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第3話 耳鳴りと覚醒

 オキロ


 静寂の中、男性の声で誰かが自分を呼ぶ声が耳鳴りと同時に聞こえる


 オキロ


 再び聞こえる、竜介は首をあたりに向けるが暗闇で何も見えない。


 オキロ


 そんな中、暗闇の中から再び声が聞こえた、すると竜介は段々と恐怖に狩られていく


 オキロ

「誰だ?誰かいるのか?」


 すると、男の声が途切れ再びあたりが静寂に包まれる

 だが、静寂は一瞬にして打ち破られる。


 突然、頭の中がぐちゃぐちゃになるほど激しい頭痛が竜介を襲う

 そして、その頭痛とともに走馬灯かのように脳裏に何かが写し出されるそれは、

 海中の中が突然、激しく光る、視点は変わり今度は火の海に包まれた町の姿、さらに視点は変わり再び海中の中で今度は大量の泡に包まれもがき苦しむ何者かの姿、

 再び視点は変わり今度は巨大な倉庫のような中で上からこちらを見渡す人影のようなものが見えると、再び視点は変わり今度は目の前に黒い巨体が写し出されていた。

 それを最後に激しい頭痛がようやく収まり何も写らなくなった。

 竜介の額からは大量の汗が沸き出ていて頭を大きく下に下げた

 息は苦しく過呼吸となり、痛みは治まったものの目眩が残る


「やっと起きたようだね」

 突然、話し掛けられた竜介は下に向けていた顔を前に向けた。

 そこには、竜介と瓜二つの竜介が立っていた。

 いや、瓜二つと言うよりも今の竜介の姿、同一人物だった。

 灰色のシャツ、灰色の半ズボン、腰と尻の間から黒くて太い長い尾、背中から尻尾の先端まで背鰭が連なっている、そして左腕は黒くゴツゴツの皮膚そして鋭い四本の爪、そして声こそは違うも顔は竜介そのものだった。

「お前は?」

「分からないのかい?これは今の君の姿だよ」

「俺の・・・姿だと?」

「正しく言えば君の中にいるゴジラといったほうが良いかな、だからこの姿は君の幻覚に過ぎないけどね、本当の姿は・・・」

 すると竜介は一瞬瞬きをすると目の前にいたのは、記憶の中で見た黒い巨体だった。

 その姿は巨大な竜にも似て、皮膚は黒く焼き焦げたようにゴツゴツしている。

 背中には何本もの巨大な背鰭が尻尾の先端まで連なり奴の目の瞳は紺色でどこか寂しさがあった。

 竜介は口を開いたまま驚きを隠せなかった。

「お前はあの時の・・・」

「ああ、今君に見せたのは私の祖先の記憶だ」

 すると再び一瞬で竜介の姿となる、

「私は君の意識の中で喋りかけている、だが通じ合えるものは私が選んだ君だけだ」

「選んだ?・・・じゃあ、何故俺なんかを選んだ!?」

「それは簡単さ、君を復讐の道具に使うため」

「復讐・・・だと?」

「人間とはなんとも愚かだ、火の海の生き残りである祖先を人間は利用し兵器にして・・・そして人間は私を同族同士で闘わせた・・・何故、君を選んだのか、祖先の記憶を通した結果、祖先を利用し兵器にした企てた人間こそが・・・君の父親だったからだ」

 自分の父親!?―――男の衝撃の発言に竜介は明らかに動揺を隠せないでいた。

「ふ、ふざけんなよ・・・なんで俺がこんな目に・・・遭わなくちゃいけねぇんだよ!」

「罪から開放されたければ、全うしろ」

「全うしろって、どうやって?」

「簡単さ、戦え、そしてこの力を()()()罪を償え、」

「急に戦えと言われても・・・」

 怖気つく竜介すると男は竜介に近づくと膝を付いて竜介を顔を気迫迫る顔で覗き込む

「怖気付いたのか?苦しまないで罪を償なうという綺麗事があったら苦労はしない、それとも君は、一生このままで良いのか?何度でも言おう・・・君の力は、何のためにある?宝の持ち腐れか?君には私の力そして能力が継承されている、君はもう人間ではなく私と同じ怪獣・・・・・ゴジラなんだぞ」

 それを聞いた瞬間、涙は枯れ竜介は何も考えられなくなる、そして再び何らかの感情が芽生える、体がブルブルと震える、息は段々と荒くなる、その吐いた息からは白い煙が上がる、そして竜介の眼差しは鋭くなる。

 この感情はまさしく怒りの感情ともいえた。

「それらしい顔になったね・・・君が思うままに暴れろ、そして怪獣の如く何もかも破壊しろ」

そういい残すと目の前にいたゴジラは全てが幻覚だったかのように消える。

 すると突然、竜介の拘束が一斉に解ける、そのまま竜介は前に倒れこむ、いきなり拘束されていた体が動かせるようになった反動なのだろうか中々起き上がる事が出来ない。

 しかしここで竜介が疑問に思った事がある、何故、急に拘束が解けたのか?

 竜介は前を見ていると暗闇の中ガラスの奥に一人の人影が見えた。

 だが、その人影は何処かへ消えてしまう。

 すると、竜介の体が突然熱くなる。

 竜介が息をするたびに白い煙が竜介の口から出てくる。

 竜介の体は背中に巨大な背びれと長い尾、そして左腕は焼き焦げたかのような皮膚になり、より強力な腕へと変わった。すると竜介の背中の背ビレが青白く発光する。竜介は、


「全てぶっ壊してやる」


 竜介の体一面が激しく発光しその周囲の壁やドアなどが突然、大爆発を起こした。

 壁は溶けるかのようにどろどろになり暗かった部屋が一瞬にして明るくなった。自分がいた部屋は約8メートルほどない独房だった。竜介は、立ち上がると目の前にあるドアのほうへ歩く、そのドアは防弾の素材で厚く来ているため普通の力では開けられない

 だが、もう竜介は普通ではない。一歩一歩歩くとその床は潰れるかのように崩れる

 竜介は、ドアの前に立つと。また、背びれを青白く発光させる、すると、竜介の左手の平が青白く発光する、と竜介はその左手をドアにあてる、すると、ドアは一瞬にして爆破しごなごなになる。

竜介は、一歩一歩とドアの切れ目を踏み潰し竜介は、初めて独房から出ることが出来た。









 その時、貞夫の部屋の扉が勢いよく開かれる。開けた幹部は焦っているかのような顔をしていた。「一体何事だ?」すると幹部は

「例の実験対象が脱走しました!」

 貞夫はそれを聞きすぐに仮眠室を出てその幹部と共に

 ある場所に向かう、

「なぜ、マイクロチップは起動しなかったんだ?」

「分かりません。急に奴が体内放射を起こしたせいか第一錬のシステムが一斉にダウンしたんですよ」しばらく廊下を歩くと目の前に重層な扉がある、幹部は

「ここです。」と言い。その扉を開けると中は多くの人たちであふれ変わっていた部屋だった。

 そこには、たて一列になった会議用の椅子や長い机がある、その目の前には巨大なモニターがあった。そのモニターに写してあったのは、研究所内の監視カメラの映像が無数にある。ここは、もともと会議用の部屋だったが今になっては、〔研究内危機管理対策センター〕になり、研究所内のテロや事故などを想定して対策をする部屋でもある。

 その中には迷彩柄の服を着た第二日本軍の幹部やここの研究員やいろんな人が集まっているその中に宮木と隆二もいた。貞夫は早速幹部たちに

「状況は?」

「十分前に奴が突如、体内放射を起こし」

「それはさっき聞いた、ほかは?」

 するとほかの幹部が「第二錬のシステムの約七割が機能してません」貞夫はしょうしょう渋る「奴はまだ研究室内にいるのか?」

「わかりません、奴の周囲の監視カメラは全てエラーをおこしてい、あ!」幹部が声を

 上げる

「ただ今監視カメラに奴が写りました。」

「何?!」

「これを見てください。」

 その幹部は巨大モニターに端末を動かし無数にある監視カメラ内の一つの映像をモニター

 の画面に映した。そこに写っていたのは、ゆっくりと一歩一歩歩く竜介の姿だった。その竜介の体は左腕が怪獣の腕で背中には鋭く尖った背びれがあり腰に掛けて尻尾が生えてい「クソ、」貞夫は、怒りをあわらにするかのように怒鳴る。それを聞いた幹部たちは、

 びっくりしたかのように隆二に目を向ける、貞夫は「すまない」と幹部たちに謝る、

(だが厄介だな。七割のシステムが起動しなかったら奴が外に出るのも時間の問題か)

 貞夫はまた、渋る。「宮木大佐」貞夫は、宮木に目を向けた。

「もうとっくに軍に出動命令をだした、だが、ここに到達するのは、あと三十分は掛かるって話だ。」

「三十分もかかるのか。・・・それまでに奴が外に出ないことを祈るしかないか。」

 貞夫にとって三十分はとても長いことだった、システムの七割が起動していない研究所は

 ただの無力同然に過ぎないからだ。そして貞夫はある判断を下すことになる。

「第二錬の生き残ってる全てのゲートを閉めろ」

 それを聞いた幹部は、「貞夫博士、まさか!」

「あぁそのまさかだ」

「待ってください!第一錬にはまだ逃げ遅れた人がいるのですよ!?」

「あぁ!そんなことはわかってる!だが、奴を外に出したらより犠牲者がでるかもしれないんだぞ!」

 貞夫は声が荒げるかのようにそう発言する。すると貞夫は横にあるゲートを閉めさせるためにあるスイッチに目をつける、そのスイッチは赤くて四角く周りはガラスのようなものがありその下に鍵穴がある。その鍵を持っていた貞夫は鍵を内ポケットから取り出し右手に持ったまま鍵穴に手を伸ばした。その時、横にいた隆二が貞夫の手を掴む、

「何をする?」

「待ってください・・まだ第一錬に少数ですが人がいます」

 隆二がもっていたノートパソコンの画面を貞夫に見せた。

 そこに写っていたのは、数人の研究員の姿だった、道に迷っているのか、必死に出口を探している。

「わかりましたか・・・第一錬には生存者がいます・・・」

 隆二は貞夫の腕を強く掴む。

「隆二、お前は小さい頃から変わらないな・・。この正義感はいいと思うが・・・奴が外に出れば新たな人類の脅威となりかねない・・・・放せ隆二・・・・この少数の研究員より外に出して多くの死者を出すよりはマシだろう。私は・・・・()()()()()()を人類の脅威にはしたくない。」

 隆二が掴んでいた手の力が抜ける、貞夫の言ってることはある程度正しかった。

「わかってくれたようだな。」 

 貞夫は、パソコンに写る少数の研究員を見て

「すまない」

 と小さく謝る貞夫は鍵穴に鍵を入れると左に回すそして鍵を取り外すと、ガチャ、と言う音が聞こえた。これはガラスのロックが解除されたからである。貞夫はガラスを上に開くと人差し指でスイッチを押した。すると、生き残った研究内のシステムが

 起動し、第一錬のゲートが全て閉まる。

「とりあえずこれで時間は稼げる・・・・宮木大佐・・」

「あと20分で特生が到着するとのことだ。」

「あれは、なんとしてでも生け捕りにしてほしい、頼めますか?」

 すると宮木は渋々そうに

「それは、分からない・・状況によるな。」

 と言う

 一方竜介は何かに引き付けられてるかのように進む。竜介が目指していたのは、

 第二錬た。

 しばらく歩いていると突然、竜介の前と後ろのゲートが閉まりはじめた。

 そして竜介は閉じ込められるかのように囲まれる

「チ、閉じ込められたか・・・なら、一か八か・・・。」

 竜介は、膝を付くと深く深呼吸をする、すると、背中の背ビレが青く発光し始める

 ドゥン・・・ドゥン・・・・ドゥン・・・・・・ドゥン・・・ドゥン・・ドゥンドゥン・・・

 という独特な音を立てながら青白く発光する背びれはどんどんと尻尾に集中していく

 尻尾の小さな背びれは青白くなり竜介はその尻尾を高く上げる、

 すると尻尾の全体が青白く発光し始めた。竜介はその尻尾を思いっきり床に落とす

 それと同時に

 周囲に激しい爆発が起きるその爆発は一瞬にしてあたり一面が煙だらけになる

 竜介は小さく「テール放射」と呟く

 煙がだんだんと消えていくと竜介の前と後ろにあったゲートは溶けるかのように

 巨大な穴が開いている。竜介はフゥ、とため息を付き第二錬に進んでいった。

「第二錬、ここか?」

 竜介はゆっくりと第二錬の中に入っていった、その第二錬の中は、

 逃げ跡を残したままの人気の無い無人な場所だった。

 竜介は迷うことなく第二錬の中を歩いていく、

 しばらくして、竜介がたどり着いたのは、重層な扉の前だった。竜介は、その扉を開けようとする、

 なんと、その扉は重層にもかかわらず簡単に開けることが出来た。

 その扉を開けると、縦一列に伸びる薄暗い廊下があった。竜介はその廊下を迷うことなく

 進んだ、竜介には、恐怖感と孤独感という感情をなくしていた。それどころか開放された感のほうが大きかった。

 その細長い廊下をしばらく歩き、竜介は、そこで止まる。

 竜介は左側を向いた。

「俺を呼んでいるのは、こいつ・・・なのか?」

 それは、分厚い防弾ガラスの奥にあった一つの()だった。






面白かったら感想や高評価、ブックマークおねしゃす!


消されないか心配だな・・・・

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