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一回目の入院

もう27年前のことなので、あまり覚えてないです。当時を記録した文章があったので転載します。

一回目の入院

一回目の入院の記録です


従兄弟に会い盛岡のホテルに一泊した。そこで、私は寝付けずに、盛岡の街をさまよった

。見るものすべてが、何かを暗示しているように思われた。そして、

晴和病院に入院させられた。最初の問診はお爺さんの先生だった。そこで、

私は「頭の中にコンピューターウィルスが入って」とか訳の判らないことを言ったことを覚えている。

そして、テレビを思いっきり蹴った。暴れたのである。

当時のことは十年前になるし頭の中がわけが判らなくなっていたので詳しく覚えていない。

とにかく私は保護室に入れられて、二十四時間モニターで監視されて、板の間で窓もなく布団と便所しかない部屋に閉じ込められた。

眼鏡も時計も取られて、時間も解らず、目もはっきりしなかった。

(今思えば、自傷の恐れがあったからだと思う)

食事はドアの隙間からだされるもので、あまりおいしく無かったが仕方ないから食べた。

そのうち眼鏡と時計が返されて、外に出て歯も磨けるようになったのだけれども、どのくらいそこに居させられたのかも解らない。

しばらくすると、大部屋に移された。お爺さんや「俺はセンズリ大魔王だ」とかいうおじさんとかと同じ部屋になった。

薬が合わなかったのか、とにかく具合が悪く、ほんとうに狂ってしまうのではと思った。

そこで、色白の青年に出会った。

青年は中学で学年一番になったが学校に行かなくなり、家にばかりいるようになったら母親に連れられてきたといっていた。

そして、傷害年金で買ったというCDラジカセで米米クラブの曲などテープにダビングしてくれた。

従兄弟が子供を背負ってお菓子などを持ってきてくれて見舞いに来てくれた。

「この時間に電話してきてね」といって僕は従兄弟に電話をかけた。

ときどきホールみたいなところでお菓子を業者が持ってきて、予算内で買わなければならなかった。

僕は、看護士さんに「買い物がうまいねぇ」といわれた。

三時くらいになるとコーヒーの時間というのがあった。

ナースステーションに呼ばれて砂糖はいくつですか、クリープはいくつですか、と訊かれて、コーヒーを飲んだ。

煙草はホールに時間になるとライターが紐で結ばされて、時間内なら喫煙できた。

ただし、毎日「掃除」といって、掃き掃除、モップがけ等をさせられた。

後で掃除のおばちゃんが綺麗にモップしていくのに無意味だなぁと思いながら掃除していた。

作業の時間というのもあって、プラスチックを組み立てて、弁当箱を作らせられた。

臨床心理士に会って、木を書いて、風景がを描かせられた。

「あんまり、根詰めない方がいいですよ。煙草を吸いますか?僕も吸うんですよ」と言って煙草を一本くれた。

僕のそこで受けた心理テストはそのくらいだった。問診も思いがけなく来てあっという間に終わった。

ときどき、バレーボールを体育館でやらされた。みんな下手だった。

体育館に行く途中で患者の一人が、若い男性に声を掛けた。べつの病棟にいる患者らしかった。

いっしょに入院したお爺さんがいて、家族に騙されて入院したといっていた。

三ヶ月経つとお爺さんは薬の副作用だろうか、喋れなくなっていた。判子屋をしているという話だった。

従兄弟が仕事辞めないかと言ってきた。僕は辞めないと従兄弟に言ったそうだ。

ホールでは煙草をかけて、麻雀をしていた。

五時くらいになると看護婦さんが「ハイジよ、ハイジよ」と叫んでいた。

病棟は男性患者しかいなかった。突然問診が有り、「あなたは働く自信がありますか?」といわれ僕は「はい」と答えた。

当時やっていた仕事は伝票の整理だったので単純労働だったからだ。そして僕は退院した。

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