ハッピーエンド?
また、小人が帰って来た。
「おい、オレンジ兄さん。また、あの女つけが回ったようですよ。」
「ふん、またどうせ生き返るに決まっているさ。おい、おい起きろ姫さま。」
そう、オレンジが呼び掛けても何の返答もない。
「ま、まさか今度は本当になくなってしまったのか。」
そう、イエローが泣き出す。
「うーん、せめて葬式くらいはしてやった方がいいな。」
そう、レッドが言い出した。
その後小人たちは森の木で棺を作り、白雪姫の体を納めると。途端に悲しくなりみんなで泣き出してしまった。そこに何者かが通りかかった。
「あれ、そこの人たち何をしているのかな。」
小人が振り返ってみると、隣国の王子様だった。今日はこのフレア王国の王と会見するためにやって来たのだ。
「ああ、王子様。実はこの人はフレア王国の王女なんですが、こんな事情がございまして。」そう、レッドがその経緯を説明する。すると、王子は、しかし、そんな経緯があったにせよ。葬式くらいは城で行い、墓に埋めてあげるのが筋であろうと言い出し、王子がこの棺を城まで運んでくるという。無論小人の膂力ではこんなものを運べないし、王宮への説明をしてくれるなら異論があるわけはない。無論これに従った。しかし、家来が棺を運ぶと躓いてしまい、棺を落としてしまった。
「ああ、気を付けてくださいよ。」
そう、グリーンが注意すると、なんということでしょう。例の棺の中からリンゴのかけらが飛び出してきたではありませんか。驚いたみんなが棺を見てみると、白雪姫が生き返っていた。
「ふわあ、またやられてしまったわ。って、何で私は棺の中なのかしら。」
そう、白雪姫は小人に聞く。
「いや、あなた殺されかけたんですよ。」
白雪姫がもう一方を見ると、王子様が立っていた。結構なイケメンで白雪姫の心をとらえてしまった。
「貴方が、私を助けてくださったんですか。」
そう、つい上目遣いになる。
その後は王子と白雪姫はお城に帰って来た。
「白雪姫様、今までどこにいらっしゃったのですか。」
そう、レオが必死で尋ねる。
「話すと、長くなるわよ。そのまま付き合ってもらえるかしら。」
そう、今までのことを話し始めた。
「そうですか、それは大変でいらっしゃいましたね。」
チャールズ王子とルイ王は会食を開くこととなり、そこに白雪姫も参加する運びとなったが、白雪姫の顔は常に赤かった。すると、チャールズ王子が
「ルイ国王様。どうか、この姫様を私の妃にしてはくれませんか?」
驚くべき告白だった。王子も実は一目ぼれしてしまっていたのだ。国王は
「まあ、白雪姫がそれでいいなら反対はしないが、どうかね。」
国王はかつて自分に娘が言ったことを思い出していった。すると、
「喜んで、お受けします。」
両方合意で縁談は成立した。近々結婚式のあることだろう。レオが一番喜んでいた。
白雪姫が暗殺されかかっていたことは、ついてきていた小人の証言もあって立証され、女王が魔女であったことも暴かれて、ついに女王は処刑された。
小人の方はというと、白雪姫を匿ってくれた褒美として貴族になることが出来るようになった。
最期に白雪姫の性格はというと、女王に命を狙われる格好となったのは、一部は女王の勝手な憎しみもあったのだけれど、自分の性格が悪すぎたせいだとなりあまり傲慢なことはしないようになったそうだ。