表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
どじっこ女神(自称)のせいで思ってた転生と違ったぼくの物語  作者: 紫楼


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

19/23

結局ギルドで待機する俺

 リドルとミクが俺たちを庇いながら攻防を繰り広げる中、プチパニックの俺は《転移》を使えることを思い出して、ギルドに妊婦さんと飛ぼうと考えたけど、ヒョウガが魔力に慣れてない普通の人間で妊婦じゃ無理が出るっていう。


 悶え苦しむ妊婦さんをヒョウガに乗せてもらってギルドに戻る事にした。

 あの騒々しいギルドに妊婦さんは辛いかも知れないけど他に行く所が無いし、俺は産婆さんになれないから。


「リドル!!この人ギルドに運ぶ!!」


「っわかった!!」


 前方をミクが後方をリドルが守ってくれて苦しむ妊婦さんとギルドに入った。

 ヒョウガが大きいままだけど、俺が妊婦さん抱き上げられないし、仕方ない。


 中に居た冒険者や受付の人が魔獣かと警戒しちゃったけど、俺を見てヒョウガの首元見て。背中の妊婦さんを見つけて。


 冒険者のおっちゃん達が妊婦さんを丁寧に受け取って下ろしてくれた。


「大丈夫か?」

「・・・子供が・・・ぅ、迷子なんです・・・あぁ・・・」


 ん?もしかしてさっきの子供かな?


 受付さんに目を向けたらサッと奥に入って子供を抱いて戻って来た。先ほどぶりの子供は顔が涙でぐちゃぐちゃで泣き疲れて眠ってしまったようだ。


 唸っている妊婦さんの側に子供を見せれば、妊婦さんがほっとした顔をしてまたお腹を抑えて顔を歪める。

「ああ・・・ジーン、良かった良かった・・・」

 妊婦さんの子だった。逸れちゃった子供を探して一人でいたんだな。


 ところで妊婦さんは臨月ってやつか?今医者いるんかな?


 受付さんが指示して妊婦さんを奥に運ぶ事になって。


「ツバサ、一人だと外に出ちゃうみたいだし無茶するからもうギルドに居てくれ。俺たちは外で警戒してくる」


 リドルが釘刺してミクと出ていった。

 くそ~。ケモ耳イケメンかっこいいぜ。


 ギルド内を見てると怪我人がたくさんいる。これ俺が調薬で薬出したり、ヒールで治すのってダメなのかな?

『だから普通の子供が持ってない力を使ったらダメだって!!』

 でもさ、緊急事態じゃん?


『聖人とか言われて教会に監禁されても良いならやれば?』

 マジなの?チート持ちってそんな目に遭うの?

『ジャックのところでこっそりポーション作るくらいなら良いんじゃない?』


 それだ!

 ジャックさんのところに走っていって、ドーンと突撃。

 飛びついて持ってない耳元でゴショゴショっと内緒話を。


「・・・それは正直ありがたいが大丈夫か?」

「ジャックさんのヘソクリみたいな扱いで・・・無理?」

 小声で相談。

 そっと抱き直されて隣の部屋に。

 ギルド長の個室ー!って言ってる場合じゃなかった。


「たのむ。出来れば低級、中級ポーションで頼む。それ以上だと隠せない」


 薬草をこっそり持って来てもらって、スキル《調剤》を発動。ヒールのが楽な気するけど、監禁コース一択は嫌だ。


 仕上がったポーションをジャックさんがどんどん運んで行く。

 薬草が切れたのでお役目終了。


 お疲れな感じのジャックさんが戻って来たのでちょっと出来心で〔赤マ○シ〕の栄養ドリンクをあげた。漲れ!!パワー!!

 下半身じゃないよ?


「・・・マズ!」

 おや、味が苦手だったか。


 ずっとガヤガヤしてる中、女の人の叫び声が聞こえて、子供のギャン泣きも響く。

 ジャックさんに持ち上げられて一緒に連れてって貰うと、

「男はお呼びじゃないよ!出てけー!!!」

って、ギルドの食堂のおばちゃんに怒られた。妊婦さんが産気づいたっぽい。

 他のおっちゃん達もオロオロしながらウロついている。外回り行かないのか?


 やれる事がないから、元に戻っているヒョウガと受付さんの側に居させてもう。


 外の魔物の鳴き声も大きくなって来て、いよいよ限界を迎えそうだ。


 


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ