戦いの中で
「美紀…俺もう逝かなくちゃ…」
「何言ってんのよ…拓也が逝くならどこでも一緒に行くって約束したじゃない…」
戦いのさなか化け物退治専門の剣豪と呼ばれた二人は
化け物の元凶を倒し、命果てようとしていた―――
「なぁ、覚えてるか…俺がお前に告白した時の事…」
「あの時の事ね…覚えてるわよ、あんた凄くおどおどしてて頼りなかったけどね…」
「うるせぇな…緊張してたんだよ…」
「でも今じゃ、この組織でもトップの総隊長だもんね…」
「そうだな…あの時はがむしゃらに頑張ったよ…
俺の小さい頃からの夢だった化け物を一匹残らず倒すこと
それに向かって必死だった…今思うとあの時の告白は心が折れた時の拠り所みたいなもんだったのかもな…」
「でも、私はそんな事なかったよ…?」
「えっ?」
「目標があって凄いなぁって思ってたし私も同じ気持ちで心が折れたときはいつも拓也のこと考えてたり…今どうしてるのかなぁってずっと考えてた…」
「そうこうしてる内にやっぱり拓也のこと好きなんだって気付いたの‥」
「だから、この長い戦いが始まる前に拓也が行くならどこでもついていくって言ったのよ…w」
「…なんだよ、、てっきり俺は振られたからもうあきらめたつもりだったんだけどなぁ…w」
二人の鼓動が早くなる、もうこの世にはいなくなるかもしれないのに。
「美紀…」
「拓也…」
二人は体を重ねあい唇に唇を重ねた。
その後の事は誰も知る人はいなかった
世間では大きな爆発事件として処理され現場は跡形もなく綺麗になっていた
季節は瞬く間に過ぎていき皆の記憶からは二人の姿は消えていた
どこかで幸せな時を過ごしていると願う―――