プロローグ
先程投稿したものと同じですが、先程のは間違えて短編にしてしまったので削除します。すいませんでした。
とある世界の宇宙のとても高い位置。人間なんかには見ることができないくらい高く、何億光年も遠く離れた場所にそれは現れました。
それは、すべてが光で構成されている大きな扉でした。光は強くなったり弱くなったりと人間が呼吸しているかのようでした。
その中には、人々から“神様”と呼ばれている、この世界を作った人間より高位である存在がいました。
その神様は二人いて、それぞれ対極的なものを司っていました。創造と破壊、喜びと悲しみ、光と闇、空と大地などです。
そして、神様にも人格……神格というものがあり、あるとき片方の神様がいいだしました。
「暇だわ!人間界に行って、遊びましょう!」
♢ ♢ ♢
「何を言ってるの?バカだろ、ルノン」
すると、辛辣な言葉が帰ってきました。
「ノ、ノア!バカじゃないわよ、視察よ視察。人間の生態をねぇ、調べてより私が楽しめるように……」
ルノンと呼ばれた神様はノアに反論をして、なんとか人間界に行く方向に持っていこうとしましたが、ノアのひと睨みで黙ってしまいました。
ルノンは子犬のようにシュンとなりました。
そんなルノンをみてノアはため息をついて言いました。
「行くなら、一人で行けば?僕は行かないよ、ルノンの世話なんかしたくない」
「え、言ってきていいの?!やった、行ってきまーす!」
ノアに止められていないと気づいたルノンは、ここから出て人間界に行くために遠くにある扉に向かって真っ白な翼を広げました。
そして、目で追えないほどのスピードでとびらに向かって行ってしまいました。
ルノンが見えなくなって、一人になったノアは中央に存在する人間が言うモニターのようなものを覗いて、つぶやきました。
「ルノンは知らないだろうけど、人間はもう滅びちゃったんだよねぇ……。もうこの世界は妖精たちと亜人と魔族のものさ。ルノンが好きな人間はもういないんだよ」
ノアは親切で教えなかったのか、意地悪で教えなかったのかはわかりません。
ただ、ノアの顔はニッコリと貼り付けたような笑みだったので、おそらく……。
「ルノンのことを観察しようか――」
モニターを人間界全体からルノンに切り替えて、ノアはモニターをじっと見つめています。
♢ ♢ ♢
「ねぇ、おばあちゃん。ルノン様とノア様ってどんなお姿をしているの?」
人間界――今は地上と呼ばれるところで、幼い魔族の女の子が女の子のおばあちゃんに聞きました。
女の子は今まで女の子のおばあちゃんに神様たちのお話を聞いて、どんな神様なのか気になったのです。
そのお話を女の子はとても気に入ったようで、頬がうっすら赤く染まっています。
「そうだねぇ、ルノン様は女性の姿で赤い瞳に真っ白な髪と翼を持っているそうよ。ノア様は男性の姿で青い瞳に真っ黒な髪と翼を持っているの」
女の子のおばあちゃんはそんな女の子を見て、うふふ、と笑いながら女の子に教えてくれました。
「美人さん?」
「ええ、とても美しい方々なのよ」
「そうなんだ……あの人みたいな?」
女の子が指をさした方向には、真っ白い髪と翼を持っている美しい女性が倒れていました。
特徴はルノン様にそっくりです。
「そ、そうだね……」
「そうなのかぁ!もしかして、あの人がルノン様だったりね」
♢ ♢ ♢
「もう、なんでノアは来てくれないのよ。さみしいじゃないの……」
ルノンは一人そらを飛んでいました。
先程、ノアに許可がもらえたのでフルスピードでにんげんかいまできたのです。
「おかしいわね……人間が見当たらないわ」
さっきから見かけるのは亜人、妖精、魔族……。人間が一人もいないのでした。
ルノンが愛してやまない愚かで醜く、そして美しい人間たちが。
「とにかく、色んなところを回ってみましょうか……」
ルノンがそう決めたとき、ルノンに雷が直撃しました。
「ああっ!」
意識を失ったルノンは飛ぶ力を失い、落下していくことしかできませんでした。
そして、ルノンが落下したのは……。
更新頻度は遅いですが、読んでくださると嬉しいです。