当てはまるのはアイスショットであり、それは、氷の塊を相手に向けて発射するといった、単純なものだった。
そして、そのアイスショットの上の魔法である中級魔法、ブリザードレインと、ブリザードランスは、似たような魔法だが若干の差異がある。
まず、ブリザードレインは対象の上に氷の塊を生成し、それを重力を使い相手にダメージを追わせるという魔法で、自分で氷の塊を発射する必要がないので若干魔力消費が少なくなるのだ。
対してブリザードランスは、氷の塊を、あらゆる方向から相手へと発射するという魔法だ。
こちらのほうが魔力の消費が多いが、その分スピードなどは全然違く、威力がとても高いのだ。
そして、今使った上級魔法コキュートスは、決められた範囲のあらゆるものを凍てつかせるという魔法で、大勢の軍隊や、国の破壊によく使われているらしい。
そして、そのコキュートスで開けた道を進んでいくと、ここにいてはいけない、どこか見覚えのあるモンスターが姿を表した。
「ブラックドラゴン…なんでここに」
今回も見ていただきありがとうございます!
すいません小説の続きが書き終わらなかったため、来週は、日曜日の他にももう一本投稿したいと思うので楽しみに待っていてください!