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大地の玉、争奪戦Ⅶ

「バ――バカなこの俺が」


 クルーデスはそう言って、膝をつきながら腹部を押さえていた。


「残念だったな。一瞬焦ったが俺と当たった時点でお前の負けだ」


 バロガンはそう言いながら、巨体な体を持つクルーデスに、痛烈な一言を浴びせていた。


 半径3キロほどのクレーターの中央に立つバロガンと、膝をつくクルーデス。綺麗な自然は、二人の戦いによってお釈迦となっており、いかに厳しい戦闘をしたかを物語っていた。


 悪魔の顔(イビルフェイス)を使って、巨大化になって暴れまわっていたクルーデスではあったが、バロガンは魔力を完全に開放し、赤い雷を体に帯びながら、雷神の如く戦闘を行ったのだった。


 圧倒的な力を前にクルーデスは久しく、挫折を感じていたところだった。


 「クソ――」と空しく声が漏れたと同時に、冷たい風が吹き始めた。


「何故能力が無しでそこまで戦える。何故、ただの部位魔法(マナパーツ)のパンチ一撃でこのクレーターを作ることができる」


「答えはシンプルだ。強いからだ。と、いうか追い打ちをかけるようで悪いが、俺が身体向上系統の魔法を使えば海を割ることもできるし、能力を使えば残念ながら、この国を半壊することもできる。国と言えどただの陸だ。俺からすりゃ破壊対象よ」


 バロガンがニヤリと笑みを浮かべるが、クルーデスは一人の武人として、完全な敗北を覚えた。


 不意打ち――。そんな攻撃手段も過った。所詮この世は勝つのが正義。しかし、この漢の前では軽々と握りつぶされる未来しか見えていなかったのだ。


「諦めな。エクゾトレイブに連行する」


 バロガンはそう言って、クルーデスに首輪と両手に手枷を付けた。


「ん? 来たか」


 バロガンがそう言うと雪菜が、夜炎と手を繋ぎ、斜面を滑りながら駆けつけてきた。


「おお。無事だったか!」


「無事だったんですけど、今回、私と不知火君全然活躍していないんですよね」


「蒼雷が覚醒したからな。あの魔力は闇の支配者(ダークルーラー)を秒で壊滅させたいんじゃないか? アルガロス以上の魔力が出ていたからな」


「正直ショックだった。修行して大分力を付けたはずなのですが――」


 バロガンはそう言っている夜炎に怪訝な表情をしていた。


「どうしたんですか?」


「潜在エネルギーをかなり秘めているな。そういえば二人とも名前を聞いていなかったな」


「不知火夜炎です」


「白川雪菜です」


「改めて宜しく。で、夜炎君はコイツをエクゾトレイブに送った後、フェリペスに再度来ると良い。魔力を解放してやる」


「どういうことですか?」


「眠っている潜在能力を俺が解放してやる」


「そ、それは凄いですね」


「お前半信半疑だろ。まあいいさ後は蒼雷と龍騎の娘だな。そして――」


 バロガンは上を見上げると夜炎と雪菜も同時に見上げた。


「馬鹿デカい魔力が上空で戦闘中でしたが、誰と誰でしょうか? 一人は恐らくロードゲートさんだな。後は分からん」


「凄い魔力ですね。降りてきますね」


「バロガンか久しいの」


「お久しぶりです」


 ロードゲートが何事も無く空から降りてきたが、少しばかり息が荒くなっている。


「先生どうされたんですか?」


「ちとな。激しい運動をしておったんじゃ。久々に動くと体が痛いの」


 と、ロードゲートは言っているが、とてつもない魔力はまだ漏れており、夜炎と雪菜は緊張感に晒されている。


「一体誰と戦っていたんですか?」


 バロガンの問いかけにロードゲートは髭を触りながら答えた。


「 ベルーガという闇の支配者(ダークルーラー)の幹部とな。これまた驚いての、ワシの 裁き(ジャッジメント)を二度も喰らってピンピンしておったのじゃ。じゃからお主等よりか全然強いの」


「ぐうの音も出ないです。ロードゲートさんの魔法を二度目も喰らって、ピンピンしている人間は破壊帝しか思い浮かばないので。というか少し喜んでいませんか?」


「緊張感がある戦いじゃったわい。まあ逃げられたのじゃが。それで? この男は誰が捕まえだのじゃ?」


「俺ですよ」


 バロガンがそう言うとつまらなさそうに見てハアとため息をついた。


「まあええわい。とりあえず皆無事で何よりじゃ――おっと、主役のお出ましじゃな」


 ロードゲートがそう言って左方向を見ると、夜炎、雪菜、バロガンもつられてその方向を向いた。


「おーい」と手を振った後、こちらに向かってくるのは蒼雷、玲、アドラーだった。


「大地の玉取りましたよ! で、その大きいの捕まえたんですか?」


「エクゾトレイブに収監して情報を聞き出す」


「でも、あの大きい状態だと入り口入らなくないですか?」


 ごもっとも、と玲、夜炎、雪菜、アドラーは思ったが、バロガンは得意げに笑みを浮かべ。


「魔力が減っているから次第に縮まっていくさ。ロードゲートさん、エクゾトレイブまで転移魔法(テレポート)お願いします。他はどうする?」


「俺行きますよ。ジェナスさんに聞きたいことあるんですよね」


「何でまた?」


「聖霊の情報を聞きたくて」


「なるほど」


「ワシが皆送り届けてやる。とりあえずエクゾトレイブに向かうぞ。皆掴まれ」


 ロードゲートがそう言うと、蒼雷、玲、夜炎、バロガン、アドラー、そしてクルーデスを体をロードゲートに触れさせて、この場から姿を消した。

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