表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
4/7

2回目の入院まで

そういえばネットに専業主婦になった人のニュースが載っていた。

やっぱり同期が出世してるとかなりのショックらしい。

僕ももう良い歳になる。無事に勤めていたら?と、ふと考える。

でも、ろくな就職口が無い田舎ではパソコンを持つことも贅沢なことなのかとも考える。


パソコン・・・仕事のために買ったパソコンはキーボードが立派だった。

DELLのパソコン・・・毎日国旗掲揚を義務付けられている職場にちょっと反発心を出して買ったパソコン。当時30万くらいした。DVDドライブも付いていた。でも、突然動かなくなった・・・僕の壊れた脳の神経細胞のようだ。でも、脊髄損傷などに比べたらまだましかもしれない。毎日薬さえ飲んでいれば良いのだから。

今使ってるパソコンはキーボードが光ってる。田舎でもADSLが来るようになったと知ってインターネットでキーボードばかり触っていたからだ。掲示板、日記・・・たわいのないことのために安物のパソコンのキーボードは光ってる。何のために・・と思うとちょっと笑いたくなる。意味の無いことに費やしたキーボード。でも、意味はあったのかも・・・東北の厳しい冬と孤独を癒すのに役立ったのかもしれない。

DELLのノートパソコンは使い始めたときに病気になったのでキーボードが新品のように光っていた。これでエクセルの集計をするとデータを入れるだけで計算式がインプットされたパソコンはたちどころに答えを出した。電卓で計算してるのが馬鹿らしくなるくらい。


僕の幻聴が始まったのはいつだろうと考える。それは自分の意識の中にそっと忍び込んできた。ピンクフロイドの「狂気」というアルバムの中の一説のようだ。


頭の中に誰かいる。

誰かが俺のことを言っている。


僕はピンクフロイドのCDを聴いて、自分は狂っていると思った。

でも、見えない誰かがいて、外に出ると危ないというのだ。

つい、その声に従ってしまった。


十和田の病院に行った。春だというのに青森は雪深かった。病院の前に石焼芋売りが来ていた。診察で医師は今日は何日で何曜日かと聞いた。そんなことは腕時計を見ればわかることなのになんでだろう?と思った。医師は薬を飲むようにと言った。でも、薬を飲んでも幻聴は消えることは無かった・・気付いたら一週間経っていた。幻聴で寝れない日々。

精神科の若い医師が病院に来ているというので診察を受けに行った。

「入院しましょう」

若い医師は確信を持って言った。

そこまで症状が酷かったのかもしれない。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ