表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/23

そのポジションになりたかった

 ふわふわ~むにゅむにゅ~な夢の世界。


 ふわーん、ぽよよーん。


 なんて言うかしゅごい!

 お姉さんたち!俺じゃなかったら逆セクハラなんだからね!!


「ツバサくん、じゃぁ人買いから逃げてきたのね?」

「どこから来たのか国の名前も親の名前もわかんないの?」


 5歳児が森の中で一人っきり。

 怪しすぎて質問責め。仕方なし。


 しかし俺、この世界に身寄りなし。


 異世界転生ものの定番的身の上にしてみた。多分!


 あと5歳児だからめっちゃ噛む!

 『あい!』『そうにゃんでしゅ』って!

 むちゃくちゃ羞恥プレイよ!!


 お姉さんたちは、「可愛い~!!」って言ってくれるけどさ。

 彼女たちは剣士のエイミー、弓使いのクララ、魔法使いのララァ、Cランク冒険者でこの森にはAランクパーティの人達と定期調査に来ていて、休憩中に水浴びしていたらしい。


「じゃぁリックに相談して近くのアルルの町に行きましょう!」


 魅惑のふわぽよタイムは終わりで、脱がされた服を手に取ったら、マジックバッグの影に黒い子猫?

 ん?

 むちゃくちゃ機嫌悪そう。


 そういえばエンファスさまが雷獣付けてくれるって言ってたような?

『そうだよ!いきなり人間がいたから隠れてた。大きいとバレるから小さくなったよ』

 んん?話せる?

『念話だよ』

 ほー!

『早く服着たら?』

 はっ!?丸出しのままだ!


 後ろでエイミーが「プリティなおちり♡」とか呟いてる。やばいのがいる!!

 ララァが服を着るのを手伝ってくれて雷獣を見つけた。

「あら?何でこんなとこにパルーが?」

 パルー?

『猫型の少し珍しい希少獣だよ。一緒に捕まってたって言っといて』


「いっちょにつかまっちぇた!!ちゅれてきちゃよ」

 くっ殺せ!!


「まぁ!かなり大掛かりな組織だったのかしら。報告しないと・・・」


 こうして黒い子猫を抱っこしてる幼児はお姉さんたちに連れられてAランクパーティの人たちの元に合流。


 赤い短髪のイケメン、金の長髪のイケメン、灰色ツンツンヘアのガチマッチョなゲームにいそうな主人公チームがそこに!!!


 俺はせめてマッチョの人になりたかった。

 理想は赤い人!でも幼児になるくらいならフツメンで良いから活躍出来そうなマッチョに!!


 絶対に許さないからな!?

 あの青髭と喉仏のヤツ!!!!

 ハゲれば良いのに!!!!!!!!


「おう、何だぁ?ついに誘拐してきたのか?」

 やっぱエイミーはやばいんだ!ショタの人か?

「違うわよ!一人でこんなとこいる子なんて普通いないでしょ?何でそんなおかしい扱いになんのよ!リック!」

「1人でいただと?」

 リックって呼ばれたのは赤いイケメン。

「何か人買いに捕まってたのをパルーと逃げ出してきたんだって」


「人買いだって?」

 イケメンたちが一気に怖い顔になった。

「でもだいぶ馬車で離れた場所まで連れてこられてて元いた国もわかんないんだって」

 痛ましいものを見る目で見られたよ。

 嘘ついてごめん!でも説明出来ないから!変なオネェに失敗されてここに来たって!


 リックは剣士、Aランク冒険者で《竜の瞳》ってパーティのリーダーって名乗ってくれた。金髪の人はサイラスで斥候、マッチョの人は、ガルムで盾使い。他に3人いるらしい。

 そして

「ちゅばしゃでしゅ」って!!

 <つ>と<さ>が言えない!!!

 ガルムが普通に

「チュバシャかぁ」

 ってニコニコしてるんだ。ちっげぇーー!

「違うよ!ツバサくんだよー」

 水場で散々聞き取りしてくれて理解してくれてたエイミーが訂正してくれる。

 怪しいのに一緒に水浴びしたのは虐待の痕がないかの確認もしてたらしい。本当かな?

 

「ツバサか、変わった名前だなー」

 名前とか深く考える前に魅惑の世界に招待されちゃったんだよ!悪かったな。


「で、パルーは飼うのか?名前付いてるのか?」

 ぬお?

『・・・早く名前つけろ』

 んんん・・・黒いおっきい猫・・・

 豹・・・ヒョウ・・・ヒョウガ・・・

 んーヒョウガでいい?

『何か単純っぽいけどまぁ、いいよ』

 ありがとう。

「ヒョウガ!でしゅっ」


 もうさ、何この噛み具合。

 「おれ」も「おりぇ」になるから「ぼく」って言うしかない。

 名前、こっち風にしたら良かったな。



「さて、とりあえずギルドに報告だな。町に戻ろう」

 

 休憩に使ってた荷物をさっと片付けてさっと俺を抱き上げてくれた。


 やっぱ俺、リックみたいなカッコいい冒険者になりたかったよ。


 あのオネェが予定してた保護者はリックだったことをヒョウガが教えてくれた。


 結果オーライってことはないからな!

 アイツはいつかボコるから!!






評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ