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0-1 出会い

初めまして。

イチャ百合が好きです。イチャ百合が大好きです。

おねロリが好きです。身分差百合がすきです。女の子同士のキスが好きです。手を繋ぐだけで真っ赤になる女の子のカップルが好きです。


そんなこんなで序章、出会いの章です。

そうだ、自殺しよう。


そう思い至ったのは、土の味を噛み締めながら、頭をグリグリと踏まれている時だった。


イヴァンダールの黒枷


そう呼ばれる呪いがある。

原因不明、治療法も不明。

ただ、その病気は、世界を穢す呪いと言われ、胎児が母親を必要としなくなった時に発病する。

身体の一部が真っ黒に変色し、触れたもの全てを灰に変えていくその呪いの最初の被害者は母親となることがほとんどであり、


そして私もその発病者の1人であった。

右手から肘にかけて真っ黒。


母親を胎内から殺して、父親に捨てられ、教会に保護された。


幸いにも、治療は出来なくても、呪いの効果を完全に打ち消す方法は編み出されていて、私の養父が『アステリオの髪』と呼ばれるそれを私に施してくれた。

だから、15歳になるまで誰も殺すことなく生活を送ってこれた。


だけど、『アステリオの髪』は、肌の変色まで治す効果はなく、他の子供に虐められるにはその変色は充分な理由だった。


教会の孤児院の子供に醜い、近づくな、伝染ると除け者にされ、

街の青年に、化け物だ、殺せと殴られ、蹴られ、

大人たちはまるで無関心。


唯一の味方の養父も、『アステリオの髪』を買う時に多額の借金をしたらしく、これ以上迷惑をかける訳にもいかず、


そうして、サンドバッグの様な日々を過ごす中で、

この生き地獄から解放されたいと願うのは、私には仕方なのないことで、

文句を言うやつが居るなら今すぐかわれ、と思う。


日雇いで稼いだ(稼ぐのにも人一倍苦労した)小金を携えて、とりあえずこんな街からは出ていこうと死に場所を探す旅へ。


イヴァンダールの黒枷はその宿主が死亡したときに最も強い呪いを発揮するらしい。


だからなんだ、とは思うが、それでも養父にだけはこれ以上面倒をかけたくなくて、誰も私を知らない場所を目指した。



長い手袋さえすれば、黒枷があるかなんて分からず、地元から離れるにつれ、人間らしい対応を受けることが出来たが、それでもバレた時には酷い扱いを受けた。


結局、人里離れた森の中へ。

宛もなく、ふらふらと歩くだけ。

魔物にでも殺されるだろう、なんて思っていたのに、どうやら魔物でも黒枷は忌避すべきものみたいで。


もう、何日も歩いた。

食料も水も尽きて、衰弱して今にも崩れ落ちそうな時。


急に森が開けて、水の音がして、キラキラと陽光を反射させる湖がそこにあった。


最後に水浴びがしたい、なんて思って『アステリオの髪』以外全部脱ぎ捨てて、眼前の湖へと歩を進める。

汗でベトベトだったのが冷たい水が身体を撫でて、水で浮いた身体はまるで翼が生えたように軽くなって、

そして、身体がもはや限界であることに気づいた。

最期にいい事があった、こんなに綺麗な湖で、こんなに気持ちがいい状態で死ねるのだ。

ただ、心残りなのは、私が死んでしまうと、この湖が呪いの効果で穢されてしまうことで、


「ごめんなさい」


最期に私は湖に、世界に謝ることにした。

全身がだるくて力が入らない。

ゆっくりと、視界が閉じていく。

意識が暗くなって、どこまでも続いてく深い闇に飲まれるようで。


かすれる視界に先程の人影が近づくのが分った。

女の子だった。

私よりほんの少し年上だと思う。

こんな森の中なのに、真っ赤なドレスを着ていて、真っ白な肌と、キラキラの銀髪をしていて、

女神さま?なんて場違いな感想を抱いてしまうぐらいには。その女の子は非現実的で。


視界が消えて。


そうして、最後、私が感じたのは…

やけにそこだけ熱くて鮮やかな、唇に何かが触れる感触だった。



そうして、私と彼女は出会った。

長い、永い、私達の物語の始まりだった。

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